2013年11月6日 (水) 掲載

◎イカを瞬時に活締め フジワラが商品化

 北斗市の釣り漁具製造業「フジワラ」(藤原鉄弥社長)が商品化したイカの活締め器具「イカ活チャ器」が、道の新技術・新製品開発賞のものづくり部門で特別賞を受けた。イカの神経を瞬時に締め、鮮度とうまみを長時間保つため、イカの付加価値向上や価格の上昇につながっている。

 北大大学院水産科学研究院の桜井泰憲教授(海洋生態学)の研究成果を活用し、道立工業技術センターと共同で商品化した。

 長さ23センチほどの器具をイカの頭の上から胴体内に差し込み、背中側にある神経を剥がす方法で活締めする。桜井教授によると、スルメイカは4〜6度で保存した場合で15時間程度、ヤリイカであればさらに長時間にわたり、鮮度やうまみを維持できるという。「道南のある漁協ではヤリイカの買い取り価格が2倍になった。函館市内の市場でも『朝とったスルメイカが夕方でも同じ鮮度と味』との評価が出ている」と同教授。

 漁業用の重り製造などで実績を持つ同社が、昨年10月に商品化。「湯の川温泉の夕食に朝どりイカと同じものを並べることができるのではないか。イカの付加価値を向上させ、漁業の就業人口を増やすことにも貢献したい」と藤原社長は語る。

 今年の春先までに年間販売目標の1万個が売れた。8割がレジャー関係といい、道経済部は「イカ漁業からレジャーのイカ釣りまで、多くの市場が見込まれる」と評価する。

 解凍後のイカも器具を胴体に入れると簡単にゴロ(内臓)を抜くことができるため、藤原社長は家庭用の需要も見込む。受賞の報に「皆さんの力で商品化ができた。一層の販路拡大に努めたい」と語る。

 1個800円で、釣具店などで販売。問い合わせはフジワラ(電話0138・48・7788)まで。(高柳 謙)



◎イカール星人画像 一部を無償化「全国に函館PR」

 函館市本通の企画会社「シンプルウェイ」(阪口あき子社長)は、同社のキャラクター「イカール星人」の画像を企業が商品化で使用する際、一部を無償化する。新幹線やヒグマなどをあしらったデザイン8種類を用意し、14日に市内で説明会を開く。

 イカール星人は2008年に同社などが開発。イカをモデルにした宇宙人で、インターネットで反響を呼び、現在は関連グッズが約60種類販売されている。

 これまで企業が画像を使う際は、価格の数%を使用料として払う必要があった。無料画像を提供することで、イカール星人のさらなる露出を増やし、函館をPRしていく考えだ。

 阪口社長は「北海道新幹線開業に向けて函館のキャラクターを全国に広めていきたい」と話す。

 画像は8種類に限り、使用する際は画像サイズなど一定の条件がある。説明会は函館市地域交流まちづくりセンターで、午前10時半と午後1時半の2回開かれる。申し込みは同社(電話0138・86・7601)へ。(平尾美陽子)



◎七飯の「王様」 干しシイタケで販売 福田農園

 【七飯】肉厚でサイズの大きさが特徴の「王様しいたけ」を生産する七飯町鶴野の福田農園(福田将仁社長)は、干しシイタケ「干しの王様しいたけ」を開発した。独自の乾燥方法でうま味成分が凝縮した製品に仕上げた。JR札幌駅構内の道産品アンテナショップ「北海道どさんこプラザ」で6日から、函館市内でも月内に販売を開始する。新幹線開業を見据え、町の特産品として売り込んでいく考えだ。

 同社のシイタケは渡島総合振興局の食のブランド化事業のもと、「王様しいたけ」のネーミングで知名度と人気を高めた。味も高く評価され、札幌や首都圏の百貨店、有名レストランからの引き合いが多くある。さらに付加価値を高めようと、昨年8月から干しシイタケの開発を行ってきた。開発から製造、販売まで担うことから、国の6次産業化の認定も受けている。

 研究開発には道立工業技術センター(函館市桔梗町)が協力。シイタケに含まれる水分の状態を詳しく調査し、素材の良さやうま味を最大限に引き出す乾燥方法を1年がかりで探ってきた。「乾燥させることで500グラムの生シイタケは、10分の1に50グラムに。うま味は10倍にすることができた」と福田社長は胸を張る。

 検査では従来の原木シイタケの乾燥品に比べ、塩(えん)味とうま味が多く、苦味と渋味が少ないことも分かった。福田社長は「甘く、すっきりとしているが濃厚な味わいが特徴。生シイタケとはまるで違う食感も楽しめる」とアピールする。ほかに粉末状の製品もある。

 どさんこプラザで干しシイタケは50グラム1600円で販売。札幌、函館市内の百貨店、JR函館駅構内の道南産品アンテナショップ「フードカン」でも取り扱うが、規格によって価格は異なる。同社の直売所では700円で販売する。(松宮一郎)


◎海外留学 情報教えます 10日にHIFがフェア

 北海道国際交流センター(HIF)は10日午後1時から、函館市大手町の函館国際ホテルで、海外留学やインターンシップについて気軽に学ぶことができるイベント「函館からLet’s Go 海外フェア」を開く。

 午後1時半からは留学情報誌の企画制作などを手がけるトゥモローの天野智之さんを講師に招き、海外渡航をテーマにした講演を開催。天野さんはニュージーランドの高校や米国・カリフォルニア州立大学に留学した経験を生かし、帰国後に会社員を経て起業。現在は海外留学情報誌「あの国でこれがやりたい!」を制作している。講演では高校・大学時代の経験や、海外から見た日本の教育について語る。

 同2時40分からは函館からワーキングホリデーや海外ボランティア、海外研修に参加した人たちをゲストに迎え、それぞれの体験談を聞くことができるセミナーを開く。来場者からの質問を受け付けるコーナーも用意する。

 また、会場には個別ブースが設置され、渡航したい国別の相談なども受け付けるほか、アメリカ人講師による英会話講座も開催する。同センターは「函館ではなかなか聞けない貴重な講演ばかり。学生だけでなく、ご両親や学校の先生にとっても有意義なイベントなので、ぜひ来場してほしい」としている。

 当日参加も可能だが、同センターは事前申し込みを受け付けており、予約して来場した先着100人にはオンライン英会話の1カ月無料チケットが当たる特典がある。問い合わせは同センター内GCサポート函館(電話0138・22・0770)まで。(森裕次郎)