2013年10月25日 (金) 掲載

◎プロ野球ドラフト 吉田(森中出身)オリ5位指名

 【東京】プロ野球の新人選手選択(ドラフト)会議が24日、東京都内のホテルで開かれ、森中卒で中学硬式野球の函館東シニア出身の吉田雄人外野手(18)=北照高3年=が大阪オリックス・バッファローズに5位で指名された。ドラフトで道南関係の選手が指名されたのは、北海高—七飯中卒の鍵谷陽平投手(23、北海道日本ハムファイターズ)に続き2年連続。

 ■家族の夢、結実

 吉田の親族や友人ら14人が見守る中、ついにそのときは訪れた。

 父・次寿さん(50)の影響を受け、小学1年時に地元の少年団、森クラブに入り、野球の魅力に吸い込まれた。中学時には函館東リトルシニアに所属、投手兼外野手として活躍した。次寿さんは「プロの夢を実現させるため、中学のころから硬式野球をやらせた。土日の練習のほか、家でも自分が厳しく教えた」と話す。母・恵美子さん(50)は「中学のころは、体を作るために1日5食は食べていた。」と当時を振り返る。

 右投げ左打ち。強靭(じん)な脚力と丈夫な肩が武器で、巧みに打球を打ち分ける技術も併せ持つ。北照高に進学後は、1年の夏から背番号18で、ベンチ入り。2年の春には初の甲子園を経験。その才能を次第に開花させていった。

 3年の春夏を含め、3度の甲子園を経験した。今年2度の甲子園では、主将としてリーダーシップを発揮。2013年春のセンバツでは3試合を戦い、ベスト8を経験。この時に、幼いころからの夢だったプロ入りの意志を固めた。

 今年8、9月に行われた18歳以下の世界選手権大会では、外野手として日本代表に選ばれた。1番打者として臨み、9試合に出場。打率3割6分4厘、6打点の活躍で日本の準優勝に一役買った。その実力を世界の舞台で示して、プロ野球からの注目をさらに集め、夢の実現を手もとにぐっと引き寄せた。

 オリックスが指名したとの一報が自宅に届き、恵美子さんは「このまま呼ばれないのかと不安もあった。とにかくどこでもいいので入ってほしかった。本当にうれしい」と笑顔を見せた。吉田本人と携帯電話で話した次寿さんは「いままで厳しくしてごめんな。これからも応援してる」と伝えた。

 次寿さんは取材陣を前に「夢のスタートラインに立つことができた。今まで以上に厳しい世界が待ち受けていると思うが、もっと努力を重ねて、さらなる高みまで駆け上がってほしい。目標は大きいほうがいいと教えてきた。イチローのような選手になってほしい」と息子に激励の言葉を贈った。

 <吉田雄人(よしだ・ゆうと)>1995年4月21日森町生まれ。身長178a、体重73`。右投げ左打ち。小学1年から森クラブ野球少年団で野球を始めた。中学時代は函館東リトルシニアで投手と外野手で活躍。北照高では2012年春、13年春・夏の計3回甲子園に出場。広角に打ち分ける打撃で、甲子園では5試合で16打数8安打、打率5割の成績を残した。高校通算8本塁打、遠投は105b、50b走は6秒2で、俊足巧打堅守の外野手として注目を浴びた。家族は父・次寿さん、母・恵美子さん、姉・結実さん。



◎野外劇カレンダー11月から発売

 NPO法人市民創作「函館野外劇」の会(中村由紀夫理事長)は11月1日から2014年のカレンダーを発売する。中村理事長は「来年は五稜郭築造150周年の節目であり、(野外劇の)27回目となる公演に向けて五稜郭にもっと親しんでもらいたい」とPRしている。

 カレンダーは野外劇の魅力を広く知ってもらおうと毎年発売している。大きさはB3版で2カ月ごとの全7枚構成。写真家の野呂希一さんが撮影した写真から厳選された各カットが野外劇の魅力を濃密に伝えている。表紙は来年の五稜郭築造150周年にちなみ、劇中の五稜郭完成シーン。そのほか、北前船の繁栄や黒船襲来の場面など印象的なシーンが並ぶ。

