2013年11月26日 (火) 掲載

◎北斗市に協議を要請 駅名問題で函館市

 2016年3月開業予定の北海道新幹線新駅の駅名問題に関し、函館市の工藤寿樹市長は25日、北斗市に対して正式に協議を要請した。見解が異なる問題に対し、2市間で解決の道を探りたい考え。北斗市の高谷寿峰市長は「お互いに話をすることは悪いことでないし、函館市の申し入れは尊重したい」と述べ、早ければ26日にも市議会と話し合う考えを示した。

 工藤市長はこの日午前9時、松尾正寿市議会議長や全5会派の代表者らと会談し、協議実施を提案した。

 これを受けて市議会も対応を協議。すでに決議し、意思を明確にしている点を理由に反対する会派も出たが、最終的には対応を正副議長に一任し、松尾議長は協議の場に斉藤佐知子副議長とともに参加することを決めた。同日午後には中林重雄副市長と谷口諭企画部長が北斗市役所を訪れ、協議を申し入れた。

 工藤市長は取材に対し、「道庁や経済界が発言しているが、対立したままで見られ、当事者同士で話し合ったことがないのはいかがか。隣同士、まずはお互い話し合いませんかということ」と説明。松尾議長は「議会として決議を背負っており、市長が何を発言するのか確認したい」とのスタンスで臨むとした。

 一方、高谷市長は「議会が駄目となれば、それを乗り越えてやるわけにいかない。議会の了解を得てやりたい」と述べた。池田達雄市議会議長は取材に対し「話を聞くことは拒まない。協議内容を確認して、慎重に判断したい」と話している。

 高谷市長は同日午後、函館湾流域下水道事務組合議会などに出席するため函館市役所を訪れたが、駅名問題に関して工藤市長と直接話し合う機会はなかった。 (千葉卓陽、鈴木 潤)



◎暖房に感謝 国産第1号復元ストーブに「火入れ」

 函館で国産第1号のストーブが製造されたことを後世に語り継ごうと、市民有志で組織された「ストーブの日実行委員会」(石塚與喜雄委員長)は25日、市内末広町の箱館高田屋嘉兵衛資料館で「第26回ストーブの日」のイベントを開いた。

 国産第1号のストーブは五稜郭の設計で知られる武田斐三郎が箱館奉行の命を受け、大町の鋳物師に作らせたとされ、1856年11月25日に火入れが行われた。ストーブは現存が確認されていないため、1988年に実行委が設計図などを基に復元。以来、毎年11月25日を「ストーブの日」と呼び、記念イベントを開いてきた。

 この日は実行委のメンバーら約25人が出席。復元に尽力した郷土史家の故・会田金吾さんの孫やひ孫が火打石を打つ所作をして先人の偉大な功績に敬意を表した。同資料館の酒井賢佑館長(68)は「この日を迎えると、暖房のありがたさに感謝しながら冬を乗り切っていこうという気持ちになる」と話していた。 (森裕次郎)



◎地域の食材や料理 カレンダーで紹介

 函館圏の料理人らでつくる「クラブ・ガストロノミー・バリアドス」(通称・ガスバリ、深谷宏治代表)は、道南の旬の食材と食文化を紹介する来年のカレンダーを製作し、販売を始めた。月ごとに地元の旬の食材を使ったメンバーの料理が楽しめる内容。深谷代表は「地域の豊富な食材と料理人の仕事を見てもらいたい」と話している。

 ガスバリはスペイン語で「食を追及する仲間たち」の意味。市内のスペイン料理店「レストラン・バスク」のオーナーシェフ、深谷さんの呼び掛けで1998年に発足した。メンバーは和・洋食、中華料理のシェフ、ワインアドバイザー、パティシエ、パン・菓子職人などのプロ17人。毎月の勉強会などで知識や技術を高め合っている。

 カレンダー製作は2014年版で6年目。取り上げた食材は、知内産のカキやゴッコ、北斗市で水揚げされたシャコ、エゾアワビなど魚介類をはじめ、同会が復刻させたコメ「マツマエ」も。メンバーがそれらの食材を使い、季節感あふれる料理を創作した。

 料理は紹介した月に担当したシェフの店で味わえるのも特徴。深谷さんは「旬の食材と味をみなさんに届けたい」と話している。1部1100円で、3700部作製。メンバーの店で販売している。問い合わせはレストラン・バスク(電話0138・27・2181)へ。 (松宮一郎)


◎食材の普及へモニター調査 フードカンで始まる 第一弾は「リーキ」

 JR函館駅構内の道南産品アンテナショップ「フードカン」(伊藤隆史店長)が、店内でモニター調査の試食会を始めた。第一弾は北斗産のリーキ(西洋ネギ)で、消費者の反応を把握して今後の普及の可能性を探る。

 リーキの調査は24〜26の3日間。アンケートは全14問あり、これまでリーキを食べたことがあるかや、気軽に買えるようになったら購入するか、1本どのくらいの価格なら購入するか—などを尋ねている。

 試食は、リーキをオリーブオイルで焼いて上にもろみを載せたもので、軟らかな食感とまろやかな味が楽しめる。アンケートに答えた人に、リーキを1本プレゼント。今回は3日間で100人分の回収を目指す。結果は来年の作付け計画や、価格の設定などに生かすという。

 店内に実物も展示し、長ネギと違って葉が硬く平らにつぶれている特徴をアピールしている。

 伊藤店長は「新たな食材普及のきっかけづくりを積極的に展開したい。農産物に限らず、加工品も対象にしたいので、希望者は相談してほしい」と呼び掛ける。

 午前7時〜午後7時。問い合わせは同店(電話0138・21・1200)へ。 (山崎大和)