2013年10月4日 (金) 掲載

◎スケトウ初水揚げ 3漁協 初日は前年上回る

 道南太平洋海域(渡島、胆振、日高)のスケトウダラ刺し網漁が始まり、3日、先陣を切って鹿部、南かやべ、えさんの3漁協合わせて約380dの初水揚げがあった。

 解禁は1日。操業開始日は渡島、胆振管内とも15日を基本とするが、漁期が早い3漁協は漁獲量を3500dに決めて先行操業が認められた。

 初日の水揚げ量は前年を上回り、浜は活気に沸いた。函館市南茅部地区の木直漁港には、午前4時ごろ船が戻った。漁業者は、すり身やタラコの原料となる褐色のスケトウを網から手際よく取り外した。  伊豫部喜晴さん(55)は「魚は広範囲に分布しており、漁場は昨年より浅い。魚体は昨年よりやや小ぶりだが、好調な漁模様が続いてほしい」と話していた。

 道南太平洋の本年度のTAC(漁獲可能量)は4万6000d。このうち渡島、胆振は4万4000dだが、10、11月の漁獲枠に最大5000dを来年1月以降分から振り分けて4万9000d。年明けに盛漁期を迎え、漁期は来年3月末まで。(山崎大和)



◎盲導犬への理解深める 盲学校で講義や歩行体験

 函館盲学校(木村浩紀校長、児童生徒10人)は3日、盲導犬の役割について学んでもらおうと、体験会を開いた。児童・生徒らは実際に盲導犬と一緒に歩いたほか、盲導犬の訓練などについての講義を受け、理解を深めた。

 北海道盲導犬協会から加藤淳一指導部長と相馬邦啓さん、盲導犬のウィッシュを招いた。体験に先立ち、相馬さんは盲導犬を取り巻く環境などを紹介。全国で実働する盲導犬は約1100頭いるが、現在でも盲導犬を希望している視覚障害者は数千人に上る現状を語った。また、盲導犬に求められる仕事として▽真っ直ぐ歩くこと▽交差点で止まること▽障害物を避けること−などを挙げた。

 後半は体育館内に交差点や障害物を模した周回コースを設置。児童や生徒たちはウィッシュのハーネスを持ち、盲導犬との歩行を体験。交差点や階段の前では人間の指示があるまで動かない様子に感嘆の声が上がっていた。高橋健太君(14)は「盲導犬と接するのは2度目。言うことを聞いてくれてよかった」と話していた。(森裕次郎)



◎函館水試など8機関入居 水産・海洋総合研究センター 民間企業も4社

 函館市は3日、2014年6月の供用開始を予定している函館国際水産・海洋総合研究センター(弁天町20)の研究室入居機関を発表した。公募の結果、道総研函館水産試験場など4つの学術研究機関に加え、市内や札幌、東京の民間企業4社も入居する。

 市企画部によると、公的研究機関は函館水試のほか、北大北方生物圏フィールド科学センター、北大大学院水産科学研究院と公立はこだて未来大学が入居。水試は最も広い115平方bの研究室をはじめ4室を使用し、湯川町1の現施設から研究拠点を全面的に移転する。道内7カ所の水産試験場(本場)で、自前施設以外に入居する初のケースとなる。

 北大フィールド科学センターが8室、北大大学院水産科学研究院も4室使うほか、未来大は7室を使い、新たな海洋観測センサ開発などの研究に活用する。

 民間では、市内に海藻技術研究所を持つ共和コンクリート工業(札幌市)のほか、水産海洋情報サービスシステムの開発を行うグリーン&ライフ・イノベーション(函館市)、藻場造成の新技術開発や磯焼け対策などに取り組むエコニクス(札幌市)、魚群探知機メーカーのソニック(東京都)が入居する。

 入居機関は8月に公募し、9月30日に委員5人からなる審査委員会を経て決定。同部によると、事前に入居を打診していた研究機関がすべて入居し、民間企業も応募した全4社が入居する。同部国際水産・海洋都市推進室の本吉勲参事は「水試や各大学と研究を進めている企業が入居してくれた」と話し、一層の産学官連携に期待する。

 同センターは研究室を31室設ける予定で、今回の公募で29室が入居。残り2室は随時募集したり、「国の機関や民間利用も含めて臨機応変に使っていきたい」(本吉参事)としている。(千葉卓陽)


◎函館市給与 民間より高額 実態調査の結果公表

 函館市は2015年度をめどに新しい給与体系の導入を目指すにあたり、市内の民間事業所を対象に行った給与実態調査の結果を公表した。それによると、100人以上500人未満の企業の役職を市と同じと見た場合など3つのパターンで対応させ、いずれも市の給与が民間に比べて高いとの結果が示された。

 2日に開かれた市給与制度改革検討委員会(乳井英雄委員長)で、市総務部が報告した。

 調査は今年5〜7月に、30人以上の市内の民間事業所の中から無作為抽出した308カ所に調査を依頼。95事業所が応じ、今年4月に支払った給与や初任給、昇給制度などを調べた。

 市職員と同様の業務である事務・技術関係に従事する2793人を対象に、学歴ごとにそれぞれの役職の給料をまとめた結果、大卒の部長で平均年齢51・3歳、月額56万7165円、課長で同49・9歳、同44万5246円。最もサンプルの多かった高卒係員(773人)は同37・4歳、同21万4021円だった。

 一方、函館市(平均6・5%独自削減以前の額)は部長職で平均56・3歳、月額56万7000円、課長職で同52歳、同49万8000円、主任主事で38・4歳、31万2000円。

 市と同程度の民間企業の規模を100人以上500人未満とした場合、市の方が1・75%高かった。統計全体から係員・係長クラスを比較した場合で8・86%、500人以上の大企業の管理職と比較した場合でも7・12%、それぞれ市が民間より高かった。

 委員会では、現在8階級ある市の制度に関し、職制の位置付けを民間に近づけるよう求める意見のほか、「市が給与を下げれば、合わせて給与を下げる企業もある」など懸念する声も出ていた。市は今回の調査結果を踏まえ「市の実態に合わせたパターンを作り、民間と比較した数字を示したい」(総務部)とした。(千葉卓陽)