 自らも出演経験をもつ中村理事長は「野外劇はやればやるほどおもしろい。函館の歴史の勉強にもなるので、これからは若い世代にもっと来てほしい」とし、「カレンダーは宣伝効果があるので、劇の魅力を一言添えて(贈り物として)差し上げてほしい」と話した。

 1部1000円で、20部以上購入すると、企業の名前入れが無料となる。すでに1500以上の注文があるといい、同会では「2000部以上を目指したい」としている。同会事務局と五稜郭タワーチケットカウンターで販売する。問い合わせは事務局(電話0138・56・8601)まで。 (森裕次郎)



◎街の弁当やスイーツ自慢の味楽しんで 27日イベント

 函館市西部地区の十字街商盛会(若山直理事長、会員108社)が各店を広く紹介するイベント「十字街まち弁・スイーツフェスタ2013」(実行委主催)が27日午前11時から、五島軒王朝の間(末広町4)と市地域交流まちづくりセンター駐車場(同)で開かれる。

 市が実施している「元気いっぱい商店街等支援事業」から事業費の交付を受けて実施。各地で駅弁フェアが人気なことを受け「街の弁当を楽しんでもらうことで、商盛会の活性化につなげたい」と企画。加盟店自慢の弁当やスイーツのほか、野菜や鮮魚を販売し、抽選会も行う。

 五島軒では、12店が弁当、7店がスイーツを販売。弁当は計500個を用意。精進料理や2000円以上のものも並ぶ。会場で食べることもでき、午後0時半からは函館潮見中学校吹奏楽部の演奏も行われる。

 同センターでは生鮮食品を販売。また、五島軒で弁当を買った人には抽選券が配られ、同商盛会で使用できる商品券が当たる抽選会を同センターで実施する。

 木村英樹実行委員長は「弁当の内容は新しくなり、さまざまな店もあるので抽選会で当たった商品券を活用してほしい」と呼び掛けている。  会場は駐車場が少ないため、公共交通機関での来場を呼び掛けている。問い合わせは同商盛会(TEL0138・22・1538)へ。 (山崎純一)


◎道南の映像 需要増に対応「ビデオ・ザ・キッド」18市町撮影開始

 映像製作会社「ビデオ・ザ・キッド」(函館市杉並町、藤田道子社長)は、道南各地の自然や建造物、イベントの映像を撮りためて、提供する「南北海道映像バンク」というプロジェクトをスタートさせた。2016年3月の北海道新幹線開業が近づけば、全国のマスメディアの関心が道南地域に集まり、映像の需要も増えることが見込まれる。プロジェクトは、撮影した映像でさまざまな要望に対応するというものだ。

 マスメディアなどからの撮影、映像提供依頼に応えるほか、映像や動画を使って全国に情報を発信したい道南の企業、団体、自治体にも撮影したものを提供し、素材として活用してもらう。そのほか、ロケハン(撮影場所探し)や地域の話題の提供といったコンサルティング業務も含めた。映像製作では多くの実績を持つ同社。藤田社長は「質の高い映像、編集技術を提供できる」と話す。

 プロジェクトにはデザイン会社「彩紋」(桔梗町、松田悟社長)も参加。道南では珍しい空撮用の機材「ミクロコプター」を所有しており、俯瞰のダイナミックな映像を撮影できることも特徴。

 23日には木古内、江差、七飯町大沼でサンプル映像の撮影を開始。木古内町ではミクロコプターを使って上空から函館方面に延びる新幹線の高架や新幹線駅の工事の様子、街並みを収録。江差町ではかもめ島や開陽丸もカメラに収めた。

 カメラマンの藤田恭吾さんは「普段は見ることのできない角度、視点の映像はインパクトがある」と手応えを語る。これから1年かけて道南18市町を回り、地域の魅力を伝える映像を撮影していく計画だ。「自治体とも協力し、それぞれの地域の観光振興にも役立てていきたい」と藤田社長。

 今回のプロジェクトは、新幹線開業を見据え、まちづくりの担い手を育成する北海道新幹線新函館開業対策推進機構の事業「新幹線開業はこだて魅力創造ゼミナール(はこゼミ)」に参加した恭吾さんのアイデア。ゼミのワークショップを通して事業プランを練ってきた。「映像分野で地域を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。 (松宮一郎)