2013年10月29日 (火) 掲載

◎中島廉売 “歩行者天国”解除へ

 函館市民の台所、中島廉売(中島町)の“歩行者天国”が全面的に解除されることが28日までに分かった。「車で買い物をしたい」などの利用者の声を受けて商店主や地域の団体が決定。このほど函館方面公安委員会の了承を得て、解除が確定した。道警函館方面本部交通課によると「遅くとも11月下旬ごろまでに標識の取り換えや、安全施設などの工事を終え、その後に解除される予定」としている。

 歩行者専用道の存廃は、中島町商店街振興組合(川崎正博理事長)と中島町仲通り商店街(佐々木修二会長)、中島町親睦会(岩谷時弘会長)、中島町会(元塚清美会長)の3団体1町会で、数年前から話し合いを重ねてきた懸案。今年8月30日に函館中央署に要望書を提出、市や函本の調査で「歩行者天国の解除は地域全体の総意」と認められた。

 市経済部は「地域の方々の意向を尊重したい」とし、函本交通課は「地域の強い要望があって、解除となった。安全面など今後の具体的な対策を協議していく」としている。標識・看板やガードレールの設置などが検討されている。

 同親睦会の岩谷会長(69)は「お客さんが減り、歩行者天国の意味が失われつつある。車が通れるようになることで、新鮮で安いものが手に入り、対面販売ならではの楽しみもある廉売に、もっと多くのお客さんにきてほしい」と期待を込め、同商店街の佐々木会長(64)も「現状では車通りがある時間の方がお客さんが多い。利用客への周知や、車で来た人のために駐車場の増設などに力を入れたい」と意欲を見せる。同組合の川崎理事長(57)は「子どもや高齢者も多く通っている道なので、解除後には地域の安全を考えることが第一。商店街で一丸となって、今後の問題に取り組んでいきたい」と話している。

 中島廉売の歩行者天国は、買い物客の増加に伴い、利用者の安全確保や商店街の活性化を目的に1974年から開始。日曜を除く週6日の午後2時から同6時まで、市道中島廉売大通りの一部区間を歩行者専用道路として、車両の通行を禁止している。(虎谷綾子)



◎中部高同窓会館売却へ 維持費の負担重く

 旧制函館中学校、函館中部高校の卒業生でつくる白楊ヶ丘同窓会(石井直樹会長)は、函館市的場町の同窓会館「函中100年記念会館」を売却する方針を固めた。部活動の合宿などで使われていたが、近年は利用率が低下し、維持費負担が増大していた。既に同窓会総会で了承を得ており、近く概要を公表する。

 同窓会館は時任町の校舎から徒歩で約10分。611平方メートルの敷地に鉄筋コンクリート造2階建て延べ491平方メートルの建物があり、会議室や宿泊室、シャワー室などを備える。1984年に同窓会館として建物を取得し、同校の創立100周年(95年)を記念して、96年に増築した。当時は生徒数も多く、部活動での利用も盛んだったが、近年は同窓会としての利用はなく、現役生徒の使用機会も減少している。

 また、同窓会は法人格を持たない任意団体で、会館は会長の個人名義で登記されている。昨年度の役員改選で石井会長(70)に交代した際に、所有権移転費用に100万円以上を要した。今後も会長交代ごとに同程度の費用かかることや、経年劣化に伴う維持補修費の増加が見込まれるため、法人移行や道への寄付などの手法も検討したが、最終的に売却を決めた。

 石井会長は「先輩方の寄付をいただいてできた会館だが、社会情勢の変化や、今後の財政負担を考えると残念ながら処分せざるを得ない。仮に売却ができれば、在校生の教育活動のために使っていきたい」と話している。

 市内の公立高校では、函館工業、函館商業、市立函館高校に同窓会館に当たる施設があるが、いずれも学校の敷地内にあり、建物は道や市に寄付し、学校施設と一体的に管理している。(今井正一)

 



◎スイーツフェスタ売り上げ過去最高

 25〜27日に棒二森屋本館で開かれた「はこだてスイーツフェスタ2013」(実行委主催)が、過去最高の売り上げを記録した。来場者も初回の2010年以来となる約1万5000人に達し、函館市は市民に定着したとの見方を示すとともに「マンネリ打破に向けた取り組みが奏功した」とみている。

 今年は市内・近郊の和洋菓子店など27店が参加。弘前商工会議所(青森県弘前市)は昨年に続き同市内9店のアップルパイを提供したほか、札幌の人気洋菓子店「ろまん亭」もゲスト出店し、チョコレートモンブランを実演販売。函館短大付設調理製菓専門学校の学生が作ったケーキ類の展示も人気を集めた。

 市経済部によると、来場者は初日が3500人、26日に6000人、27日に5500人を集めた。参加店の売り上げは3日間合計で706万円で、昨年から8%の増加。2010年は610万円、11年は592万円、12年は654万円だった。

 来場者は例年1万5000人を目標に設定しており、過去2年間は目標に届かない状況が続いていた。今回はマンネリ化への危機感から、参加各店がオリジナル商品を出したり、9月に行われたスイーツコンテストの受賞作品を販売するなどして対応した。

 同部は「若い世代や女性に多く来ていただき、中心市街地活性化に向けたソフト事業としても定着してきた」(商業振興課)と手応えを示しており、2016年3月予定の北海道新幹線開業を見据えて「函館スイーツのPRを進めていく方針」としている。(千葉卓陽)


◎大沼プリンスホテル 来月、1日限定バイキング

 【七飯】函館大沼プリンスホテル(七飯町西大沼温泉)は、11月に「秋1日限りの感謝企画」として、2日に「スーパーデザートバイキング」、16日に「スペシャルディナーバイキング」を開く。また、12月14日の宿泊で今シーズンの営業を終了することで、1日10室限定で特別料金の宿泊プランを用意している。

 2日の「スーパーデザートバイキング」は午前11時半と午後1時10分の2部制(ともに90分間)。4〜10月の第4土曜日に開いてきたデザートバイキングをパワーアップし、12種の一口サイズスイーツのほか3種のパスタなどを楽しめる。大人1300円、小学生800円、未就学児500円。3歳以下無料。事前予約が必要。

 16日の「スペシャルディナーバイキング」は午後5時半から同8時まで受け付け。牛肉の鉄板焼き、にぎりずしなど30種類以上のメニューが並ぶ。大人4500円、小学生2800円。未就学児500円。3歳以下無料。ツインルーム2人利用で朝食、同バイキング付きで1人7850円のプランもある(入湯税別)。宿泊セットのみ事前予約必要。

 シーズンラストの宿泊プランは現在も実施中で、ツインルーム2〜3人利用で1人3900円(朝食付き、入湯税別)。

 予約、問い合わせは同ホテル(電話0138・67・1111)へ。(山崎純一)