2013年10月8日 (火) 掲載

◎太陽光発電助成が好調

 函館市が実施している、住宅用太陽光発電システム設置費の助成制度が好調に推移している。本年度は当初予算で150件分を見込んだが、9月末現在の申し込み件数は前年度同期の1.4倍となる128件。このままのペースが続くと当初予算で組んだ3150万円に達することが確実で、補正予算を組む必要が出てきそうだ。市は太陽光発電への関心の高まりが好調の要因とみている。

 市は2011年度から、6年ぶりに助成制度を復活。助成額は出力1`hあたり7万円で、最大3`h21万円。9月末までの申し込み状況は新築・既設とも64件で、平均出力は約4`h。

 昨年度は当初予算で100件分、2100万円を計上したが申請者が相次ぎ、最終的には前年度(79件)の約2倍となる151件(新築84件、既設67件)、補助額3171万円に達し、市は2度の追加補正を行って対応した。

 一般住宅用の太陽光発電システムは4`hで200万円以上かかっていたが、昨年度は1世帯あたりの平均設置価格が約190万円まで下がっている。市工業振興課は「自然エネルギーへの関心の高まりに加え、住宅メーカーによる制度周知も浸透しているのでは」と分析している。

 国の補助制度は1`hあたり3〜3・5万円(最大10`h、35万円)までで、市の制度と併用できる。助成対象は申し込み後に設置工事に着手することが条件。市の助成制度への申し込みは来年1月末までで、市ホームページからダウンロードできる申し込み用紙に必要事項を記入の上申し込む。問い合わせは同課(電話0138・21・3307)。(千葉卓陽)



◎新幹線テーマに企業誘致や観光 児童がアイデア

 【北斗】2016年3月開業予定の北海道新幹線をテーマにした総合的な学習の時間「新幹線サポータープロジェクト」に取り組む市渡小学校(高野雅文校長、児童88人)の6年生17人が4日と7日の授業で、市職員を講師に迎え、新駅前の企業誘致やきじひき高原の活用について考えた。どちらも市が開業を見据えた重要施策としており、児童の視点でユニークなアイデアが出された。

 4日の授業は市水産商工労働課の企業誘致担当職員、村田貴一さんを迎えた。児童は4グループに分かれ、駅前に来てほしい店やレジャー施設を話し合い、駅南口の見取り図に書き込んでいった。

 後半はグループごとに検討内容を発表。各グループともディズニーランドや有名な温泉施設、レジャー施設、映画館、人気アニメのショップが出され、「動物の触れ合い広場」や、記念撮影ができる「写真館」も。「おじさんたちも遊べるように」とゴルフ場を提案する意見もあった。

 安田憂(うい)さん(11)は「ジブリ館を誘致してほしい」、阿部華名さん(12)は「地元の人もここに来た人も楽しめる駅前になってほしい」と期待を膨らませた。

 児童のアイデアに村田さんは「皆さんの意見をぜひ参考にしたい。地元に来てほしいと心から思って」と呼び掛けた。

 7日は観光課の出口一美さんら3人が講師に迎え、きじひき高原の活用構想を検討。前半は同高原内をバスで巡り現地調査した。匠の森公園で自然散策をした後、大沼や市内を一望できるパノラマ展望台に向ったが、あいにくの霧模様で絶景の眺めは見られなかった。

 学校の戻った後、早速グループに分かれ、活用策を話し合い、「巨大すべり台」「ジェットコースター」「牛の乳しぼり体験」などの意見を出し合った。(鈴木 潤)



◎10日から「街・なか・アート・彩」 作家19人が作品展示

 函館市内で活動する作家19人が作品を展示する「街・なか・アート・彩」が10日から市内神山町245にある築57年の古民家で開かれる。木工細工や絵画、俳句、陶芸、レザー作品、プリザーブドフラワー、コケ玉など多彩な作品約100点が並ぶ。13日まで。

 写真などを出品する開催者の半田雅久さんが、古民家ならではの趣がある会場で、作家たちに発表の場を提供しようと昨年から同会場で始めた。多彩な作品展示の中には音楽の披露もあり、アフリカの民族楽器や作家手作りのオリジナル楽器の演奏も。実際に触れて楽しむこともできる。このほか、プリザーブドフラワーの体験講習も行う。

 同会場は15日に解体が決まっており、半田さんは「普段入る機会のない古民家に、ジャンルの様々な作品が集まる展示会。この素晴らしい会場もこれで最後なので、ぜひ足を運んでほしい」と来場を呼び掛けている。午前10時〜午後4時。問い合わせは半田さん(電話090・8272・0646)へ。(虎谷綾子)


◎合同企業説明会に170人

 函館市や函館商工会議所などでつくる「はこだて雇用創造推進協議会」は7日、函館市内のホテルで合同企業説明会を開いた。中途採用を希望する求職者や来春に大学や専門学校を卒業する学生らが来場。就職に結び付けようと、企業の担当者の説明に耳を傾けた。

 若年層の就労支援に取り組む「ジョブカフェ北海道」(札幌)の説明会「ジョブカフェスタin函館」も同時に開かれ、合わせて40社が参加した。卸売・小売や製造、福祉、ホテル、自動車販売など幅広い業種がブースを構えた。

 大学や専門学校の学生のほか、高校生、中途採用の希望者ら合わせて170人が会場を訪れた。興味のある企業のブースを回りながら、担当者の説明を聞いたり、業務内容などについて熱心に質問するなどした。

 管内の有効求人倍率は上昇するなど雇用環境は改善を続けているが、参加者からは「就職をめぐる状況は厳しい」といった声が聞かれた。市内の短大に通う男子学生は「関心がなかった業種の説明も聞き、興味がわいた。早く就職を決めたい」。事務や接客の仕事を希望している高校3年の女子生徒は「希望する企業の話を聞くことができた。求人が来れば、ぜひ面接を受けたい」と力を込めた。

 ジョブカフェ北海道は学生の就職活動について、「企業は厳選採用の傾向を強めている。企業研究で選択の幅を広げることも必要」などと話していた。(松宮一郎)