2013年10月5日 (土) 掲載

◎新聞配達エッセーコン 阿部さん(七重小6年)優秀賞

 【七飯】一般社団法人日本新聞協会の「第20回新聞配達に関するエッセーコンテスト」の選考結果が1日発表され、七重小6年の阿部このみさん(12)の作品「新聞から始まる一日」が2位に相当する優秀賞を受賞した。阿部さんは「驚きで受賞した実感が沸かないが、自分のエッセーが選ばれて素直にうれしい」と喜んでいる。

 作品は新聞がポストに入れられる音で目を覚ます毎日、テレビとは違う新聞の静かさ、引きこまれるような新聞の魅力について400字以内でまとめられている。大人になっても新聞を読み続けて知識を増やしたいという熱意のほか、最後には「いままでありがとう。これからもよろしく」と配達員に新聞を読めることへの感謝の気持ちも表している。

 阿部さんは小学4年の時に新聞に興味を持ち、自分から積極的に読むようになった。分からない単語は辞書で調べるなどしてほとんどのページに目を通す。エッセーコンテストの募集記事を見つけた時には、迷わず応募することを決めたという。「普段、作文を書くことはないが、新聞以外にも小説を読むことが好き。エッセーでは、悩まずに感じたことを素直に表現できた」と話す。

 同コンテストは新聞配達をPRする活動の一環として、1994年から始まった。募集は大学生・社会人、中高生、小学生の3部門で、今回は3771編のエッセーが寄せられ、各部門で最優秀賞1点、優秀賞1点、審査員特別賞1点、入選8点が選ばれた。

 阿部さんは12日に東京のプレスセンターホールで行われる表彰式に出席し、表彰を受ける。(柏渕祐二)



◎戴帽式 決意新たに 函病高等看護学院

 市立函館病院高等看護学院(吉川修身学院長)の第63回生戴帽式が4日、同学院で開かれ、今春入学した76人が看護の道への自覚を新たにした。上級生や父母らが見守る中、緊張した面持ちで式に臨んだ。

 一人ずつ名前が呼ばれ登壇。ろうそくの火が辺りを照らす厳粛な雰囲気の中、真新しいナースキャップをかぶった戴帽生は、全員でナイチンゲール誓詞を唱和した。  吉川学院長は「ナイチンゲールの偉業をたたえながら、看護師の道を歩んでいただきたい」と式辞。戴帽生代表の水野美里さんは「笑顔を絶やさず、患者さんに優しい心を持って接することのできる看護師を目指します」と決意を述べた。 (平尾美陽子)



◎森に太陽光発電所 道内初地元資本メガソーラー

 【森】岩島商店(岩島隆幸代表)が町姫川に整備を進めていた「ハピネスひまわり太陽光発電所」の完成式が4日、同発電所で行われた。同発電所は道内初の地元資本によるメガソーラーで、発電された全量を北電に売電する。

 日照時間が年間1700時間以上で、気温が安定しているなどの条件を満たすことから、同社所有の約8万8220平方bの土地に縦99a、横195aの太陽光発電パネル3840枚を設置。パネル容量は1メガh以上で、年間発電量の想定は一般家庭が消費する電力の約310世帯分に相当するという。今年6月に着工し、総工事費は約3億6000万円。

 完成式には関係者35人が出席。岩島代表は「人と人とのつながりのおかげで完成させることができた。自然再生エネルギーで地域に貢献していきたい」とあいさつした。玉串をささげるなどの神事を行った後、オープニングセレモニーとしてテープカットを行い、電流変換装置を起動させて送電を開始した。

 また、発電状況はリアルタイムで監視できるといい、今後は同社が管理、運営を行う。岩島代表は「森町が有事の際には電力を提供したい。子どもたちに施設を見学してもらい、クリーンエネルギーの大切さを伝えられれば」と話していた。(柏渕祐二)


◎市、60年借り続け運営 八幡宮外苑野球場 一部民有地

 函館市教委が管理している函館八幡宮外苑野球場(谷地頭町)が、開設から約60年間にわたって民有地を借り、運営を続けていることが分かった。所有者からはこれまでも土地の交換や買い上げ要請があったものの、市はいずれにも応じず、所有者と単年度契約を結んでいる。市は今後の扱いに関し、本年度中に方向性を示したい考え。

 同球場は約8300平方bのうち、約4200平方bが民有地。1954(昭和29)年に旧市民球場(青柳町)の代替施設として設けられ、当初は無償で借りていたが、58(同33)年から有償で借りており、所有者と1年更新の賃貸契約を結んでいる。昨年度の賃借料は約320万円。市教委は55年間で約7400万円を支払っている。

 85年には所有者が個人から札幌の企業に変更。これまでも元の持ち主から土地の交換や買い上げを要請されたほか、民間企業に変わってからも2006、08年に等価交換を求められていたが、市は財政難から購入を見送り、土地の交換も「市有地は狭小地や細長い土地がほとんど」(財務部)として、毎年単年度ごとの契約を結んでいる。

 管理運営が不安定なため施設の設置条例はなく、利用者にも無料で貸している。市教委は以前、利用者団体に廃止を打診したが、一定の利用があるとして現在も存続している。

 このほど開かれた市議会決算特別委員会で、井田範行氏(市民クラブ)がこの問題を指摘。市教委の政田郁夫生涯学習部長は「公共施設の管理形態とすれば有料化もできない契約でもあり、決して好ましい状況ではない」と述べた一方、市は今秋をめどに各公共施設についての方策をまとめることから、同部長は「単年度契約解消に向けて、年度内には一定の方向性を出したい」としている。 (千葉卓陽)