2013年10月28日 (月) 掲載

◎ジャンボ 函館に里帰り=@全日空B747 放水アーチで出迎え

 全日空は27日、来年3月で退役するボーイング(B)747—400型機の「里帰りフライト」を羽田—函館便1往復で行った。函館空港では、到着時に放水アーチで出迎えるなど記念イベントを実施。空港デッキには最後の雄姿を惜しむため、航空ファンや市民が訪れた。

 全日空がB747を導入したのは1979年。大量輸送時代を支えたが、運航効率などから保有する3機の退役が決まった。里帰りイベントは12月8日まで、広島、長崎などで行い、道内は函館のみ。

 午前11時50分ごろ、羽田発の便が津軽海峡上に姿を見せると、通称「ジャンボ」は恵山方面に回り、旋回して着陸。最後の姿を楽しんでもらおうと鈴木博之機長(53)のアイデアだった。

 乗客には記念品が送られたほか、関係者が横断幕で出迎え、見送りをした。また、空港国内線旅客ターミナルビルでは、B747公式DVDの上映、地元の写真愛好家が撮影した飛行機の写真展示などが行われた。

 室蘭市から訪れた会社員松岡佑輔さん(54)は「約25年前、妹の結婚式で東京に向かうため家族、親戚の20人で搭乗したことを思い出しながら見送った。退役は寂しいですね」と話していた。(山崎純一)



◎かもめ島に特製看板

 【江差】かもめ島の美しい眺望を多くの人に伝えようと、島の入り口と上部にこのほど特製看板が設置された。関係者は「かもめ島は江差のシンボル。まちの魅力の発掘と磨き上げを進めたい」と意気込んでいる。

 看板は、新幹線時代を見据えて地元住民ならではの発想で地域活性化を探る会合「えさし来てネット」からのアイデアを初めて実践した形だ。桧山の地名に由来するヒノキアスナロ(ヒバ)を材料に、「目立ちながらも一帯の景色になじむデザインを心がけた」(関係者)という。

 費用は江差観光コンベンション協会(打越東亜夫会長)が負担し、設置作業には桧山振興局職員らが協力した。日本海からの強烈な潮風に備え、コンクリートを練り込んだ頑丈な土台や金具と木材の色合いをそろえた塗装など丁寧な作業に努めた。

 打越会長は「住民の素晴らしいアイデアを実践し、地域の明るい未来を展望するという意味合いも込めてこの看板を設置した」。桧山振興局の金澤寛産業振興部長も「(えさし来てネットのアイデアを生かし)これからも第2弾、3弾と取り組んでいきたい」ときっぱり。

 かもめ島は、市街地に吹きつける日本海からの潮風や波をせき止める自然の良港で、「この島があったからこそ、北前船など江差の繁栄があった。いまでも住民はかもめ島を大事にしている」と町民。最近では、日本を代表する若手女優がこの島に足を運び、世界ブランドの女性服の写真撮影場所として活用されるなど注目度は増している。(田中陽介)



◎函館版「路地裏探偵団」 大門の隠れた名所 案内

 市民に大門の魅力を紹介するまち歩きイベント「だいもん路地裏探偵団」が27日、大門界隈で初めて行われた。青森県弘前市の人気のまち歩き「弘前路地裏探偵団」にならい、探偵スタイル≠フガイド3人が、往時の風情が残る大門の小路や昔懐かしいスポットにいざなった。

 「屋上はきょう限りの特別開放。ほかにもこの建物は見どころがいっぱい」。この日は10数年前から閉鎖されている棒二森屋の屋上をスタート。探偵に扮したガイドが「劇場跡」「すずらん階段」など隠れた名所や知識を次々と紹介した。

 今月末で閉店する和光ビルを眺めながら、見納めとなる駅前の光景を満喫。大門横丁を通り抜け、昭和の雰囲気が残る仲通りや柳小路をゆっくりと進んだ。ガイドはポイントごとに昔の写真を見せながら、現在の風景と比較するなどして参加者を楽しませた。

 この日は約40人の市民がそれぞれ大門への思い出を持ち寄って参加した。空き地や駐車場が目立つ通りを歩けば、参加者から「昔はここに飲み屋があったはず」などと声が上がった。

 市内の木村久美子さん(68)は「懐かしいところばかりで、昔あった建物、思い出が目に浮かぶ」と大喜び。大門で50年近く飲食店を経営していた小林一夫さん(81)も「歩きながら若い時のことを思い出した。にぎやかさが忘れられないね」と笑顔だった。

 今回のイベントを企画し、ガイドも務めた市内のプランナー田村昌弘さんは「参加者が思い出話で盛り上がるという点は狙い通りで、満足してもらえたはず。ただ、もっと工夫しなければならない」。今回の成功を弾みにして、弘前のような人気の観光コンテンツに育てていくつもりだ。(松宮一郎)

 ■弘前路地裏探偵団 新幹線新青森開業に合わせて開始したまち歩きイベント。有名な観光地には行かず、裏通りの魅力を観光客に紹介している。ハンチング帽にサングラス、バンダナという探偵スタイルで案内をするのも特徴。今回は函館にのれん分け≠ウれた。


◎ロボコン全道大会 函館高専Aが全国切符

 「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2013北海道地区大会」(全国高等専門学校連合会、NHKなど主催)が27日、函館高専で開かれた。道内4高専(函館、苫小牧、旭川、釧路)から8チーム24人が出場し、ロボットが大縄跳びをする競技に挑んだ。函館高専Aが、審査員による推薦で全国切符を手にした。

 高専生が手作りロボットのアイデアと技術力を競う大会で、今年で26回目。函館高専Aと、競技で優勝した旭川高専Bが道代表に決まり、11月24日に東京で開かれる全国大会に出る。函館高専は3年連続の推薦による全国出場。

 競技は3分間の勝ち抜き戦。縄回しロボットと高専生が回す縄を、ジャンパーロボットが跳びながら進み、折り返し後はロボットと高専生が順番に縄を跳び、最後はロボットが連続ジャンプを行う。最後まで進まなくてもクリアした課題が多いチームが勝つ。

 函館高専Aは工藤隆成さん(19)、臼倉励さん(20)、小竹梨暉さん(19)=いずれも4年=で、縄回しロボットが漁船を、ジャンパーロボットがイカを模した。工藤さんは「地元での大会で1勝できて良かった。自分の作ったロボットが評価されてうれしい」と笑顔。同チームは「シャル・ウィ・ジャンプ賞」も受賞した。

 函館高専B(黒川達也さん、大澤拓門さん、濱野一生さん=いずれも2年)も特別賞を受けた。

 道地区大会は、11月17日にNHK総合テレビで全道放送される。(山崎大和)