2013年11月23日 (土) 掲載

◎LEDで海藻種苗生産 共和コン研究所など開発

 共和コンクリート工業海藻技術研究所(函館市弁天町、北山進一所長)などは、従来の蛍光灯に代わってLED(発光ダイオード)を利用し、コンブなどの海藻養殖に欠かせない種苗を生産するシステムを開発した。実用化に向けてマコンブの種苗を作り、今冬から実際に函館の海中での養殖が始まる。

 「LEDの最適波長光照射による省スペース型海藻種苗生産システムの開発」で、経産省から補助を受けた。ほかに東和電機製作所(函館)、函館地域産業振興財団、北大水産学部が事業者。野菜や花卉(かき)栽培では、LEDの光を操作して出荷するビジネスが確立されている。こうした中、海藻での実用化に向けた研究に着手した。

 LEDを使うと、従来より電気代などのコスト削減となる。また、適切な光の波長を効率よく照射することで種苗生産を早められるなど成長をコントロールできるほか、高品質な海藻の生産につながるという。

 同所内に設置した種苗生産装置で赤、青、白、アンバー(オレンジがかった白色)の4色を使い、海藻を育てるのに必要な光量がどのくらいかなどを調査。ホンダワラ類(フシスジモク、ウガノモク)、コンブ類(マコンブ、ワカメ)についてデータを集め、まずマコンブの種苗を漁業者に使ってもらう。

 東日本大震災による津波で壊滅的被害を受けた太平洋沿岸の種苗生産施設は再建しており、岩手県宮古市などは養殖ワカメやコンブが盛ん。成果を提供して漁業復興を支援したい考え。

 ホンダワラ類は養殖されていないため、全国的に深刻な磯焼け問題に対応して藻場造成に活用してもらう。川越力主任研究員は「LEDによる種苗生産期間の短縮化や、高品質な種苗生産を実現し、被災地復興に貢献したい」と話している。(山崎大和)



◎函館でも婚姻届殺到 大安で「いい夫婦の日」普段の10倍以上に

 22日は「いい夫婦の日」。函館市役所にはこの日に合わせて、婚姻届を提出するカップルが相次いで訪れ、午前0時から午後5時半までに普段の10倍以上となる51件の届け出があった。

 市戸籍住民課によると、婚姻届の提出は1日平均4組だが、この日は日付が変わった直後からカップルがひっきりなしに訪れ、“一番乗り”は午前0時3分に夜間受け付け窓口に訪れた。昨年は一日全体で29件だったが、同課は「今年は縁起のいい大安と重なったことで増えたのでは」とみている。

 市内在住の岡本健介さん(30)と舞さん(30)は、午後3時半ごろに市役所を訪れ、婚姻届を提出した。健介さんは「実感がなかったが、けさは心が引き締まった。函館は少子化が進んでいるので、子どもを2人以上もうけて地元に貢献したい」ときっぱり。舞さんも「困難もあると思うが、2人で力を合わせて頑張っていきたい」と、幸せいっぱいの表情で話していた。(千葉卓陽)



◎開業盛り上げ「応援隊」発足

 2016年3月開業予定の北海道新幹線を盛り上げる応援隊「道南ドリーム☆チーム!」の結成記念イベントが、開業まで“遅くとも”860日前に当たる22日、渡島総合振興局(函館市美原)で開かれた。応援隊員メンバーら約250人が参加し、結成を祝いながら開業への機運を高めた。

 同局が応援隊を発案し、メンバーを呼び掛けたところ個人、団体、公認ゆるキャラ113組が集まった。応援隊の愛称は道南の人口が約46万人であることにちなみ「DUN(ディーユーエヌ)46」。函館出身の歌手、暁月めぐみさんをキャプテンに任命した。

 結成イベントは「860(ハロー)ウエルカム新幹線プロジェクトinDounan(ドウナン)」と称し、各地のゆるキャラ15種が集結。最初のキャプテン任命式で、同局の中西猛雄局長が暁月さんに任命書を手渡した。

 その後、暁月さんのステージのほか、亀田ゆたか幼稚園の年長園児62人が遊技を披露。新幹線にかかわる○×クイズも行われ、園児が挑戦した。

 暁月さんは「全国各地を訪れた際には、1人でも多く函館、道南に来てもらえるようしっかりPRしていきたい」と意欲を示した。木古内町のゆるキャラ「キーコ」を担当する町職員の柏谷砂也香さん(19)は「近隣の市町と連携しながら開業盛り上げたい」と話した。

 応援隊は、それぞれの立場や資源を生かしながら今後開催する開業イベントやPR活動、情報発信に協力をする。引き続きメンバーを募集している。申し込み、問い合わせは同局新幹線推進室(電話0138・47・9431、ファクス同47・9203)へ。(鈴木 潤)


◎乗り継ぎはスムーズ? 観光客目線で2次交通点検

 函館商工会議所や市などの関係機関でつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構は22日、2016年3月の新幹線開業後、函館駅に到着してからの2次交通の整備に向け、既存の路線バスや周遊パスなどの点検作業を開始した。観光客の目線で観光ルートを回り、スムーズに乗り継ぎできるかなどをチェックした。

 同機構は今年、2次交通充実部会を設置。新函館駅(仮称)と現函館駅を結ぶリレー列車や新函館駅と市内拠点を結ぶバス路線網、観光路線バスについて議論している。

 今回は周遊パスの使い勝手や乗り継ぎの際に問題がないかなどの現状を確認するのが狙い。この日は同機構のコーディネーターとスタッフ、「はこだて魅力創造ゼミナール」の受講生2人も加わり、観光ルートを点検した。

 列車とバス、市電が2日間乗り放題になる観光客向けの周遊フリー共通券を使用し、おすすめモデルコースの目的地、鹿部町に向かった。函館駅のみどりの窓口でチケットを購入するとこからスタート。周知方法や交通機関ごとの接続などの項目を検証した。

 参加したはこゼミ生の土田尚史さんは「乗り継ぎで分かりづらい部分もあり、改善の余地がある」と感想を語った。同機構は「問題解決、改善に向けて交通事業者に提案していきたい」としている。(松宮一郎)