2013年11月5日 (火) 掲載

◎七飯の食や特産 まずは地元から 新幹線開業見据えイベント

 【七飯】2016年3月の北海道新幹線新函館(仮称)開業をにらみ、町の食や特産品を発信するイベント「ななえ町オール物産グルメフェア」が4日、町文化センターで開かれた。町内外から約2500人が訪れ、町内事業者の自慢の品を買い求めた。

 七飯町商工会(川又修治会長)の主催。イベントを通して新幹線時代の土産品として売り込んでいくのはもちろん、まずは地元住民に味を知ってもらおうと開いている。今回で3回目。町内の飲食店や農家、菓子店など26店が参加した。

 町鶴野の福田農園は、肉の厚さと大きなサイズが特徴の「王様しいたけ」を地域還元価格で提供し、ブースに長い列ができた。ほかにもアップルパイや新鮮な野菜、漬物などが並び、人気を集めた。

 この日は5店の新メニュー発表会もあり、アイデアあふれる新商品をお披露目した。土産品の企画・販売をする「たかせ」は地元産のリンゴ、ワイン、切り干し大根などを使って開発した「ななえ漬」をアピールした。会場を訪れた鳴川の主婦、山本知子さん(76)は「地元の味はおいしいので、毎回楽しみに買い物に来ている」と笑顔だった。(松宮一郎)



◎69歳の榊さん、中国出身の林さん、函館調理師養成専門学校に入学

 函館調理師養成専門学校(能戸秀康校長)に、若者たちに交じって食のプロを目指す女性が2人いる。10月入学生の榊弘子さん(69)と、昨年10月に入学した林麗珠(リンリーズ)さん(38)。榊さんは同校最高齢で、林さんは中国出身で2人の子を持つ母だ。夜間部で学びながら、夢に向かって頑張っている。

 「先生、これはどう切ったらいいのですか」。1日夜、同校で開かれた和食実習に、榊さんと林さんの姿があった。メニューはかき揚げ、茶わん蒸し、みそ汁。3品を手際よく調理していく表情は真剣そのものだ。試食では学生と講師が1つのテーブルを囲み、出来を確かめ合った。

 夜間部は1年半在籍し、調理師免許のほか、調理や宴席を調整する「キュイジーヌ&バンケットコーディネーター」(3級)=申請制=が取得できる。現在6人が学んでいる。

 榊さんの本業はメガネのサカキ専務。昼間は富岡店で働きながら夜間部に通う。「料理の基本を覚え、ちゃんとした料理を作れるようになりたい」と一念発起して入学した。親子ほど年の離れた学生とも会話し、青春時代に戻ったようで心地よい。

 夫清市さんが代表理事を務めるNPO法人が飲食店を経営していることもあり「お手伝いできるようになれば、うれしい」と夢を描いている。

 中国福建省出身の林さんは日本人と結婚し、6歳女児と3歳男児の子育て中。「文化の違いに対応できる仕事がしたい」と同校の門をくぐった。日本語での会話や読み書きに不自由はなく、「みんなと一緒に料理を作るのが楽しい。すごく親切な人ばかり」と学生生活にすっかり慣れた。

 日本料理を学びながら、その奥深さに感心するという。調理師として働くことを夢見て、一意専心に努めている。

 同校は「2人とも学習態度がしっかりしており、意欲も高い」と模範学生として期待する。(山崎大和)



◎合併建設計画 5年延長へ 函館市方針 合併特例債延長で

 函館市は、旧渡島東部4町村との合併に伴って策定した合併建設計画(2004〜14年度)を5年間延長する方針を決め、旧4町村地区の地域審議会に計画変更を諮問した。事業の財源となる合併特例債の発行期限が5年間延長されたことを踏まえての措置で、今後19年度までの財政計画をまとめる方針。

 建設計画は04年12月の市と旧4町村との合併に伴って策定し、05〜14年度までの10年間の地域別事業計画の総額は概算で2921億3000万円。

 旧函館市域も含めた計画としてハード、ソフトの両面で幅広く事業が盛り込まれており、計画総額に対する昨年度までの実績額は1682億円。旧4町村ではこれまで、恵山コミュニティセンターの新築や消防庁舎の建設などに取り組んでおり、総額に対する割合は8年間で57・6%。財政状況の変化で中止や未着手となった事業もあり、市は「事業費総額との単純比較はできない」(企画部)と説明する。

 計画変更は11年の法改正で、合併特例債の発行期限が19年度まで5年間延長されたことに伴う。特例債は事業の95%に充当でき、その70%が国から交付税として措置されるため、市は有利な起債を活用して計画を着実に進めたい方針。期間延長後も計画そのものに大きな変更点はない。

 市は来年3月に計画変更案を地域審議会に提出、同4月末までに審議会から答申を受けた後に道と事前協議を行い、同9月に市議会の議決を得たい考え。

 計画延長に伴い、今後5年間では市内公共施設の統廃合に伴う「市民プラザ」や、戸井西部地区の拠点施設となる「戸井西部総合センター」の建設財源として、合併特例債を活用することが想定される。(千葉卓陽)


◎日吉が丘小金管バンド 全国優秀賞

 函館日吉が丘小の金管バンド(天野創太部長、部員46人)が4日、文京シビックホール(東京)で開かれた「第19回日本管楽合奏コンテスト全国大会」(日本音楽教育文化振興会主催)で優秀賞の成績を収めた。

 同バンドは古川典之教諭(40)の指導のもと、2〜6年の46人で構成。今年は予選審査会に全道吹奏楽コンクールに出場した際の音源を提出。見事3年連続となる最優秀賞を獲得し、全国大会出場を決めた。

 4日の小学校部門には全国から35校が出場。同小は3〜6年の31人が「偉大なるホーコン王の物語」を演奏した。古川教諭は「目標の最優秀賞に届かなかったが、力を発揮できたと思う。緊張があった中で素晴らしい演奏。良い経験になった」と話した。同バンドは5日に函館に戻る。