2012年9月4日 (火) 掲載

◎五輪選手 やっぱり早い…七飯で陸上教室

 【七飯】国内トップアスリートが子どもたちに陸上競技の魅力を紹介する「キッズアスリート・プロジェクト〜夢のキャラバン隊」(日本陸連主催)が3日、七重小学校(類家直人校長、児童数582人)で開かれた。ロンドン五輪出場の高平慎士選手、福島千里選手、右代啓祐選手ら本道出身の7選手が訪れ、デモンストレーションや実技指導、児童とのリレーで楽しさを教え、児童に夢を与えた。

 2006年から全国で開催されている。本年度はこの日が初めてで、12月まで10会場で行われる。道南では07年の北斗久根別小、10年の函館鍛神小に続き3度目。

 デモンストレーションの50メートル走では、児童2人が高平、福島選手と一緒に走った。児童は10メートル、福島選手は5メートルのハンディを付けたが、結果は高平選手の圧勝。そのスピードに児童は「すごい」と歓声を上げた。

 同校6年の高松和平君は「走る時の目線などが参考になった。教えてもらったことを生かし、良い成績を残せるようにしたい」とお礼の言葉を述べていた。(山崎純一)



◎残暑の中 作業に汗…長ネギ収穫・出荷本格化

 道南の主力野菜品目の一つ、露地長ネギの収穫と出荷作業が、北斗市や七飯町を中心に本格化している。

 1・2ヘクタールで作る七飯町大川の輪島正一(まさいち)さん(54)方では、8月の盆過ぎから収穫と出荷を始めた。朝涼しいうちに機械で掘り取り、畑で根を切った後、自宅近くの倉庫へ。パートも含め計6人で余分な葉を手で落とし、機械で圧縮空気を吹き付けて皮をむき、規格に応じて結束して箱詰め。1箱15束入り、現在は1日当たり140〜150箱をJA予冷庫(峠下)へ出荷する。

 妻房子さん(48)は「毎日暑いので、作業が大変です」、正一さんは「出荷は順調だが、雨不足で肥大が遅れている。早く涼しくなって鍋物需要が動き出してほしい」と話す。作業は10月いっぱい続く。

 JA新はこだて(畠山良一組合長)によると、今年の管内の長ネギ作付面積は約200ヘクタールで全道一の規模を誇る。(山崎大和)



◎江差線木古内—江差間 14年度初頭に廃止へ…JR北海道

 【江差】JR北海道が廃止を検討している江差線木古内—江差間(42・1キロ)について、同社の小池明夫社長は3日、沿線3町の首長に対し、「2014年度初頭に廃止したい」と正式に表明した。廃止の方針を受け、3町では説明会終了後に協議会を設立。代替輸送手段の確保などについて協議に入る。

 同日、江差町内で開いた沿線の3町合同説明会で、浜谷一治江差町長、工藤昇上ノ国町長、大森伊佐緒木古内町長に提案した。

 沿線自治体への説明は非公開で行われた。終了後の記者会見で小池社長は「76年にわたり地域の重要な交通手段として利用いただいたが、現状の利用は極めて少なく、線路設備等の老朽化により今後ばく大な経費が必要となり、鉄道を維持していくことは困難であるとの結論に至った」と説明。その上で「廃止後の沿線の交通手段の確保についてはできる限り支援し、適した交通手段の構築に協力したい」と強調した。

 さらに、道内の他路線の廃止について「現時点ではこの区間(木古内—江差間の廃止案)だけで、全く考えていない」と述べた。

 3首長はいずれも反対、賛成の態度は示さず「JR側の提案を町に持ち帰り、議会や町民の声をもとに協議したい」としている。

 同社によると、廃止する場合、鉄道事業法で1年前に国に届け出ることが定められている。小池社長は「地元の理解を得ながら、その方向で検討願いたい」としている。同路線の輸送密度(1キロ当たりの1日平均利用者数)は、87年度の253人から11年度には41人と大幅に減少。営業収入が2010年度で1600万円に対し、経費が20倍以上と推計され、「差し引きすると年間約3億円以上の赤字となっている」(同社)という。(田中陽介)


◎森町長選 佐藤氏が再選出馬表明

 【森】森町の佐藤克男町長(62)は3日、任期満了に伴う町長選(10月9日告示、同14日投開票)に立候補することを表明した。町議会9月会議の行政報告の中で明らかにした。

 佐藤町長は「(2008年の町長選に)立候補する時点で、『もし、やらせていただけるなら2期8年やりたい』と話した。反省する点もたくさんあるが、町民の皆さんのご支持を頂ければ、もう1期4年、町政に携わり、この町の発展に寄与できる礎をつくることができれば」と述べた。

 佐藤町長は1949年、森町生まれ。森高校を卒業後、上京して会社員として勤務。その後、会社社長を経て、2008年10月に森町長に初当選した。

 佐藤町長は函館新聞の取材に対し、「子どもや孫たちのためにどういう町づくりをしていくか。一番大切な財政のために、税金を上げるばかりでなく、『役場も稼ぐ』という意識が必要だ。切り詰めるものは切り詰め、余裕のある行財政を行うことが町長として最も大切な役目」と話した。

 森町長選をめぐっては、元道議の河野光彦氏(71)、前副町長の増田裕司氏(59)、元砂原町長の梶谷恵造氏(56)がすでに出馬を表明している。(森裕次郎)


◎キャッチフレーズ刷新 「まっすぐ函館!」

 2015年度の北海道新幹線開業に向け、函館市の新たな観光客誘致キャンペーンのキャッチフレーズが「まっすぐ!函館」に決まった。賛否が分かれた10〜11年度の「いか。ないと。函館」を改め、新幹線で近くなる函館を分かりやすく売り込もうと、今回は直球¥泄奄ノ出た。

 キャッチフレーズの刷新は2年ぶりで、前回は東北新幹線の全線開業に合わせ、10年秋に策定。だが、市内外の観光関係者から「古典的な語呂合わせでお金の無駄」「ブランドイメージを陳腐化させる」との批判も出ていた。

 今回は、市内外の広告代理店や旅行会社など計6社から応募があり、市内の観光関係者や学識経験者らによる審査でアサツーディ・ケイ北海道支社(札幌)の作品が「見た人に訴える力が強い」(市ブランド推進課)として選ばれた。

 「近くなる。好きになる。」との副題で、開業による距離感の短縮を強調。ポスターにはフランスの観光ガイド「ミシュラン・グリーンガイド」で三つ星に輝いた函館山からの夜景を全面にあしらい、函館朝市の店主や旅館の女将など市民の顔写真も配した。

 市は北関東や南東北をターゲットに、ポスターを大小約1800枚制作し、8月からJR宇都宮・高崎線の車内や京浜急行の羽田空港ターミナル駅などにも掲示。9月からは都内や仙台・盛岡などで開かれる各種イベントでPRを本格化させる。

 市によると、ポスターの制作、掲示料などは約270万円。市ブランド推進課は「市外の人によりイメージが伝わりやすい写真と言葉で秋冬の観光客のてこ入れにつなげ、近くなる函館をアピールしたい」としている。(森健太郎)