2013年11月19日 (火) 掲載

◎イカ製品 タイでも人気 函館市、物産展の販売結果まとめ

 函館市は、今月1〜3日にタイ・バンコクで開かれた北海道の物産フェア「うまいっしょ!北海道2013」での販売結果をまとめた。水産加工品やスイーツなど10品目を持ち込み、イカの3製品が完売するなど人気を集めた。市はタイ人の商品購買動向などを調査しており、地場企業へのデータ提供などを通じて貿易活性化につなげる方針だ。

 物産フェアはバンコクの中心部に位置するセントラル・ワールド・デパート前広場で開かれ、道内からは23の企業、団体が30ブースを出展。函館は昨年、観光PRのみで参加したが、今回は市経済部、観光コンベンション部と函館物産協会が共同で出展した。

 市内、近郊の9社が水産加工品やタルト、ロールケーキなど10商品を140バーツ(約440円)〜700バーツ(約2200円)で販売し、一部で値引きも行った。市経済部によると、イカめし、さきイカ、イカ塩辛の3品が完売したほか、チーズイカも好評。「イカ製品は単価が低かったのが売り上げにつながった。タイは核家族化などの影響で外食習慣が強く、その場で食べられる商品を買い求める傾向が強かった」(商業振興課)とする。

 反面、スイーツ系商品は空輸によって価格が日本のほぼ倍になり、現地消費者の人気が芳しくなく、「試食では好評を得ていたが、価格的に手が出せなかった可能性がある」(同課)。200〜300バーツでロールケーキを販売している現地企業が増加していることも一因とみている。

 市は日本食の購入頻度や函館の知名度、イメージなどを把握するアンケートも実施。後日報告書にまとめ、物産協会の会員企業や、今後タイとの貿易に意欲を持つ企業に提供する考え。同課は「タイでの水産加工品の人気は感じた。次回は所得水準を考慮し、ターゲットを明確に絞ることが課題」としている。(千葉卓陽)



◎中島廉売の歩行者天国終了

 函館市中島町の中島廉売で39年続いてきた歩行者天国が18日、解除された。利用者が減って歩行者天国の役割が薄れていたためで、午後2時の解除に伴い、多くの車両が往来し始めた。今後は交通量の増加による集客が期待される。

 標識の撤去、取り付け作業を行い、午後1時ごろ終了。同2時から規制が解かれ、車で買い物に来た湯川町の男性(73)は「いつでも車で通れると本当に楽。ただ、もう少し駐車場が近くにあるとうれしい」と注文した。

 商店街では、子どもたちの安全を守ろうと、自主的に廉売内の横断歩道で見守り活動を行った。中島小の宇佐美雅司校長(55)は「路上駐車の陰から、子どもの飛び出しが起きないか心配。商店街の人たちが見ていてくれると本当にありがたい」。同小4年の松本龍弥君(10)は「今までは学校帰りなどに安心して通れたけれど、これからは気をつけないと」と気を引き締めた。

 中島町仲通り商店街の佐々木修二会長(64)は「車が通ることで、集客のきっかけになると期待している。お客が笑顔になってくれるような商品を提供し、歴史ある廉売をもっと盛り上げていきたい」、中島町商店街振興組合の川崎正博理事長(57)は「廉売には対面販売ならではの良さがある。お客との会話を大切に、安全に配慮しながら、利用してもらいやすい商店街を目指す」と話していた。

 歩行者天国は1974年から廉売大通の一部区間で実施。日曜を除く週6日の午後2時から同6時まで、車両の通行を禁止していた。 (虎谷綾子)



◎音楽療育で可能性引き出す 障害児通所施設「音の森はこだて」開所

 歌ったり、曲に合わせて運動するなど、音楽プログラムに特化した療育サービスを提供する障害児通所施設「音の森はこだて」(天野正敏管理者)がこのほど、函館市本通3に開所した。

 2階建ての旧民家を改装し、児童福祉法に基づく児童発達支援事業と放課後等デイサービスを行う。ピアノや電子ドラムなどの楽器、音響機材を置き、利用者のニーズに合った療育プログラムを提供する。

 プログラムでは音楽が流れるなかで、ボールを使った運動や体操、絵描き歌などのメニューを実施。音楽療法士や教員免許を持った児童指導員、保育士が指導に当たる。天野管理者は「音楽の持つ働きを生かしながら子どもたちの可能性を引き出す療育を目指している。利用者が心から楽しめる場所になりよう努めていきたい」と話す。

 幼児(未就学児対象、午前9時〜午後1時)と学童(小学生対象、午後2時〜午後6時)の2クラスがあり、対象地域は旧4町村を除く函館市で、利用料は児童福祉法に基づく障害児通所介護給付費の10%。利用する場合、市への申請が必要。問い合わせは音の森はこだて(電話0138・83・6597)へ。

 ホームページはhttp://www.otonomori−hakodate.net


◎全道高校ラグビー、ラ・サール 花園ならず

 【札幌】第66回北海道高校ラグビーフットボール南・北選手権大会兼第93回全国高校大会北海道予選会は21日、札幌市月寒ラグビー場で決勝を行い、南大会で函館支部代表のラ・サールは札幌支部代表の札幌山に3|72で敗れ、夢の近鉄花園ラグビー場進出はならなかった。札幌山の手は今大会14連覇を達成した。

 ラ・サールは3年生中心のフォワード陣と、1、2年中心のバックス陣で王者に向かった。試合開始から重量級の選手に向かってタックルを決めたが、今大会1試合平均100得点を誇る相手の猛攻を止めることはできなかった。攻撃では後半にペナルティーゴール1本を決めるのにとどまった。

 敗れたものの、最後まで果敢にプレーする姿に、函館から訪れた父母らから大きな拍手が送られた。観戦に訪れた函館市ラグビーフットボール協会の額賀康之会長は「残念だが、若い選手が厳しい試合を戦ったことは、勝敗に関係なく成長するものをつかんでくれたと思う」と選手をねぎらっていた。

 北大会は北見支部代表の遠軽が優勝した。(山崎純一)