2013年11月3日 (日) 掲載

◎マコンブ原産国を判別 DNA分析の新手法も

 マコンブのDNA(デオキシリボ核酸)を調べたところ、国産、中国産、韓国産のそれぞれに特徴的な塩基配列があることが、道立工業技術センター(函館市桔梗町)などの研究で分かった。この配列は種類も見分けることができるため、一度の分析で原産国と種類を判別。また、アルギン酸分解酵素を使ったDNA分析法も開発し、短時間でより確実に分析可能となった。偽装防止やブランドを守る効果が期待される。

 函館マリンバイオクラスターの成果で、北大大学院水産科学研究院、農林水産消費安全技術センター(埼玉)、道総研食品加工研究センター(江別)と共同研究した。中国でもマコンブを生産しており、原産地表示が正しいかどうかを判定できる手法の開発が必要となっていた。

 国産、中国産、韓国産のマコンブについて、DNAを構成する4種類の塩基の並び方を調べたところ、中国、韓国産は90%以上特徴的な配列を持っていた。国産には中国、韓国産と同じ配列を持つものはなかった。原産国だけでなく、ガゴメコンブやミツイシコンブ、ナガコンブなどとの種類の違いも特定できる。

 コンブのDNA分析では、DNAを抽出する際に一緒に抽出されるアルギン酸が、分析するDNA領域の増幅を阻害。このため、DNA分析は手間が掛かっていた。研究で見つけたアルギン酸分解酵素を使うとアルギン酸を除去でき、DNA分析が確実になった。

 判別法と分析法がどこでも成功するように、現在マニュアル化を進めている。改良や妥当性を確認した上で、消費安全技術センターで検査できる形にする。

 工業技術センターの清水健志研究主任(41)は「偽装抑止や、国産認証として使える可能性がある。製品を差別化できるので、産地にもメリットがあると思う」と話している。(山崎大和)



◎親子でバイキング楽しむ 魚と野菜…食育も学ぶ

 バランスの良い食生活について理解を深めてもらう初のイベント「魚と野菜の食育セミナー」が2日、函館市総合保健センター調理実習室で開かれた。函館、北斗両市内在住の13組35人が、旬の魚と野菜を使ったバイキング料理を堪能した。

 市水産物地方卸売市場魚食普及対策協議会(松山征史会長)と、市青果物地方卸売市場活性化対策委員会(藤谷博之委員長)の主催。

 メニューは市食生活改善推進員(ヘルスメイト)が考案したニンジンおにぎり、マダラのマヨネーズ風味ホイル焼き、ジャガイモのスイートポテト、オレンジゼリーなど8品。旬のマダラや秋サケ、ジャガイモなどをふんだんに使った彩り豊かな料理が並んだ。

 参加者は主食、主菜、副菜がそろっているのが分かるプレートに料理を盛り付けて味わった。

 試食に先立ちセミナーがあり、成人が1日に食べる野菜の目標量(350グラム以上)を知るため、実際にレタスやジャガイモ、シイタケなどを量って確かめた。

 函館北昭和小5年の田中宏和君(11)は「バランス良くいろんな野菜を食べないと、健康に悪いと分かった。これからは嫌いな野菜も食べてみたい」と話した。

 藤谷委員長(市市場課長)は「魚、野菜離れを食い止めるため、家庭でバランスの良い食事を心掛けてほしい。セミナーや料理教室を通じ、普及に力を入れたい」と話していた。(山崎大和)



◎世界各地の異文化体験「地球まつり」にぎわう

 国際交流や国際協力への関心を高めるイベント「第9回地球まつり」(実行委主催)が2日、函館市青年センターで開かれた。市内近郊の国際交流団体や留学生らがブースを設け、世界の文化を紹介し、にぎわいを見せた。

 約20の団体が参加し、世界各地の民芸品や食品の販売、民族衣装の貸し出しなど異文化に触れるコーナーを設けた。ステージではアフリカ太鼓やバリダンスなど各国の音楽、踊りを披露。タイやロシア、フィリピン料理を味わえる食堂も人気だった。

 函館日本語教育研究会(JTS)は日本語スピーチ発表会を開き、13組が参加。母国は韓国、ベトナム、インドネシアなどさまざまで、自国の文化や生活の様子、日本での体験談を発表した。

 来場者の投票で決まる会場賞は、七飯町役場で国際交流員として働くベンジャミン・ヘイドックさん(24)=アメリカ=が受賞。自宅に帰るために誤って江差線に乗車し、心細い思いをした体験を流ちょうな函館弁≠煬えて紹介。地域の人たちとの温かいつながりが大都会では味わえない魅力だとした。

 ヘイドックさんは「時間の制限が厳しかったけれど、会場の人たちが笑ってくれたので気持ちが楽になった。日本語がうまくなったのはJTSの先生たちのおかげ」と話していた。(今井正一)


◎新鮮な農畜産物ずらり ななえあかまつ公園市場

 【七飯】町の基幹産業である農業をPRする卸売イベント「ななえあかまつ公園市場」(実行委主催)が2日、あかまつ公園駐車場で開かれた。会場は野菜や果物を買い求める来場客でにぎわいを見せた。

 同市場は昨年で終了した農畜産物の卸売イベント「グリーンフェスタ」に代わる催しとして企画。8月から毎月第1土曜日に行われ、今回で今年最後の開催を迎えた。

 この日は約10軒の農家が出店。トラックの荷台などで取れたてのリンゴやブロッコリー、花を販売した。会場では出店した農家が生産した野菜を使った豚汁が振る舞われ、来場客の体を温めていた。

 小松平農園の小松平力雄さんは「直接販売する機会は少ないので、イベントを通じて多くの人に周知できたと思う」と笑顔。町商工観光課の田中正彦課長は「農家からの要望があれば、来年も開催したい」と話していた。(柏渕祐二)