2013年11月24日 (日) 掲載

◎ステップ華麗に 情熱的に フラメンコ・ロルカ20周年公演

 函館市内の永倉麻貴さんが主宰するフラメンコ教室「フラメンコ・ロルカ」の創立20周年記念公演が23日、市芸術ホールで開かれた。ギターとパーカッション、手拍子が鳴り響く中、美しい衣装を身にまとった生徒たちがレッスンの成果を披露した。

 公演は3部構成で、20周年の歩みを紹介する趣向。同教室は函館のほか、札幌にもあり、第1部は両教室の生徒によるステージを繰り広げた。ゲストアーティストによる歌、フラメンコギター、パーカションに合わせ、練習を重ねてきた生徒が情熱的な踊りを次々と披露。曲と曲の間に観客が大きな拍手を送った。

 第2部はスペイン古典舞踊、フラメンコ・バレエ「クラシコ・エスパニョールステージ」。ゲストアーティストのサポートを受け、オペラやバレエ音楽に合わせて舞った。

 「クアドロ・フラメンコステージ」と題されたプロフェッショナルミニライブでフィナーレ。観客は一流の踊り、振り付け、演奏を思う存分楽しんだ。 (松宮一郎)



◎五穀豊穣に感謝 「浦安の舞」奉納

 勤労感謝の日の23日、函館市谷地頭町の函館八幡宮(中島敏幸宮司)では、五穀豊穣(ほうじょう)に感謝する「新嘗(にいなめ)祭」が開かれた。

 新嘗祭は、農耕文化中心の日本で、農民が精を出して育てた新穀を天皇が神に奉り、食することでその年の収穫に感謝し、国家の安泰を願う。函館八幡宮では一年で最も大きな祭儀とされる。

 御神体を祭っている本殿奥の扉が開かれ、今年収穫された米や野菜などのほか、奉賛会や敬神婦人会などが幣帛(へいはく)を供え、中島宮司が祝詞を奏上した。

 続いて、石崎地主海神社雅楽会が神楽「浦安の舞」を奉納。最後に参加者全員が玉串をささげ、一年の豊作に感謝を表していた。 (山崎純一)



◎山と浜のかあさん自慢の品 地元特産の魅力伝え交流

 【江差】勤労感謝の日恒例の「第9回女性農業者グループ祭」が23日、江差町で開かれた。大勢が来場し、地元の生産者が対面販売で新鮮な野菜や特産品の魅力を伝えた。

 桧山南部女性農業者グループネットワーク(笠原幸子代表)の主催。江差と上ノ国、乙部、熊石などの生産者が自慢の産品を持ち寄った。

 上ノ国の黒米とヨモギなどの大福は、今年も開会直後から大人気で飛ぶように売れた。乙部からは正月料理「つぼっこ汁」を用意。タケノコやワラビ、フキ、金時豆などをしょうゆ仕立てにして、好評だった。熊石のアワビの殻を活用したアクセサリーも注目の的で、催しを盛り上げた。

 両親と一緒に来場した江差小1年の三宅真由さん(6)は「豚汁のキャベツが甘くておいしかった。アワビの殻のストラップを買ってもらったのでランドセルにつけたい」と笑顔だった。

 笠原代表(60)は「勤労感謝の日にこうして仲間が集い、消費者と交流できることがうれしい。年に一度の感謝祭に大勢の来場があったことにお礼を伝えたい」と話していた。 (田中陽介)


◎2次交通「分かりやすさ」カギ 開業対策推進機構が点検

 函館商工会議所や市などの関係機関でつくる北海道新幹線新函館開業対策推進機構は22、23の両日、2016年3月の新幹線開業に伴う2次交通の整備、充実に向け、既存のバス路線や周遊パスの使い勝手などの点検作業を行った。実際にバスやJRなど交通機関を利用し、観光客の目線で調査することでさまざまな課題が浮かび上がった。

 同機構は今年、2次交通充実化部会を設置し、函館駅と現函館駅を結ぶリレー列車や新函館駅と市内拠点を結ぶバス路線網、観光路線バスについて在り方を探っている。今回の調査は現状を確認するのが目的で、同機構の幹事やコーディネーター、新幹線開業はこだて魅力創造ゼミナールの受講生が参加した。

 使用したのは、JRとバス、市電が2日間乗り放題になる観光客向けの周遊フリー共通券「はこだて旅するパスポート」と、函館バスの1日券「かんぱす」の2つ。22日は、はこだて旅するパスポートのおすすめモデルコースの湯の川〜鹿部町で乗り継ぎの調査などを行った。

 2日目の23日は、西部地区を循環する函館バスの「レクサ元町」と、五稜郭タワー経由でトラピスチヌ修道院まで行く「五稜郭タワー・トラピスチヌシャトルバス」に乗り込んで調査した。調査項目は車体デザインや車内の雰囲気、方向幕などの分かりやすさなど。気づいたことをシートに記入していった。

 それぞれ乗り場が函館駅前のターミナルの分かりやすい場所にあり、参加者からは高い評価。ただ、どちらも市電・バス共通1日、2日乗車券は利用できず、疑問の声が上がった。また、五稜郭タワー・トラピスチヌシャトルバスは普通の路線バスと同じ車両が使われており、「情緒が感じられない」「音声案内をもっと工夫したほうがよいのではないか」という指摘も。

 調査に参加したはこゼミ受講生の柳谷一美さんは「運転手の細やかなアナウンス、気配りはとてもよかった。もっとPRに力を入れるべき」。土田尚史さんは表示板やアナウンスに注文。「英語だけでなく、アジアを意識した表示や案内がもっと必要だ」と話した。

 同機構は調査をもとに課題や意見をまとめ、交通事業者に改善提案をする予定だ。 (松宮一郎)