2013年10月30日 (水) 掲載

◎函館商工会議所、松本会頭を再選

 函館商工会議所の臨時議員総会が29日、市内のホテルで開かれ、任期満了に伴う役員改選で松本栄一会頭(73)=ホンダカーズ南北海道会長=が再選された。2期目の任期中には北海道新幹線が開業することから、青森をはじめとした東北地域との連携強化や企業の本州進出を後押しする「南進政策」を加速させる考えだ。副会頭は4人のうち、2人が交代した。任期は11月1日から2016年10月末までの3年間。

 副会頭は、佐藤祐幸氏(72)=佐藤木材工業会長=と永井英夫氏(61)=エスイーシー社長=の2人が退任。後任に西村憲人氏(70)=花びしホテル社長=と境勝則氏(52)=トーショウビルサービス社長=の2氏が指名を受け、選任された。石尾清広氏(63)=イシオ食品社長=と久保俊幸氏(56)=函館環境衛生社長=の2氏は留任引き続き松本体制を支える。

 松本氏は当初、高齢を理由に後継候補の選定に動いたが、不調に終わり、周辺の説得で続投を決断した。会見で松本氏は「新幹線が開業すれば、陸海空路が整備されることになる。函館は飛躍のチャンスで、成長の時代に向けて環境は整った」と述べた。

 松本氏は82年から常議員で、08年1月に副会頭に就任。10年11月から会頭を務めている。「南進政策」を掲げ、強力なリーダーシップを発揮。北海道新幹線開業を見据えた青函連携などを推進している。 (松宮一郎)



◎老人福祉センター、入浴有料化を先送り

 函館市は29日までに、老人福祉センターの入浴料有料化を先送りし、当面の間無料を維持することを決めた。来年度から有料にする方向で検討を進めてきたが、来春からの消費税増税や電気料金の値上げなどを考慮した。

 市は財政難から、老人福祉センター3カ所(谷地頭、美原、湯川)の入浴料を100円とする方向で検討し、年間約1600万円の収入増を見込んでいた。2010年度に行った利用者アンケートでは「多少の負担は仕方ない」が45・6%、「有料にすべき」は9・7%と半数以上が有料化を肯定する意見だったほか、昨年まとめた行財政改革プランでも来年度からの有料化を明記するなど、有料化は事実上、“既定路線”との見方が強まっていた。

 しかし、今年9月から電気料金が値上げされたほか、来年4月からの消費税率引き上げ、さらに円安に伴う燃料や食料品の値上げなどを考慮し、現段階で利用者への転嫁が困難と判断した。市保健福祉部は「実施時期は改めて検討したい」としている。

 市は29日に恵山、戸井地域で行われた地域審議会で説明したほか、各センターでは同日から張り紙で利用者への周知を開始した。谷地頭老人福祉センターでは施設内2カ所に張り紙を掲示し「利用者からは『ほっとした』との声があった」という。

 また、旧4町村で合併前から各地域別に行っている高齢者への温泉優待制度も、有料化見送りに伴い、現行制度を当面維持する。(千葉卓陽、平尾美陽子)



◎フラメンコ20年の絆見て、舞踏教室「ロルカ」が来月記念公演

 函館市本通のフラメンコ舞踏教室「フラメンコ・ロルカ」(永倉麻貴主宰)は11月23日午後6時から、市芸術ホールで「20周年記念本公演“カミナンテ”ファリャとロルカに捧ぐ」を開く。永倉さんは「研究生をはじめ、スタッフやゲストミュージシャンなど20年の歴史の中で育んできた絆を見てもらえたらうれしい」と話している。

 公演は3部構成。第1部は函館と札幌の研究生約40人がレッスンの成果を披露する。第2部はクラシコ・エスパニョール。バレエ音楽「恋は魔術師」やオペラ「はかなき人生」などにのせて演舞する。同分野ではCD音源などを利用することが多いが、今回は生演奏を準備。ピアノを伊藤亜希子さん、パーカッションを小田桐陽一さんが担当するなど豪華布陣となる。公演は第3部のプロフェッショナルライブ「クアドロフラメンコ」でフィナーレを飾る。

 25日のリハーサルには研究生に加え、伊藤さん、小田桐さんらも参加。研究生たちは永倉さんの指導を受けながら、レッスンを繰り返した。伊藤さんと小田桐さんは15周年公演にも参加しており、伊藤さんは「20周年の記念公演をお手伝いできるのは光栄」、小田桐さんは「踊り手が心地よく演舞できるよう瞬時に考えながら演奏したい」と話している。

 チケットは一般3800円、障害者と学生1500円、小学生以下は無料。問い合わせはフラメンコロルカ(電話090・9082・9255)まで。(森裕次郎)


◎戸井・国道278号 ツタ紅葉、壁のじゅうたん

 函館市戸井地区の宮川神社付近の国道278号沿いで、ツタの紅葉が壁一面を覆い、ドライバーらの目を引いている。壁に真っ赤なじゅうたんを掛けたようだ。

 函館から恵山方面に向かって車で走ると、浜町にある歩道橋付近の左側に見られる。市戸井支所によると、コンクリートの擁壁(ようへき)で、長さ約100bにわたってツタの葉が真っ赤に染まったものだという。

 29日、運動の途中に通りがかった近くに住む女性(75)は「本当に鮮やか。最近一気に色付きましたね」と話していた。(山崎大和)