2012年9月22日 (土) 掲載

◎大中山中美術部、学校祭に向け巨大アート制作中

 【七飯】大中山中学校(大澤敏弘校長、生徒294人)の美術部が、28日に迫った学校祭「山中祭」に向け、縦約2・5メートル、横約7メートルの巨大アート制作を進めている。山中祭を盛り立てる作品は、教諭らも毎年楽しみにしており、伝統となりつつある。

 同校では毎年、学校祭に合わせて、美術部がステージに掲示する「ステージバック」を制作している。始まった時期は定かではないが、少なくとも10年以上続くという、アート作品だ。ステージバックは学校祭の後も、1年を通じて掲示されるため、携わる16人の部員にも力が入る。1年生の大倉美憂さん(13)は「共同で描くので、先輩にアドバイスをもらいながら取り組めるところが好き」と話す。

 制作を始めたのは先月下旬。模造紙をつなぎ合わせたキャンバスに、チョークで下絵を描き、その上からアクリル絵の具や折り紙で仕上げていく。

 作品には、海の中にいる金魚、色鮮やかなツバキとサクラ。そして、空を舞う金魚が描かれた。金魚は、自分たち生徒を表したものだという。池田紀香部長(14)は「海は今の学校、空は世界を表現したもの。『井の中の蛙(かわず)大海を知らず』という言葉があるが、今の自分たちは世界を知らない。でも、いつかは大きな世界に飛び出そうというメッセージ」と解説する。

 2年生の大川彩華副部長は(14)は「グラデーションの付け方に苦労するが、完成後に皆に見てもらえるように頑張りたい」と話していた。(森裕次郎)



◎江差追分全国大会開幕

 【江差】第50回記念江差追分全国大会(江差追分会、江差町、実行委など主催)が21日、江差町文化会館(茂尻町71)で開幕した。23日までの3日間、国内外の439人が日本一ののどを競う。

 大会は1963年に町民の手づくりで始まり、半世紀を経て世界に誇る民謡の全国大会に成長した。開会式で大会長の浜谷一治町長は「追分に親しむ皆さまの支えに感謝が尽きず、100回大会を目指したい。出場者のこの一年間の努力に大きな拍手をお願いしたい」とあいさつ。

 出場者は憧れの舞台で、堂々と節回しを披露した。夜に総勢160人による町民大合唱や江差北中学校生徒の尺八大連管、町観光大使の金田たつえさんの歌謡ショーで盛り上がった。

 大会2日目の22日は、午前8時半に予選会が始まる。大会に合わせて、本町の法華寺通り商店街などでは22と23の両日「えさしグルメまつり」を開く。歩行者天国で、三平汁の販売や民謡ショーなど。全国大会の問い合わせは大会本部TEL0139・52・6088。(田中陽介)



◎4教会連携、29日に「元町・教会めぐり」

 函館市元町に集まる、函館ハリストス正教会などの4教会が連携し、それぞれの宗派や聖歌などを体験する「元町・教会めぐり」が29日、各教会で開かれる。昨年に続き2回目となる今回は、参加者も一緒に聖歌を合唱する機会を設ける。音楽や歴史に触れながら教派を超え、交流を深める。

 東日本大震災の犠牲者を悼むとともに、「異なる教会が並ぶ函館ならではの歴史を再認識し、伝統や特色に触れてもらう機会を」と4教会が合同で企画。

 21日の記者会見で、函館ハリストス正教会のニコライ・ドミートリエフ司祭は「心を一つに被災地の復興、平和への祈りをささげ、各教会の雰囲気や音楽を楽しんでもらえれば」と話した。

 イベントは29日午後1時半から各教会が順番にパイプオルガン演奏、聖歌の合唱、祈りなどを行う。日本基督教団函館教会(午後1時半)、カトリック元町教会(同2時半)、日本聖公会函館聖ヨハネ教会(同3時15分)、函館ハリストス正教会(同4時)。問い合わせは日本基督教団函館教会TEL0138・22・3342。(平尾美陽子)


◎テーオー小笠原、函館日産自動車を買収

 木材・住宅販売、流通業のテーオー小笠原(函館市港町3、小笠原康正社長)は21日、自動車ディーラーの函館日産自動車(石川町、三野正博社長)の全株式1000株を取得し、同日付で子会社化したと発表した。買収は自動車販売部門の強化が狙いで、収益の柱の事業とする考えだ。

 同社のグループ企業には、三菱自動車を取り扱う函館中央三菱自動車販売があり、函館中央三菱はこのほど、スズキ自動車の販売権を取得。10月から販売を開始するため、グループ全体では自動車メーカー3社を取り扱う体制となる。

 函館日産の株式取得は21日に開かれたテーオー小笠原の取締役会で決議した。2010年から取り組んできた同社の経営改革に一定のめどがついたことから、新たな収益の柱となる事業として函館日産の買収を決めた。買収額は非公表。

 函館日産は道南唯一の日産自動車のディーラーで新車、中古車の販売、修理を手掛ける。2002年7月に設立。資本金は5000万円。売上高は、10年3月期が40億3500万円、11年は40億1500万円、12年は44億2900万円と推移。同年の経常利益は1億5500万円を計上している。

 テーオー小笠原は「両社の顧客基盤、資産を効率的に運用をすることでシナジー(相乗効果)を追求し、グループが一体となり事業を展開していく」としている。(松宮一郎)


◎野田首相が民主代表に再選、道南各党 動向注視

 民主党代表選は21日、野田佳彦首相が大差で再選された。26日には自民党の総裁選も控えており、道南の各政党関係者は今後の国政の動向を注視。野党側からは大間原発をめぐる対応への批判とともに、早期の解散総選挙を求める声が上がっている。

 民主党総括副幹事長で、道8区選出の逢坂誠二衆院議員は野田首相に投票し、「内外政とも信頼を得るには、1年ごとにころころと総理を変えるべきではない」と説明する。大間原発を含む脱原発依存については「2030年代の原発稼働ゼロという大きな目標の中で、大間も工事を止めなければ。野田さんには期待というよりは実現させなければならない」と強調した。

 一方、自民党道8区支部の前田一男支部長は「民主党は看板スターがすっかりいなくなった」と皮肉を交え、自民の新総裁決定後、早期の解散総選挙を求める。「大間原発の対応も誤った方向に進んでいる。政権交代を果たしてひ弱な外交をただし、党として日本を正しい道に進めていくことを目指したい」。

 公明党函館総支部の茂木修支部長は社会保障・税一体改革をめぐる3党合意に触れ「迅速に国民会議を立ち上げ、社会保障の充実に取り組んでほしい」と注文。その上で「来年度予算を審議する前に、早いうちに解散し、国民の信を問うべき」と求めた。

 共産党函館地区委員会の高橋佳大委員長は「野党として問責決議を出しており、そもそも辞めてほしい人が再選したという思い。消費税増税や大間原発の建設再開容認など、やってほしくないことをしている」と批判。「野党として民主党には真っ向から戦っていきたい」と語った。