2013年10月23日 (水) 掲載

◎子育て世帯家賃補助 半年で8件 利用苦戦

 函館市が本年度から導入した子育て世帯向けの家賃補助事業「ヤングファミリー住まいりんぐ支援事業」の申請が苦戦中だ。46件の予算枠に対し、半年間の利用は8件にとどまっている。ただ、このうち7件は市内間の転居者で、街なか居住促進に一定の事業効果が期待される。市住宅課は「これから徐々に浸透していくのではないか。周知に努めたい」としている。

 西部地区や中心市街地計29町内が対象で、若年層を呼び込むことで地域のにぎわい創出を狙った制度。中学生以下の子どもがいる世帯で、対象地区外から地区内の民間賃貸住宅への転居が条件となる。世帯全員の所得が月額31万3000円などと一定の制限はあるが、家賃月額から住宅手当を控除した額が3万円を越えた場合に、月額1万5000円を上限に補助し、子どもが中学校を卒業するまで継続できる。

 昨年度まで実施した新婚世帯を対象とした補助事業と比較しても利用可能なエリアや世帯が拡大し、市電沿線など生活利便性の高い場所も多い。居住1年以内であれば、申請が可能なため、既に居住している世帯が制度対象となる場合もあるとみられる。

 同課は、不動産業者に働き掛けたり、市内で発行するフリーペーパーを活用して紹介したほか、母子手帳交付時にチラシを配布するなど周知に努めている。同課は「子どもの就学などをきっかけに引っ越しを考える場合には制度の活用を検討材料にしてもらいたい」としている。本年度の申請は来年2月末まで。問い合わせは同課(電話0138・21・3385)へ。  (今井正一)



◎大門の路地裏 “探偵”が案内 27日にまち歩き

 大門の路地や懐かしのスポットを巡るまち歩きイベント「だいもん路地裏探偵団」が27日開かれる。青森県弘前市で人気を博している観光まち歩き「弘前路地裏探偵団」から“のれん分け”される形で、「探偵」に扮したガイドが大門地区を案内する。企画した市内のプランナー、田村昌弘さんは「今回は市民対象だが、観光コンテンツになるように育てていきたい」と話している。

 駅前・大門地区の歴史を学ぶはこだてティーエムオーの「だいもん大学」の特別講座として行う。弘前路地裏探偵団は、市民有志が行っている話題のまち歩きイベント。ガイドブックに載っていないまちの魅力を観光客に紹介している。ハンチング帽にサングラス、首にバンダナという探偵スタイルでガイドをするのが特徴。

 田村さんと弘前側に交流があり、今回の企画が生まれた。田村さんを含めた男女3人で探偵団を結成、当日ガイドをする。棒二森屋の7階食堂からスタートし、駅前、柳小路、仲通り、祇園通りなどを巡り、まちの魅力を紹介する。コースは直線だと450bだが、大門界隈をぐるぐる回り1・5`の距離を2時間かけてゆっくりと散策する。

 まち歩きが盛んな弘前市。路地裏探偵団は従来の観光コースとはひと味違い、人気の観光コンテンツに成長した。弘前をモデルに函館でも同様なまち歩きを定着させたい考えだ。田村さんは「今回は担い手探しも狙い。まちをよく知る達人、ガイドを増やしていければ」としている。

 定員は先着順で30人。参加費用は1000円。問い合わせははこだてティーエムオー事務局(電話0138・24・0033)へ。  (松宮一郎)



◎一流パティシエ 技術伝授 スイーツ講習会

 【北斗】函館スイーツ商品力技術者講習会(函館市主催)が22日、北斗市東前の食品会社アキヤマの研修室で開かれた。東京都渋谷区の「ASTERISQUE(アステリスク)」のオーナーシェフパティシエ、和泉光一さん(43)が講師を務め、きめ細やかな技術だけではなく、商品を見せる工夫などを伝えた。

 和泉さんは製菓の国際大会で、数々の優秀な成績を収めた一流シェフ。講習会では、カシス味の「ケイク・ルージュ」、チョコレートムース「ヤマブキ」など、同店を代表する洋菓子などを紹介。お菓子の仕上げの段階では、格好よさ、かわいさ、おいしさの三要素が求められるとし、「すべてが格好いいと食べる気はしないし、かわいさを追求しすぎるとあか抜けない感じになる」と話した。

 和泉さんのアシスタントを務めた若杉純吉さん(33)=ローリエ末広屋=と小川隆一さん(27)=函館風月堂=は「和泉シェフは業界ではあこがれの人。落ち着いた動きで手際も良く、勉強になった」と話す。

 事業の運営主体、エイチエスケー(函館市若松町)の佐々木博史社長は「北海道新幹線開業までに函館スイーツ全体のイメージが必要。今後も講習会を繰り返し、スキルアップを図っていきたい」と話していた。  (今井正一)


◎マルメロ甘〜い香り

 【北斗】ほのかな甘い香りを放つマルメロの収穫が22日、北斗市市市渡にある市営マルメロほ場で始まった。

 マルメロは合併前の旧大野町時代から栽培されていて、現在は同果樹園のほか市内6戸で栽培している。「在来種」「かおり」「スミルナ」の3品種があり、実は主にジャムやジュースなどの加工品に使われ、香りを生かし芳香剤の代用としても利用されている。

 広さ4000平方bほどの同果樹園には、約200本の果樹が植えられている。昨年の大雪で一部枝が折れたほか、今秋は夜間と日中の寒暖差のある日が少なく、実付きはやや低調。例年よりも1週間ほど遅れて収穫を迎えた。

 午前9時ごろから、市職員や本町商店街振興会の会員計15人が収穫作業に入り、職員らは実を包んでいた紙を取り外した後、黄色くたわわに実ったマルメロを枝からもぎ取り、かごに入れていった。この日は約500`分を収穫し、主に26日から市営温泉「せせらぎ温泉」(市本町)で実施するマルメロ湯に使う。  (鈴木 潤)