2013年11月25日 (月) 掲載

◎ドサンコの魅力学ぶ、函館でフォーラム

 北海道和種馬・ドサンコへの理解を深めてもらう「どさんこ馬フォーラムin函館」(北海道和種馬保存協会主催)が24日、函館市内や近郊で開かれた。ドサンコとの触れ合いや講演を通じ、北海道開拓に大きな役目を果たした歴史ある馬の魅力を学びながら、活用策について考えた。

 ドサンコは函館・道南が発祥地とされ、人や物資の運搬などで北海道開拓に貢献した。フォーラムはこれまで札幌や道内の馬産地で開いてきたが、函館では今回が初めて。約45人が参加した。

 午前中はシャロレー牧場(森町)や亀尾ふれあいの里(市内米原町)などを訪れ、前足と後足が同時に前に出る「側対歩」(そくたいほ)といったドサンコの特徴を学んだほか、隊列を組み、背中に荷物を乗せて運送する「だんづけ」などの実演見学を行った。

 午後からは湯の浜ホテル(湯川町1)で、北大大学院教授で同協会会長の近藤誠司さんが講演。ドサンコが道南で広く使われた理由として、1902(明治35)年に在来馬を去勢する法律が施行されたものの、当時の道庁長官の求めで道南、日高地方では法律が適用されなかったことを紹介した。

  その上で、近藤会長は今後の活用法として肉用や乗馬、流鏑馬(やぶさめ)、災害発生直後の救援活動などを挙げ「ドサンコはさまざまなDNAを持っている。乗用や背中に荷物を積むなど、方法はいくらでもある」と述べた。

 市内東畑町で農園を営む北井清一さん(48)は「生活に密着した馬であり、ドサンコでまちおこしもできると感じた。農園でも飼育したい」と話していた。 (千葉卓陽)



◎函工定時制6人、第二種電気工事士に合格

 函館工業高校定時制(白野勝義校長、生徒61人)の3、4年生6人がこのほど、国家資格「第二種電気工事士」の試験に合格した。8カ月にも及ぶ猛勉強の成果が実を結び、生徒たちは「自信になった」「新たな資格にもチャレンジしたい」と意欲を高めている。

 今回合格したのは齊藤悠介さん(電気科4年)、勝山晴菜さん(機械科4年)、小野寺拓磨さん(建築科4年)、菊池琢磨さん(建築科4年)、奈良匠さん(電気科3年)、原田裕哉さん(電気科3年)。

 「去年、落ちてしまったので自分に自信をつけたくて」(小野寺さん)、「将来の就職を考え、資格を取ろうと思った」(原田さん)と受験動機はさまざまだが、6人は昨年11月から試験直前の今年7月まで、放課後の1時間を資格取得に向けた講習に充ててきた。試験が近づくと土日も自主的に登校。「先生にお願いして時間をつくってもらって勉強した」(菊池さん)、「去年は計算が苦手だったので重点的に学習した」(齊藤さん)と各自が教員にアドバイスを求めながら、苦手分野のトレーニングを続けたという。

 苦労を経て手にした大きな結果。勝山さんは「受験勉強を通じ、電気の基礎知識を学ぶことができ、(在学する)機械科の観点からだけでなく、電気科の観点からも物事を見れるようになった」と視野の広がりに手ごたえ。奈良さんは「次は第一種の資格を目指したい」と意欲を見せた。(森裕次郎)



◎乙部でスケトウダラ試験操業

 【乙部】26日に解禁となる日本海・桧山沖のスケトウダラ延縄(はえなわ)漁の試験操業が24日、乙部沖合で行われた。潮の流れなどを確認し「魚体のサイズは十分だ」と豊漁への期待が高まる。

 試験操業は、町内の豊浜すけそう部会(明石晃司会長)の2隻が豊浜漁港沖合で実施。午前5時前に出漁し、同8時すぎに帰港、約600`の水揚げで大サイズが大半を占めた。同部会によると、魚群探知機の反応は「場所によって差があった」という。

 一本釣りの鮮度の良さと魚体を海洋深層水で洗浄、氷漬けなど関係者の努力がブランドを支える。海外でも人気だが、東電福島第1原発事故に伴う風評被害が懸念され、今季も専門機関で検査を徹底して対応する。

 明石会長(62)は「ここの魚を楽しみに待っている人がたくさんいる。みんなで安全に気をつけながら頑張りたい」と話していた。 (田中陽介)


◎「はこだて福島会」発足

 函館近郊在住の福島町出身者でつくるふるさと組織「はこだて福島会」の設立総会が23日、函館市湯川町の花びしホテルで開かれた。設立時会員に106人が名を連ね、総会には70人を超える人が訪れた。発起人会代表を務め、会長に就任した藤澤信弘さん(73)は「若い人をはじめ幅広い年代の人が集まり、交流をして、底の深いつながりをつくっていきたい」と抱負を語り、古里の心強い応援団としてのスタートを切った。

 福島会は札幌、東京に次いで3番目。かねてから会の発足を温めてきた藤澤会長らが今年8月から設立準備を進めてきた。他の福島会との連携を図り、同町の発展のため、PRや応援支援に努めることを目的とする規約を制定。引き続き、懇親会で親交を深めた。

 同町からは佐藤卓也町長、溝部幸基町議会議長らが来場。佐藤町長は「一生懸命、福島を活気づけるために取り組んでいる。皆さんの力をいただいてもっと元気にしていきたい」とあいさつ。溝部議長は「福島の将来に皆さんの知恵と汗を借りたい」と協力を求めた。

 また、5歳から中学校1年生までを同町で過ごした工藤寿樹函館市長は「貧しくても夢がいっぱいあふれていた時代を過ごした福島は私のふるさと。互いにふるさとのために力を尽くしましょう」とエールを送った。

 同会は今後、交流会などの活動を展開する予定。藤澤会長は「若い世代の人にも参加を呼び掛け、異業種交流を図れる場にもしていき、多くの若者を育てていきたい」と話していた。(今井正一)