2013年11月2日 (土) 掲載

◎北洋銀と青森銀と流通業者が連携、青函の「食と観光」開発

 2016年3月の北海道新幹線開業を見据え、北洋銀行と青森銀行、食品スーパー道内最大手のアークス(札幌)、新日本スーパーマーケット協会(東京)の4者は1日、青函圏の「食と観光」を活性化させるため、連携することに合意した。両行の取引先、両地域の食の素材を結び付け、新商品を開発。流通業者の販売網を使い、全国への発信を目指す。

 両行は昨年12月、新幹線開業を見据えて連携協定を締結。相互の現金自動預払機(ATM)の手数料無料サービスをはじめ、両行の取引先企業の経営者を集めた交流会を開くなどしている。

 今回の4者の連携は青函両地域の連携強化、経済の活性化が目的。両行がアークスと同協会に呼び掛けて実現した。全国的に見ても同様の取り組みはないという。

 地域の情報が集まる両行が、企業同士や食の素材をマッチングさせ、新商品開発をコーディネートする。アークスグループが青函圏へ、同協会が全国への流通、発信を担う。新商品を活用した観光商品の造成、誘客にまで結び付けるのが狙いだ。

 1日に函館市内のホテルで記者会見が開かれ、4者のトップが意気込みを語った。北洋銀の石井純二頭取は「新幹線開業に向けて両地域の強みを磨き上げていく。民間の力を結集して具体的な成果を挙げたい」と力を込めた。(松宮一郎)



◎道教育大の再編計画認可

 文部科学省の大学設置・学校法人審議会は10月31日、北海道教育大学(本間謙二学長)が来年度から函館校と岩見沢校に新学科を設置する再編計画を認める回答を出した。函館校における教員養成機能の存続が決まったことで、道南の教育現場には安どの声が広がった。

 同校関係者によると、同月下旬、同省から札幌校を通じて「(計画は)認可の方向で進んでいる」との内示が入っていた。同大は5月、来年度から函館校に国際地域学科を設置し、その下に小学校の教員免許を取得できる地域教育専攻(定員45人)と地域協働専攻(同240人)を置く計画を提出していた。

 星野立子副学長(函館校担当)は1日、函館新聞の取材に対し、教員養成課程について「地域の方々に多大なご協力をいただいたおかげで残すことできた」と教育関係者や地域住民に感謝し、「(将来への)展望をしっかり持ち、地域に貢献できる函館校にしていきたい」と語った。

 道南の教育現場からも安どと歓迎の声が上がった。同校OBで市内小学校の校長は「教育は学校のみでは存立せず、地域や家庭とともにある。函館の人や空気感、つながりの中でしっかりと学んだ若者に地域の教育を託したいと願っていた」と喜んだ。別のOBも「教育現場としても、子を持つ親としても教員になるための大学が函館にあることはうれしい」と話した。

 同校は今後、来年度に向けて大学案内の配布や新たに増える教員の研究室スペースの確保など学内の準備を加速させる方針で「現有施設を有効に活用できるよう計画していく」(星野副学長)としている。(森裕次郎)



◎シーポートプラザ解体始まる

 JR北海道は、休館中となっている旧シーポートプラザ(函館市若松町)の解体作業を開始した。施設はフェンスで囲まれ、建物のひさしなどが取り払われた。撤去後は当面、駐車場として活用する方針だ。

 同施設と周辺の土地はJR北海道が所有。建物は3階建て延べ5300平方b。青函連絡船廃止後の1990年にピアマーケットとしてオープン。飲食店などが入居し、完成当初はウォーターフロントの観光施設として人気を集めた。

 その後、地ビールレストランが開業したほか、クラシックカーの展示施設としても活用された。ただ、利用者の減少で2008年から休館状態となっていた。

 今年4月に同社の小池明夫前社長(現会長)が建物を撤去する方針を表明。同社はその後の計画を明らかにしていないが、小池前社長は当時、「当面は駐車場として利用する」とし、「その先はしっかりと考えたい」と述べ、周辺整備に意欲をみせていた。(松宮一郎)


◎無事故願い除雪車出陣式

 【北斗】降雪期の到来を前に、国道や高規格道路を管理する函館開発建設部函館道路事務所の除雪車出陣式が1日、北斗市追分の同事務所で行われ、受注業者が事故の無い安全な除雪作業を誓った。

 出陣式には除雪車22台が集結し、同部職員や業者の従業員ら約40人が出席。同事務所の田村桂一所長が「皆さんの経験、ノウハウは地域を支える貴重な財産。事故防止と健康管理に気をつけて冬を乗り越えてほしい」と激励した。

 業者を代表し、同事務所第一工務課維持除雪工事安全連絡協議会の館義彦代表が「道路を守る意識と覚悟を持って一丸で除雪作業に当たる」と安全作業を誓った。除雪車の運転前点検、走行デモストレーションも行われた。

 同事務所の管轄は、函館や北斗など2市3町の国道5路線や函館新道、函館江差自動車道で、総延長245キロを管理。計46台の車両で除雪作業をする。(鈴木 潤)