2013年10月9日 (水) 掲載

◎巨大客船 安全入港へ指針 函館市

 来年6月に11万d超の大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」が函館港に初寄港するのに向け、函館市は「函館港大型クルーズ客船安全対策等検討会議」(仮称)を立ち上げる。市や函館海上保安部など9つの関係機関・団体で構成し、11日に初会合を開く。同船の入港が安全で円滑となるように巨大客船の入出港時の指針を年内に定める。

 函館に入港実績のある客船で過去最大は、今年2回寄港した「サン・プリンセス」(7万7441d)。「ダイヤモンド|」と同じ米国の客船会社プリンセス・クルーズ社が運航している。

 「ダイヤモンド—」の総d数は11万6000d、全長290b、全幅37・5bで、「サン—」と比べても全長は30b長く、乗客、乗員数合わせると最大で4000人規模となる。道内では室蘭港への寄港実績があり、函館には来年6月以降、計8回の寄港が予定されている。

 市はこれまでの実績を約5万dも上回る同船を安全に迎え入れるため、海保や函館開発建設部、函館運輸支局をはじめ、有識者、港湾・船舶業関係者らで同検討会議を立ち上げる。年内に3回の会合を重ねて、接岸を予定する港町埠頭(ふとう)への進入航路や着岸時の対応などを検討する。

 市港湾空港部は「これまでにない規模の客船で、事前の対策を検討する必要がある。関係機関と情報を共有し、安全に入港できるよう指針を定めたい」としている。(今井正一)



◎日本で地震学築いたミルン没後100年 豪の親族、函館で墓参

 日本で地震学を築いた英国人ジョン・ミルンと、函館出身の妻トネ・ミルンが眠る函館市船見町の墓地を8日、ジョンの縁戚であるウイリアム・トワイクロスさん(61)と、妻のマーガレットさん(61)が訪れた。夫妻は「海を見渡すきれいな場所で(函館市民が)墓を守ってくれていることに、英国と日本の友情を感じた」と話した。

 ジョン・ミルンは1876(明治9)年、東大工学部の前身となる工学寮の教師として来日。世界で初めて地震学会をつくったことで知られる。81(同14)年に西本願寺函館別院住職・堀川乗経の娘トネと結婚した。今年はジョンの没後100年にあたり、ジョンのおいの孫で、オーストラリア・メルボルン在住の内科医ウイリアムさんが、妻とともに初来日した。

 夫妻は、元函館市助役の山那順一さん(78)らの案内で船見町の墓地を訪れ、ジョンとトネの墓、その隣にある堀川乗経の墓に献花し、手を合わせた。ウイリアムさんは「函館のセレモニーを行っていただき、うれしい」と語った。

 トネを描いた著作「女の海溝」がある函館出身で東京在住の森本貞子さん(88)も墓参に訪れた。ジョン没後、トネがジョンの遺髪と歯骨とともに英国から函館に戻り、1925(大正14)年に没後、二人が埋葬されたことを伝えた。

 一行は同日、函館市役所も訪れ、中林重雄副市長と懇談。ウイリアムさんは、自身が作ったジョン・ミルンの功績を伝えるドキュメントのDVDを副市長に贈った。ジョンとトネの写真アルバムや、ジョンの死去を伝える英紙デイリー・ミラーのポスターなどを紹介した。

 東日本大震災から1年半が経過し、ウイリアムさんは「亡くなった方々に心から哀悼の意をささげます。今後も日本地震学会の人たちが土地を守るため、研究に励んでもらいたい」と語った。(高柳 謙)



◎目指せイカ博士 来月に養成講習会 先着60人 受講者募集

 第7回はこだてイカマイスターの養成講習会が11月22〜24日に、認定試験が12月8日に市産学官交流プラザ(北大函館キャンパス内)などで行われる。今月31日まで先着60人を受け付ける。

 函館水産物マイスター養成協議会の主催。イカ博士≠目指す同制度の取得者は大日本水産会(東京)からも認定される。

 講習会は22、23日ともイカに関する講義(3科目以上が必須)と解剖(必須)、24日に函館短大付設調理製菓専門学校(柏木町)で調理実習(必須)を行う。

 試験は択一式100問を90分で解き、70点以上で合格。第6回の合格率は93・8%。

 受講・受験料は5000円。同プラザ内の函館国際水産・海洋都市推進機構に持ち込むか、現金書留(テキスト送付希望者は送料100円を添え5100円)で送る。書留の場合は事前に同機構(рO138・43・0220)へ電話連絡が必要。

 同機構の住所は〒041・8611 函館市港町3の1の1 市産学官交流プラザ内(山崎大和)


◎WAKOビル再開発 建設工事業者 西松建設に 来年1月から解体

 函館市中心市街地活性化基本計画の中核事業、WAKOビル(若松町)再開発の建設工事を担う特定業務代行者が、準大手ゼネコンの西松建設(東京)に決まった。来年1月から現在のビルの解体作業を行い、9月ごろをめどに新ビルの建設に着手する予定だ。

 函館駅前若松地区第1種市街地再開発事業として、現ビルの周辺を含めた区域で行われる。約2800平方bの敷地に地上16階、地下1階の複合ビルを建設する計画。低層階の商業施設部分には飲食を中心としたテナントを誘致し、2016年3月の先行開業を目指す。3、4階については市が施設を整備する計画。

 5階以上はマンション部分。戸数は80戸ほどで、フージャースコーポレーション(東京)が開発、分譲を手掛ける。供用開始は、商業施設部分の半年後になる見込み。

 特定業務代行者は審査を経て、4日に開かれた選定委員会で西松建設に決定した。16日に協定書を締結する。(松宮一郎)