2013年10月20日 (日) 掲載

◎函館中心部のマンションや賃貸、高齢者中心に堅調

 首都圏のマンション販売が好調な中、函館の中心部でもマンションや賃貸物件の需要が、高齢者を中心に堅調だ。不動産業者は「もともとあった動き」とみているが、新築・中古とも、病院や買い物など利便性の高い場所の物件に人気がある。

 函館市梁川町で新築マンション「ワザック函館・五稜郭」を分譲している東日本ハウスは、1棟目101戸が完売、来年5月末入居の2棟目50戸も完売、再来年3月入居予定の3棟目102戸も半分弱が成約済みという。

 同社函館営業所は「市街地の利便性と、雪かきがいらない、セキュリティーがしっかりし、函館初の免震構造であるなどの理由から、幅広い層が購入している」と話す。東京に比べて高齢者の割合が高く、不自由のない所に住みたいと、一戸建てから住み替えるケースがあるという。

 函館市内でこれまで、分譲マンション「シャトーム」シリーズを1000戸以上販売してきたテーオーハウスも、本町や梁川町、大川町、宮前町、駒場町などの中古物件が出ると「すぐに売れる」という。「首都圏などで見られる都心回帰の動きは目立っては感じない」と語るが、病院や駅、スーパー、学校などが近い中心部の物件の人気は根強い。

 2001年、バブル期からほぼ10年ぶりに着工を開始した新築のシャトームシリーズも「ほぼ完売に近い」と同社。やはり年配や高齢者が多い。

 今後の動向について、野村不動産は「中古マンションは値段の付け方で大きく変わるが、築20年以内の好立地の物件であれば引き合いが続くだろう」とみる。

 賃貸物件も、高齢者を中心に中心市街地の需要が高い。アパマンショップ函館店は「多種多様だが、車を持つ若い世代は多少郊外でも値ごろな物件を志向する。移動手段が少ない高齢者は、多くが市電沿線の物件を希望するが、求める割安な物件が少ないのが現状」と説明する。(高柳 謙)



◎市民ら秋の弘前満喫、直行列車ツアーに300人

 【弘前、函館】函館市などが主催し、青森県弘前市に直通列車で行く初めての観光ツアー(団長・工藤寿樹市長)が19日から始まった。市民ら約300人が参加し、開催中のイベントや県内の景勝地をめぐる1泊2日のプランで、秋の弘前を満喫している。

 毎年12月に開かれる「はこだてクリスマスファンタジー」に一昨年と昨年、葛西憲之弘前市長らが訪れた返礼の意味を込めて、市や函館商工会議所などがツアーを企画した。

 一行は午前9時17分発の専用列車で出発後、約3時間で弘前に到着。JR弘前駅では葛西市長自ら訪問団を出迎え、市職員ら約30人が特産のリンゴと観光パンフレットを配り、函館市民をもてなした。

 その後、弘前公園内で開催中の「弘前城菊と紅葉まつり」、弘前運動公園での「津軽の食と産業まつり」に参加。食と産業まつりの会場内では函館観光のPRタイムが設けられ、工藤市長は2016年3月開業予定の北海道新幹線で、両市の距離が近づくことをPRしながら、「歴史を背負った2つの街が互いの長所を活かし、首都圏や関西から観光客を呼び込もう」とアピール。葛西市長も「経済や観光で、着実に実を上げていく取り組みが進んでいる」と強調した。午後7時からは両市の関係者約60人が交流会を開き、今後の連携強化を誓っていた。

 ツアーに参加した函館黒船地域活性化協議会の小林一輝会長(33)は「おいしい食べ物もたくさんあるし、思った以上に近く感じた。弘前はビジネスチャンスもある場所。青函交流をもっと進めていくべきだと思う」と話していた。(千葉卓陽)



◎赤松海道 冬の支度、こも巻き体験会

 【七飯】赤松街道を愛する会(寺沢久光会長)は19日、町鳴川の国道5号で、マツを害虫から守る活動「赤松こも巻き体験会」を行った。ボランティアの町民ら約50人が参加し、アカマツの冬支度を進めた。

 秋の風物詩で今回が9回目。こも巻きは、マツの葉を食べる毛虫が草むらで越冬する習性を生かし、幹に巻かれたこもの中に地上に降りる毛虫をためて退治する仕組み。

 開会式で、寺沢会長は「地域住民がアカマツを慈(いつく)しみ活動するのは大事なこと。今日は協力をお願いします」とあいさつ。馬場修一副町長が「アカマツの並木は町のシンボルとして心を和ませてくれる。保全活動に参加していただきありがとうございます」と謝辞を述べた。

 参加者はNPO法人函館エコロジークラブの指導を受けながら、沿道約500bにわたりアカマツにこもを巻いていき、約70本の作業に汗を流していた。

 樹木医の斎藤晶さんは「今年は毛虫が多い。安全で自然にやさしいこも巻きを続け、立派なマツを大事に育てていきたい」と話していた。(柏渕祐二)


◎大森稲荷神社で「骨董青ぞら市」

 秋晴れに恵まれた19日、函館では今年最後の骨董(こっとう)市に多くの市民が繰り出したほか、日本有数の野鳥飛来地・松前町では観察会が開かれ、さわやかな秋の風情の中で、貴重な鳥の生態を見学した。

 今年最終の「函館骨董(こっとう)青ぞら市」は、函館市の大森稲荷神社境内(大森町22)で始まり、秋晴れの下、掘り出し物を探す市民でにぎわった。20日まで。

 今回は函館のほか、道内や岩手、東京から計10点が参加。洋食器、アンティークジュエリー、古布、雑誌、陶器、美術品などが並び、懐かしさを感じさせる。市内の男性(85)は「毎回来ている。前回は気に入ったものが少なくても、飽きない。各店も私の好みを知っていて、用意してくれる」と話していた。

 函館骨董市事務局の佐賀井豊孝さん(60)は「今年最後なので、ぜひお気に入りの一品を探してほしい」と来場を呼び掛けている。20日は午後4時まで。近隣商店などの駐車場利用はできない。問い合わせは佐賀井さん(電話090・3394・2702)へ。(山崎純一)