2013年10月31日 (木) 掲載

◎加畑さん、EQトレーナーに道内で初合格

 函館市内で飲食店を経営する加畑栄さん(40)が、EQグローバルアライアンス(EQGA)公認EQトレーナーに道内で初めて合格した。11月2日から北海道国際交流センターで開かれるEQ講座で講師デビューする予定で、加畑さんは「EQが難しいものと思われないように楽しく伝えていきたい」と張り切っている。

 EQは感情能力や心の知能指数などと訳される英単語の頭文字で、自分と他者の感情を理解し、状況に応じて感情をコントロールする能力。函館出身の高松佐千子さん(名古屋市在住)が構師を務めるEQ講座を4月に受講したのを機に、EQトレーナー資格取得を決めた。

 5年前に市内で飲食店を始めて以降、「何か新しいものにチャレンジしてみようとアンテナを張っていた。受講生募集を見てチャンスだと思った」。昔から心理学に興味もあり、すぐに受講を決意。そこで道内ではEQがあまり広まっていないことを知り、「道内でも広めたい」と、EQGA(東京)のセミナーに申し込んだ。

 5月から4カ月間、東京へ通い、座学や実地研修に取り組んだ。初めは専門用語などが分からず、くじけた時もあったが、プロファイリングの数をこなすなど懸命に勉強。8月の筆記と実技の試験に合格し、トレーナー資格を取得。「合格通知を見てほっとした」と振り返る。

 今後の展望については「幼稚園教諭の経験を生かし、EQを取り入れた幼児教育に携わりたい」と話している。

 2日からのEQ講座では一部を担当。講座の問い合わせなどは北海道国際交流センター(TEL0138・22・0770)へ。(平尾美陽子)



◎サツマイモほくほく、遺愛旭岡幼稚園で感謝祭行事

 遺愛旭岡幼稚園(野田義成園長、園児87人)は30日、同園の園庭でサツマイモなどを園児や保護者らで味わい、作物の恵みに感謝するイベントを開いた。

 感謝祭行事の一環で、食べ物の恵みや作物をつくる人たちへ感謝することの大切さを伝えようと毎年実施している。園児たちはサツマイモをぬれた新聞紙でくるんだ後にアルミホイルで包み、焦げ付かない工夫をする作業を体験。サツマイモが焼き上がる様子を待ち遠しそうに見守った。

 その後、保護者らにアルミホイルをはがしてもらい、熱々のサツマイモを笑顔で頬張った。松村空音君(6)と米澤尚真君(6)は「おイモは甘くておいしい」と元気よく話していた。(森裕次郎)



◎和光ビルきょうで閉鎖

 昭和40年代から「WAKOデパート」として市民に親しまれた和光ビルが31日の営業を最後に閉鎖され、45年の歴史に幕を閉じる。北海道新幹線の開業に合わせ、函館市中心市街地活性化基本計画(中活)の中心となる再開発事業で建て替えられ、商業施設とマンションの複合ビルが2016年3月に完成する予定だ。

 同ビルは、1968(昭和43)年に完成。駅前、大門地区には棒二森屋と旧さいかデパートもあり、それぞれ特徴を打ち出し、にぎわいを創出してきた。ただ、車社会の伸展に伴う大型商業施設の郊外進出で同地区の活力も徐々に失われていった。近年はテナント集めにも苦労していたという。

 跡地に建設されるのは、地上16階、地下1階の複合ビル。低層階の商業施設部分には飲食を中心としたテナントを誘致する計画。市の施設なども入居する予定だ。5階以上は80戸ほどのマンションになる。

 ビル自体の営業は31日が最後だが、入居する北海道銀行函館駅前支店は11月15日まで営業する。同ビルを管理するNAアーバンデベロップメントによると、11月中にも解体作業の準備に入り、来年9月をめどに新ビルの建設に着手するという。

 函館都心商店街振興組合の渡辺良三理事長(66)は「オープン当時のWAKOデパートはおしゃれな服が充実していたので、若い人が大勢訪れて繁盛していた」と当時を振り返る。また、「新しくできるビルは中活の重要な施設で、大きな期待を寄せている」と話した。(松宮一郎)


◎北方4島返還願い植樹、渡島総合振興局

 北方領土返還運動のシンボルの花としている「千島桜」の植樹式が30日、渡島総合振興局庁舎の前庭「おしまの森」で行われた。返還運動の関係者ら約30人が出席し、苗木に北方4島の早期返還の願いを込めた。

 北方4島にちなんで、桜の名所として知られる松前町が千島桜の苗木4本を同局に寄贈。植樹式では石山英雄町長が同局の中西猛雄局長に苗木を手渡した。

 その後、3本の苗を植樹。出席者は順番にスコップで苗木の根元に土をかぶせた。残り1本の苗木は正面入り口付近に植えた。

 今年4月の日ロ首脳会談で、平和条約締結交渉の再開が合意されたのを契機に、道は千島桜を用いて返還運動の特別啓発を行っている。

 中西局長が「皆さんの思いを込めて大切に育てたい」とあいさつ。北方領土復帰期成同盟渡島地方支部の村上幸輝支部長は「自公政権のもと、返還運動の機運が盛り上がっている。私たちも先頭に立って運動していきたい」と話した。(鈴木 潤)