2012年9月19日 (水) 掲載

◎ふっくりんこ 収穫たけなわ…北斗で作業スタート

 【北斗】道南ブランド米「ふっくりんこ」の収穫が、北斗市大野平野でたけなわだ。青空が広がった18日は、19日の雨予報もあり農家が忙しくコンバインを走らせた。。

 「ふっくりんこ」を4f作る市内開発の藤野弘喜さん(43)方では、18日から刈り取り作業をスタート。4条刈りコンバインで、黄金色に輝く稲穂を盛んに刈り取った。天気次第だが、収穫終了まで3日間ほど掛かるという。  藤野さんは「収穫開始は例年より1週間ほど早い。品質、収量とも平年作以上が期待できそうだ」と話していた。。

 渡島農業改良普及センター(同市)によると、管内の水稲作付面積は約3000ヘクタールで、「ふっくりんこ」が約6割を占める。今年産は高温障害が懸念されたものの、適切な栽培管理で被害もなく、収量は平年並みになる見込み。新米の店頭販売は10月上旬から始まる。(山崎大和)



◎「節電の夏」企業も努力…商工会議所アンケート

 函館商工会議所は、企業のエネルギー動向に関するアンケート調査の結果をまとめた。東日本大震災以降、節電に取り組んだのは約7割に上り、市内の企業も積極的な努力で「節電の夏」を乗り越えたことがうかがえる。また、北電が検討している電気料金の値上げについては、多くの企業が懸念。売り上げや利益の減少など企業活動への影響が避けらそうにない状況となっている。

 アンケートは7月3〜23日、同会議所の会員企業761社に対しファクスを送付。255社から回答を得た。回答率は33.5%。

 「節電に取り組んだ」と答えたのは178社(69.8%)。一方、「取り組まなかった」としたのは76社(29.8)だった。ただ、「すでに節電しており、これ以上は無理」という回答も含まれているため、8割を超す企業が節電に取り組んでいる。

 具体的な節電対策(複数回答)は、「こまめな消灯、照明を減らす」の157社(61.6%)が最多。「冷暖房の省運転」は109社(42.7%)、「OA機器の省運転」が69社(27.1%)、「節電目標の設定」30社(11.8%)などと続いた。

 電気料金の値上げについては、商品やサービスに値上げ分を「転嫁できない」と答えたのが172社(67.5%)に上った。また、その影響や対策を聞く設問(複数回答)では「売上・利益の減少」が175社、「生産・営業活動の低下」30社だった。対策として、115社が「管理コストなど経費削減」で対応するとしている。

 原発については「安全対策を実施したうえで当面は再稼働し、段階的に減らすべき」が182社(71.4%)だったのに対し、「一切再稼働するべきではない」は58社(22.7%)だった。同会議所では「冬は節電が難しく、夏以上に影響を心配している企業が多いのではないか」としている。(松宮一郎)



◎函館「魅力度」3位…ブランド調査

 民間シンクタンクのブランド総合研究所(東京)が18日に発表した今年の地域ブランド調査で、函館市の「魅力度」は全国の市町村で3位となり、昨年の2位から転落した。観光や食品購入の意欲低下が響き、同研究所は「地域間競争の激化で、函館の優位性が薄れている」としている。

 調査は2006年から始まり、今年で7回目。7月に全国1000の市町村を対象に「魅力度」や「認知度」「観光意欲」など計72項目をインターネット調査し、全国の計3万375人から得た回答を点数化した。

 函館市は09年に1位に輝き、10、11年は2位と上位をキープし、3位は06年以来。今年の魅力度は52.8点で、前年より3.9ポイント低下。3年連続1位の札幌市とは7.2ポイント、昨年と順位が逆転した京都市とは2.8ポイントの差が開いた。

 主要項目別では、「観光意欲度」が前年(2位)の65.8点から61.6点の3位に転落。観光面に相関する「食品購入意欲度」も同(2位)55.4点から52.7点で4位に下げた。同研究所は「全国的に食の魅力が底上げされ、他都市との差が縮まっている」と分析する。

 このほかの低下要因として、観光意欲度の「ぜひ行ってみたい」が前年の43.4%から36.6%に6.8ポイント減となり、リピーターの確保が課題として浮かんだ。同研究所は「函館の食は集客の大きな力だが、激しさを増す都市間競争を生き残るにはさらなる磨き上げが必要」と話している。(森健太郎)


◎道南各首長ら一斉反発…経産相の大間原発建設容認

 枝野幸男経済産業相が、建設工事を中断している大間原子力発電所(青森県大間町)の建設再開・稼働を事実上容認する考えを示したことに対し、同原発から至近距離にある道南の各自治体首長らは18日、「納得できない」などと一斉に反発した。今後函館市や市議会を中心に、経産省などに対して再度の抗議活動を行う可能性も出てきた。

 政府は14日決定した「革新的エネルギー・環境戦略」で、2030年代に原発稼働をゼロにする目標を明記。しかし、枝野経産相は15日、青森県での会合で「原子炉の設置と工事計画許可が与えられている原発について、経産省の立場として変更は考えていない」と発言した。

 これに対し、函館市の工藤寿樹市長は市総務部を通じて「政府のエネルギー・環境戦略と矛盾する発言で、支離滅裂」と厳しく批判。今後も無期限凍結を求めていく方針は変わりなく、市議会や周辺市町と連携し、何らかの抗議活動を行うことを検討している。能登谷公市議会議長も「とんでもない話。30年以降も動かすことになり、民主党のちぐはぐさを感じる」と憤る。

 北斗市の高谷寿峰市長は「建設工事中で新増設には当たらないという解釈なのだろうが、福島第一原発事故を検証し、安全性について国民的合意が得られるまでは建設工事を再開してほしくはない」と述べ、今後も函館市や七飯町と共同歩調で無期限凍結を訴えていく考えを示した。改行 七飯町の中宮安一町長も「建設凍結になると思っていたので、納得いかない」と批判。同原発が16年にも稼働する可能性があることから「仮に30年代で原発をやめたら、『もったいない論』が出てくる。一回決めたものでも、間違っていたと思うならやめればよい」とする。

 函館の市民団体「大間原発訴訟の会」の竹田とし子代表(63)も、脱原発や新設・増設を認めないという方針との整合性がないことなどを指摘し、「函館側の声をもっと真剣に聞くべきだ」と注文する。