2013年11月4日 (月) 掲載

◎ノース技研のサプリが道新製品開発賞

 函館市のノース技研(布村重樹社長)が商品化した健康食品「フコキサンチン1000」が、本年度の北海道新技術・新製品開発賞(道主催)の食品部門優秀賞に輝いた。未利用海藻の体にいい成分を利用したサプリメントで、同社は今後も地域の資源を生かした商品開発を進め、販路拡大や地域のPRを進める。

 函館の沿岸に繁茂している海藻アカモクに含まれるフコキサンチンに着目。フコキサンチンの肥満や糖尿の抑制作用などを解明した北大大学院水産科学研究院の宮下和夫教授らの研究成果を生かし、サプリメントを商品化した。  このほどシンガポールで開かれた日本食品の見本市にも出展し、バイヤーのほか、現地市民から「どこに行けば売っているか」など関心が寄せられたという。

 布村社長によると、フコキサンチンは分解されやすいため、サプリに含めた際の品質保持が難しい。通常のサプリは賞味期限が2年ほどだが、同社の商品は1年間とし、今後の研究開発で伸ばしたい考え。7月末から販売を開始し、リピーターも出ているという。

 商品開発は、道立工業技術センターが中核となった産学官連携事業「函館マリンバイオクラスター」の一環で、商品パッケージやデザインは公立はこだて未来大の柳英克教授が担当。布村社長は「マリンバイオのチーム全体でいただいた賞」と語る。

 1瓶30粒、おおむね1カ月分が入って定価5800円。受賞キャンペーンとして、11月末まで送料・代引き手数料込み3900円、函館市松風町19のがごめ昆布ねばねば本舗では3500円で販売している。  問い合わせはノース技研(TEL0138・21・1222)、電子メールmail@f1000.info (高柳 謙)



◎函館ゾンタクラブ40周年記念式典

 管理職や専門職の女性でつくる国際的奉仕団体、函館ゾンタクラブ(小林八重子会長)の創立40周年記念式典が3日、ホテル函館ロイヤル(大森町)で開かれ、会員が節目を祝いながら一層の発展を誓った。記念事業として、台湾のクラブ、高雄育萱社(温美紅(メイ・ウエン)会長)と姉妹提携の調印式をし、友好関係を築いた。

 同クラブは1974年1月、国内で9番目に誕生。国際ゾンタの理念としている女性の地位向上を目指し、道南地域や国内外で奉仕事業を続けてきた。会員は20人。

 式典には、他クラブの会員や来賓ら約120人が出席。小林会長が「初心に帰り、会員一同一致団結し、さらなる50周年を目指す。地域に根差した奉仕団体として愛されるゾンタ、信頼されるゾンタとしてしっかり活動することを誓う」と式辞を述べた。

 函館市の工藤寿樹市長、渡島総合振興局の中西猛雄局長、国際ゾンタ26地区の三宅定子ガバナーがそれぞれ祝辞を述べた。  姉妹提携の調印式では、小小林会長と温会長が締結書に署名し、握手を交わした。

 式典ではこのほか、9月に開催した40周年記念チャリティーコンサートの益金を、国際ゾンタ財団や市中央図書館などに寄付。創立時、在籍20年以上の会員を表彰した。(鈴木 潤)



◎函館市の潮流発電調査、最大流速 国の基準上回る

 函館市は今年7〜9月に汐首岬沖合で実施した、潮流発電の基礎調査結果をまとめた。最大流速は毎秒約2bで、国の公募基準(毎秒1・5b)を上回った。市は秋と冬にも調査を行い、道が今春に行った調査結果を踏まえて、潮流発電の可能性を探っていく方針だ。

 調査は函館高専に委託して7月31日から9月4日に行い、汐首岬から約800bの沖合、水深約26bの地点に流速計を設置。1時間に20分間隔で上向きに超音波を発し、海中の浮遊物から跳ね返った音波をもとに、大きく3層に分けて津軽海峡の流速や潮の流れを調べた。平均流速は毎秒0・48〜0・67bだった。

 政府は海洋再生可能エネルギーの開発に向け、大規模な実証実験海域の整備に取り組む方針を示しており、参加する自治体を公募している。市は本年度予算に300万円を計上し、今回のほか秋季(10月19日〜11月20日)冬季(12月中旬〜来年1月中旬)の計3回計測し、道の調査と合わせて四季のデータを取る。

 国の公募の締め切りは来年2月末で、@2平方`b以上の広さの海域が利用可能A10年以上の海域専用が可能B漁業者と利害関係者の了解が得られているC利用者を複数以上確保する—ことなどを条件としている。道が今年3月に同じ場所で行った調査での最大流速は毎秒1・2bで、国の公募基準を下回っていた。

 市企画部は「今回のデータはほぼ想定通りだった」との認識を示すとともに「漁業者と強調し、思いを共有する形をつくりたい。国の実証実験への公募も検討しながら、さまざまな可能性を探りたい」としている。(千葉卓陽)


◎灯台記念日クルージング

 灯台記念日クルージング(函館海上保安部主催)が3日、函館港内と函館港湾合同庁舎内で開かれた。応募で当選した参加者は巡視艇すずらん(26d、荒谷尚利船長)に乗り、洋上から灯台見学や灯台の歴史について学んだ。

 灯台記念日(11月1日)は、1868(明治元)年に日本で最初に西洋技術を用いた神奈川県横須賀市観音埼灯台の起工日を記念し、1949年に海上保安庁が制定。今年で145周年を記念し、函館海保が企画した。約55人が参加し、午前と午後の2回4グループに分かれて実施した。

 クルージングは約45分。参加者は巡視艇に乗り、心地良い海風を浴びながら灯台や海上にある灯浮標を興味深く見学。さらに明治時代の面影を残す石垣の入舟漁港なども見て回った。

 庁舎内では同海保の小林貢次長による「灯台、いま、むかしpart2 灯台記念日によせて」と題した講演が行われた。道南の灯台数は道内の約3割を占めることや、歴史にも触れて参加者を楽しませた。このほか、函館港内の海図、日本近海の3D海底地形図を展示。小林次長は「灯台の役割や海上保安業務について知ってもらういい機会になった。灯台に興味を持ってもらうことを願っている」と話していた。

 孫と一緒に参加した函館市花園町の山本裕一さん(59)は「巡視艇に乗り、海上から灯台を見ることができて最高だった。孫とも良い思い出をつくれた」と満喫した様子だった。