2012年9月30日 (日) 掲載

◎4教会めぐり祈りささげる

 函館市元町にある4教会を訪ねる「元町・教会めぐり〜そのルーツと音楽に触れる〜」が29日に行われた。約200人の参加者が、異なる4つの教派の教会を巡ってそれぞれの歴史を学び、賛美歌の斉唱などを楽しんだ。

 日本基督教団函館教会、カトリック元町教会、日本聖公会函館聖ヨハネ教会、函館ハリストス正教会の4教会が東日本大震災の犠牲者を悼むとともに、音楽などを通じてそれぞれの教会の伝統や特色に触れてもらおうと合同で企画。今年で2回目を迎えた。

 午後1時半から日本基督教団函館教会を皮切りにスタート。日本聖公会函館聖ヨハネ教会では多くの人であふれ、バルコニーを開放して「夕べの礼拝」を行った。世界平和と東日本大震災の被災者のために、参加者全員が教派を超えて祈りをささげた。

 同教会で藤井八郎司祭のサポートを務めた狩野宇広君(中島小6年)は「緊張したけれど、人がたくさん教会に来てくれたことはうれしい」と笑顔。教会めぐりに参加した市内桔梗の加藤淑子さん(73)は「音楽が好きでそれぞれの教会の賛美歌を楽しむことができてよかった」と話していた。(金子真人)



◎いじめから命守るには 緊急集会に市民ら80人

 全国各地でいじめによる生徒の自殺が相次いでいるのを受け、いじめから命を守る緊急集会が29日、函館市総合福祉センター(若松町)で開かれた。市民ら約80人がいじめ問題にどう向き合うべきかを考えた。

 函館圏フリースクール「すまいる」と函館・登校拒否と教育を考える親の会アカシア会、函館心理士会が主催した。

 冒頭、すまいるの庄司証代表が「函館でもいじめが起きており、他人ごとではない。地域全体で子どもを守る環境をつくる機会になってほしい」とあいさつ。

 道教育大函館校の大坂治教授と、不登校問題に取り組む社会福祉士の野村俊幸さんがそれぞれ講演した。

 大坂教授は文科省で出しているデータを引用しながらいじめの実態や保護者と学校側との意識の違いなどを解説。「学校だけでいじめ問題を解決しようとせず、地域のスクールカウンセラーや児童相談所など関係機関との連携を図りながら対応を」と呼び掛けた。

 野村さんは、いじめをきっかけに不登校となった長女、次女の体験を語りながら親としてなすべきことを力説。「いじめは人権侵害で、犯罪の被害者になり、敢えて耐える必要はない。わが子がいじめに遭ったら、安全を第一に考え、学校を休ませてあげて」と語った。(鈴木 潤)



◎函館そばや友の会限定メニュー

 函館市内のそば店でつくる「函館そばや友の会」(佐々木武充会長)の8店が10月1日から、旬の食材を使った「秋の味覚セット」を期間限定の共通メニューとして提供する。今回は「きのこそば」と「シャケの親子丼」のセット。同31日まで。

 同会は年3〜4回、加入店で共通メニューを考案し、提供する取り組みをしており、秋の味覚セットは5年ほど前から毎秋、内容を変えて出している。

 きのこそばは、マイタケとシメジを具材に使った温かいそば。親子丼は、ご飯の上にシャケのほぐし身とイクラをふんだんにのせている。各店700〜800円で提供する。

 同会の佐々木会長は「1食で海の幸、山の幸を十分味わえます。ご賞味を」と呼び掛ける。

 8店は次の通り。

 東京庵本通店(本通1)、神山ふでむら(神山2)、いがら志(柏木町24)、東京庵本店(末広町4)、丸京(豊川町14)、かしわ屋(若松町26)、長寿庵(中島町21)、丸常長寿庵(亀田港町63)

 (鈴木 潤)


◎市内GS 増税不安 あすからガソリンに環境税導入

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出抑制を目的に、石油製品などに課税する「地球温暖化対策税(環境税)」の導入が10月1日から始まる。ガソリンは1リットル当たり0・25円の増税となるが、函館市内のガソリンスタンド(GS)では、値上げによる販売の減少を懸念し、増税分を負担する見通しだ。

 ガソリンの販売は1リットル当たりの単価を1円単位で表示することが多いため、値上げに反映させにくい事情がある。市内に10店舗のGSを展開している前側石油は「価格への転嫁は考えていない。1リットル当たり0・25円の増税で1円の値上げは、消費者の理解を得ることはむずかしい」。

 道南のGSでつくる函館地方石油業協同組合は、店舗同士の激しい価格競争も安易に値上げをできない大きな要因となっているという。「消費者は1円でも安いところに行くため、当面は店舗が増税分を負担することになるのでは」と話す。

 桔梗と豊川町でGSを経営する池見石油店は「増税開始時点での値上げは考えていないが、他店の動向や今後の収支次第では値上げも考えなければならない。業界はみんな困っている」と対応に頭を悩ませていた。

 同税は石油や天然ガスなどの化石燃料が対象となり、CO2の排出量に応じて課税が決まる。ガソリンの場合、10月1日から1キロリットル当たり250円、2014年からは500円、16年からは760円と段階的に引き上げられる。

 財務省によると増収見込額は初年度が約391億円、16年度からは約2623億円としている。税収は省エネルギー対策や再生可能エネルギーの導入など、地球温暖化対策に活用される。(金子真人)


◎「はこだて花かいどう」審査員特別賞

 函館新道沿いの植栽活動「はこだて花かいどう」が、「ベスト・シーニックバイウェイズ・プロジェクト2011」の審査員特別賞に選ばれ、函館市桔梗町の函館開建除雪ステーションなどで29日、表彰伝達式が行われた。

 道路景観を利用した観光振興を図るシーニックバイウェイ北海道推進協議会(札幌)が、道内11ルートで行われる優れた活動を知ってもらおうと、08年から表彰している。最優秀賞、優秀賞各1事業のほか、同特別賞に「函館・大沼・噴火湾ルート」などの4事業が選ばれた。

 花かいどうは、地域住民らでつくる「函館花いっぱい道づくりの会」(折谷久美子代表)らが04年から開始。新道沿いの両側600メートルに毎年春に花を植え、昨年からは秋に撤去した花で堆肥づくりに取り組み、地域の子どもたちの環境教育に生かされている点が評価された。

 表彰式で審査員を務める石田東生(はるお)筑波大教授が同ルート運営代表者会議の折谷事務局長に表彰状を手渡した。折谷事務局長は「地域や全国から函館を訪れる皆さんにこれからも愛される循環型の活動を続けたい」と話していた。(森健太郎)