2012年9月23日 (日) 掲載

◎大空へロケット発射

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙学習プログラム「第7回コズミックカレッジ函館」(NPO法人ソーシャル・エイジェンシー協議会主催)が、22日から1泊2日の日程で函館市青少年研修センター(谷地頭町)で始まった。初日はモデルロケットの組み立て、打ち上げを道南の児童約90人が体験、宇宙へのあこがれを強くした。

 JAXAで研修を受けた藤井辰吉さん(函館市議)と、日本モデルロケット協会指導講師の澤口幸男さん(森町保健対策課長)の指導を受け、同センターで火薬で飛ぶロケットを製作。 緑の島(大町)に移動後、専用の発射台から大空めがけて発射。時速180`、高度100bまで上昇後、パラシュートで落下し、発射台からの距離の近さを競った。児童はロケットが飛ぶ仕組みを真剣に学んだ。

 函館桔梗小4年の高佑太郎君(9)と干山尊君(9)は「意外と高く、長時間飛んだのでびっくり。宇宙が大好き」と目を輝かせていた。

 同NPOの榊清市代表理事によると、今回初めて日本モデルロケット協会のテキストに沿った講習を行い、全児童にモデルロケット従事者(4級ライセンス)を授与。「道南から宇宙飛行士が誕生してくれればいいですね」と期待を込めていた。(山崎大和)



◎ポンポン船お披露目

 函館港で観光遊覧船を運航する共同通船(小林敏夫社長)は、明治末から戦後にかけて活躍した焼き玉エンジンで航行するポンポン船を復元。22日、函館ベイエリア遊覧船乗り場で一般公開を行った。全国的にも珍しい船をひと目見ようと、会場には大勢の人が詰めかけた。

 焼き玉エンジンを搭載するポンポン船は、ディーゼルエンジンが普及する70年代まで全国の漁港で漁船や渡し船として活躍。熱した鉄球に油を噴射して爆発させ、ピストンを動かす。そのときに鳴る「ポンポン」というリズミカルなエンジン音が愛称の由来となっている。

 同社がはしけ業者として創業した1919(大正8)年当時に使用していた船の写真を元に、1年ほど前から函館造船(陰山富司社長)が建造。7〜8人乗りの木造、全長は約10bで「共同丸」と名付けられた。

 共同通船の小林社長は「焼き玉エンジンや木造船の技術を若い大工さんたちに伝承させる目的で復元した。合わせて函館の観光のために役立ってもらえたら」と話していた。見物に訪れた市内在住、佐藤紀子さん(77)は「戦争が終わった後、樺太からこの船に乗って北海道に渡ってきた。当時のことを思い出す」と懐かしんでいた。

 今後はエンジンを中心に改良を重ね、来年4月に新たな遊覧船として運航開始を目指す。(金子真人)



◎ホテルひろめ荘 新感覚トンコツ「縄文拉麺」好評

 「ホテルひろめ荘」(函館市大船町832)に隣接する「南かやべ保養センター」の軽食コーナーで、8月から販売している「縄文拉麺(らーめん)」(750円)が好評だ。南茅部産マコンブとスルメイカの風味を凝縮した新感覚のトンコツスープが特徴。開発した同ホテルスタッフの山田貴久さん(45)は「南茅部の新名物になれば」と期待している。。

 臼尻町出身の山田さんは、「新横浜ラーメン博物館」(横浜市)に10年務めながら、全国3000店のラーメン店を食べ歩いてきた。昨年11月、地元に戻って同ホテルに勤め始めた時、「自分の経験と知識を生かし、魅力ある南茅部を活性化できれば」と考えた。。

 そこで、「縄文時代にラーメンを作ったらどうなるか」との遊び心で開発に着手。「沖ではコンブが採れる。まきを燃料にたいた火は沸騰し、スープは白く濁る…」と想像を巡らせた山田さん。半年間、休日や仕事後の時間を使い、試行錯誤を重ねた。。

 そうして生まれたのは、くせのないシンプルな一品。焼いたイカをアクセントにした「とんこつコンブ」スープはまろやかで、中細ストレート麺や、チャーシュー、メンマなどとよく絡む。山田さんは「ラーメンのうまさはスープ、麺、具のバランスで決まる。その三位一体を追求した自慢の味」と自信をのぞかせ、「これを基本形に、今後バリエーションを増やしたい。ぜひ一度食べてほしい」と呼び掛けている。。

 土日それぞれ50杯限定で販売。午前11時〜午後7時。来場には同ホテルへの入浴料がかかる。  (長内 健)


◎イベント盛況 駅前活気 

 函館市若松町の函館朝市協同組合連合会で22日、「函館朝市市民感謝祭」が始まった。また、大門グリーンプラザ(松風町)と函館朝市第一駐車場では、道内外のご当地グルメが集結する「はこだてグルメサーカス」(実行委主催)もスタートし、函館駅周辺はグルメやイベントを楽しむ市民や観光客でにぎわった。両イベントは23日まで。

 日ごろの利用に感謝する「函館朝市市民感謝祭」では、この日のみの特別企画としてマグロの解体ショーが行われた。戸井産で41`のマグロが職人の技で解体され、格安販売された。

 大きなマグロが置かれた藤田水産では、午前9時の開始前から市民や観光客が集まった。大きな包丁で手際よく赤身、中トロ、大トロと分けられる様子に拍手が起こり、約20分で終了。100〜200c(100c500円から)でパック詰めされ、次々と売れた。

 頭とカマを買い求めた市内日吉町の男性は「この部分が最もおいしい」と笑顔。滞在先のホテルでイベントを知ったという香港の男性は、買った大トロを特別に切ってもらい、「ツナ、オイシイ」と大満足の様子だった。

 このほか、特売品コーナーでは毛ガニの浜ゆでを1杯980円(100杯限定)などで販売。特設のいけすでは100杯限定の「活イカ釣りコーナー」(1回100円)、特設会場では北あかり詰め放題(1回200円)などが行われた。

                 ◇

 函館市制施行90周年記念事業の一環として行われた「はこだてグルメサーカス」は、道南や東北、函館空港とつながる東京、名古屋、大阪のほか、開港都市、姉妹・友好都市の118ブースが集まり、各地の名産品が並んだ。

 食をテーマとした大規模なイベントは函館で初めてとあり、午前10時の開幕から大勢の人で混雑し、名古屋のみそ串カツや、米沢牛の串焼きなどに長い列ができていた。  函館市元町の主婦須藤法子さん(27)は「暑い中並んだのは大変だったが、一度食べたかった飛騨牛コロッケが買えてうれしい。駅前や大門地区がにぎわうイベントは、もっと企画してほしい」と話していた。


◎ディスクドッグに歓声  動物ふれあいフェス

 渡島総合振興局、市立函館保健所主催の「動物ふれあいフェスティバル2012」が22日、函館市亀田中野町の道立道南四季の杜公園で開かれ、ペット連れの市民らでにぎわいを見せた。

 動物愛護週間(20〜26日)に合わせて毎年開いており、今年で23回目。会場には犬と散歩できるスペースや、獣医師によるペットの健康相談コーナーなどが設けられたほか、愛犬のしつけ具合を競う「おりこうさんコンテスト」などが行われた。

 来場者の人気を集めたのは、人間と犬とのペアで行う「ディスクドッグ」。フリースタイル部門ではアップテンポな音楽に乗って、芝生に寝そべった競技者を犬が飛び越えたり、投げられたフリスビーをジャンピングキャッチしたりと、どのペアも“あうんの呼吸”を披露。来場者は技が決まるたびに、大きな拍手を送っていた。 (千葉卓陽)