2012年9月21日 (金) 掲載

◎大間原発建設再開容認 函館市長、国に抗議へ

 函館市の工藤寿樹市長は20日、市役所で記者会見し、建設中断中の大間原発(青森県大間町)の工事再開を政府が事実上容認したことについて「もしものことがあれば圧倒的に道南側が影響を受ける。言語道断で、怒りさえ感じる」と述べ、近隣市町、議会などと共同で近く政府に対して抗議することを表明した。

 函館市は大間原発から最短で約23`にあり、国が昨年、原子力の防災対策を重点的に充実すべき範囲(UPZ)とした半径30`圏内に入る。工藤市長は大間原発建設の「無期限凍結」を主張し、国や事業者への要請活動は昨年6月と今年1月に続き3回目となる。

 政府が14日に示した2030年代に原発稼働ゼロを目指す「革新的エネルギー・環境戦略」と、15日の枝野幸男経産相、18日の藤村修官房長官の「大間原発容認」発言について、工藤市長は「全く整合性が取れておらず、言っていることが支離滅裂」と批判した。

 また、大間原発から50`圏内では「青森側の9万3000人に対し、道南側は37万4000人で、道側の方がはるかに影響が大きい」と強調。「大間が稼働すれば50年代半ばまでずれ込み、我々の地域が日本の原発で一番最後まで付き合わざるを得なくなる」と猛反発した。

 市は国の一連の発言に関する抗議に加え、あらためて建設凍結を求める考え。従来通り50`圏内の北斗市、七飯町の首長や議長と共同歩調を取るほか、函館商工会議所の松本栄一会頭とも同一行動を取ることで一致。今後、高橋はるみ知事にも協力を呼びかけ、農協や漁協、観光業界などとも連動する方針。

 要請にあたり、市議会の決議とは別に文書を作成。連名者は渡島管内の少なくとも十数団体に上るとみられ、10月上旬にも上京する方向で調整している。(森健太郎)



◎大門の魅力 マップにぎっしり エバーグリーンの水野さん作成

 函館市若松町18のカフェバー「エバーグリーン」スタッフの水野章(ふみ)さん(24)が、大門地区の「おさんぽMAP」を手作りし、同店で無料配布している。女性を中心として観光客に好評で、20日には1年半かけて取材してきた飲食店などを選りすぐってまとめ、新たに配布を始めた。

 道教育大函館校3年の時から同地区活性化に貢献できる仕事を探していた水野さん。大学4年の2010年12月から卒業まで、同店の運営会社「SMART」で就業体験しながら、地図の企画書も手掛けていた。

 同店スタッフとなった11年4月から取材を本格化。「若い女性ということで、最初は随分断られた」(水野さん)が、熱意に押された店舗が徐々に協力的になった。地図は手書きした店舗概要に加え、おすすめメニューも写真付きで掲載。これまでに「飲食店編」や「ラーメン屋編」など5編を作製、「路地裏の隠れた名店」といったテーマの時もあり、水野さんは「この地図を頼りに女性客がある居酒屋へ足を運んでくれた。徐々にお客さんに利用されるようになった」と笑顔で振り返る。

 次のステップに向けて来月、同店を退社するのを機に、「まとめ編」を残すことにした。表には居酒屋やカフェ、服屋など21店を、裏面には、質問に「イエス」「ノー」で答えながら自分の好みの店舗探しができる「イエス・ノン・チャート」を載せた。

 水野さんは「実際に歩けばつい寄りたくなる店が数多い。マップ片手にその魅力を再発見してもらえたら」と呼び掛けている。

 同店で無料配布している。(長内 健)



◎五勝手屋本舗、江差追分の限定パッケージ「羊かん」発売

 【江差】筒型羊かんでおなじみの五勝手屋本舗(江差町本町38)は、第50回記念江差追分全国大会(21〜23日)にちなんだ特別パッケージの限定商品を販売している。小笠原隆社長(67)は「大会の盛り上げと、江差のおみやげにどうぞ」と話している。。

 限定販売されるのは、筒型12aの通常サイズだが、パッケージのデザインが特別。日本海の夕日の色合いをイメージした筒紙に、江差追分の譜と北前船をあしらい、「先人が苦労の末にこの地にたどりつき、発展を築いてきたことへの敬意を込めた」と小笠原社長。。

 同本舗のほか、全国大会会場の文化会館(茂尻町71)、江差追分会館(中歌町193)で販売している。1つ263円、売り切れ次第終了する。(田中陽介)


◎ユニバーサル映画祭あす開幕 高校生が音声ガイドや字幕に挑戦 本番へ準備着々と

 【北斗】第7回北海道ユニバーサル上映映画祭が22、23の両日、北斗市総合文化センターで開かれる。高校生向け公開ワークショップ(23日午後1時)で映画の音声ガイドを体験する上磯高校放送局の生徒が19日、同校でアナウンサーから講習を受け、本番に向け準備を整えた。

 音声ガイドは、映画上映中、視覚障害者向けにせりふ、ナレーター以外で情景や役者の動きなどを説明する副音声。ワークショップで同局は、上映作品「北大ショートフィルム」3部作の1作「銀杏の樹の下で」(島田英二監督)の音声ガイドに挑戦する。

 講習では、函館市内のケーブルテレビ放送局・ニューメディア函館センター(NCV)放送部の木村優佳さんが講師を務め、局員8人が受講。木村さんは映画祭で同作品の音声ガイドを担当し、原稿の読み方や文章の区切り方などを指導した。生徒も映像に合わせて原稿を読み上げ、木村さんのアドバイスを受けながらレベルアップを図った。

 同局の岡井厚子局長(3年)は「修正すべき点が改善できて良かった。本番はビシッと決めたい」と意気込みを見せ、顧問の倉部英利子教諭も「良い経験になったはず。成果を期待したい」と話していた。

 このワークショップでは、函館水産高校のボランティア部も日本語字幕を画面に付けるオペレーターを体験する。(鈴木 潤)

 同映画祭実行委は、22日午後4時40分上映の「しあわせのパン」観賞者先着200人にパンをプレゼントする。