2013年10月18日 (金) 掲載

◎秋イカ漁 上向かず

 道南太平洋で秋以降に漁獲されるスルメイカの南下群(秋イカ)の漁模様が上向いてこない。まだ来遊が本格化していないためで、10月以降不振が続いた昨季のパターンを今季も繰り返すのではとの見方も。水揚げ減により、小売り価格は高値で推移している。

 函館市中島廉売内の紺地鮮魚(紺地慶一社長)では17日、台風通過後で水揚げ量が少ないこともあって、いけすイカ1匹を450円で販売。同店は「高いのが当たり前になってきた」と渋い顔を見せる。

 市農林水産部によると、市水産物地方卸売市場(豊川町)での今月1〜15日の取扱量は183d。不振だった前年同期(185d)をさらに下回る水準。平均単価は1`388円となり、前年(同320円)を大きく上回っている。

 釣りだけでなく、噴火湾の定置網も伸び悩んでおり、市は「函館近海に漁場が形成されていない。漁獲不振により生鮮、冷凍とも高騰している」(同部)という。

 例年だとこの時期は、道東方面から太平洋を南下して津軽海峡に入ってくる群れが漁獲の中心。しかし、昨季は「夏枯れ」が秋にずれ込んで10月以降失速。この影響で数量、金額とも平成に入って最低となった。

 道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「サイズは大型のイカが捕れており、群れ自体は南下の時期に入った。ただ、まだ来遊は本格化していないとみられる。適水温になっても来遊が見られず、秋漁のピークが不明瞭なまま漁期を終えた昨季と同じ傾向になる可能性がある」としている。 (山崎大和)



◎秋夜に浮かぶ幻想空間…香雪園の紅葉 試験点灯

 学函館市見晴町の香雪園(見晴公園)で、19日から紅葉のライトアップが始まる。17日には照明の試験点灯が行われ、秋の夜に幻想的な空間が浮かび上がった。

 ライトアップは観光閑散期の新たな目玉として、市や市住宅都市施設公社が行っており、今年で5年目。今年は照明を昨年より3基多い31基設置。LED照明も初めて4基採り入れた。人気の散策路「カエデ並木」をはじめ、園亭や温室などを地上から照らす。

 この日は午後5時半から、市や同公社の職員、電気設備業者ら約20人が光の加減を確認。枝葉や園亭が立体的に浮かび上がるように、照明の向きや角度などを調整した。

 19日から11月10日までは「はこだてMOMI—G(もみじ)フェスタ」ととして、水、木曜日を除く毎日午後5時半からミニライブを開催。園亭での茶席も11月3、4両日の午後1時半〜3時に企画し、各日先着100人に300円でお茶を振る舞う。

 同公社によると、昨年は期間中に過去最多の約3万9000人が来園するなど年々人気が高まっている。同公社の三嶋由紀子さんは「昼と夜の風景の移り変わりを楽しんでほしい」と話し、来場を呼び掛けている。園内の木々はまだ青みが目立っており、紅葉のピークは11月上旬の見通し。 (千葉卓陽)



◎横津岳で初冠雪、駒ヶ岳も雪化粧

 函館地方気象台は17日、横津岳(1167b)で初冠雪を観測したと発表した。昨年より28日早く、平年より8日早い。また、駒ヶ岳(1131b)でも山頂がうっすらと雪化粧している姿が見られた。

 同気象台によると、16日から17日にかけて北海道付近は冬型の気圧配置となり、上空に11月上旬並みの冷たい空気が入りこんだ。

 大沼国定公園では駒ヶ岳の山頂に雪が積もった様子をバックに観光客が記念撮影する姿が目立った。七飯大沼国際観光コンベンション協会によると、駒ヶ岳での積雪も昨年より28日早いという。札幌市の米田道子さん(74)は「遊覧船で雪が積もったことを教えてもらいました。きれいですね」と話していた。(森裕次郎)


◎「函館キャンペーン」新ポスター完成

 函館市は北海道新幹線の開業と観光客誘致につなげる「函館キャンペーン」の一環として、新しいPR用ポスターを制作した。雪が降り積もったハリストス正教会の写真に「続きは、函館で」とキャッチコピーをつけた。11月以降、首都圏や南東北地域の主要駅を中心に掲示する予定で、冬の函館の美しさを届ける。

 函館キャンペーンは2010年度から4年目の取り組みで、これまでに「いか。ないと。函館」(10〜11年度)、「まっすぐ! 函館」(12年度)のキャッチコピーでポスターなどを制作している。

 新ポスターは、函館を代表する建築物のひとつで雪化粧したハリストス正教会を全面に推し、「寒いからこそ美しく輝く、冬の函館だけの物語」などと、澄んだ空気感を表現。新幹線車両のイメージイラストとともに新函館(仮称)の開業時期を「2015年度末」と明記。函館のロゴマークも配置した。

 市ブランド推進課は「冬の函館の空気感や雰囲気を伝え、函館への観光意欲の喚起につながってほしい。北海道新幹線の開業を知ってもらう機会としたい」としている。

 デザインは北海道ジェイ・アール・エージェンシー(札幌市)が提案し、B1版500部と中づり広告用としてB3版7300部を発行。このほか、PR用ののぼりや販促物を制作した。(今井正一)