2013年11月7日 (木) 掲載

◎ナガイモの秋掘り本格化

 【北斗】北斗市向野の谷観光農場(谷文貴代表)の畑でナガイモの秋掘りが本格化し、手作業によって土の中から顔を出している。甘みと粘りが強く、直売などで人気がある。

 1・5ヘクタールに作付けする谷さん方では6日、家族4人で作業。ナガイモの横を深く掘り、肌を傷つけないように手で丁寧に掘り出していった。今年は多雨の影響でひび割れが多く、製品化率が低いという。

 秋掘りは今月20日ごろまで行い、土中に残した分は来年4月の雪解け後に春掘り。谷さん(38)は「粘土質の畑で苦労して育った分、甘みと粘りが抜群。ぜひ食べてほしい」とPR。自宅敷地内で直売(発送可)するほか、函館市内のスーパーなどで販売される。

 大野地区はかつて、道内を代表するナガイモ産地だったが、高齢化などの理由で作付けが減少。現在、同地区で大規模に作付けするのは谷さんだけだという。(山崎大和)



◎「五稜星の夢」再開へ

 冬季の電力不足を懸念して昨年中止となった、国の特別史跡・五稜郭跡の星形をイルミネーションで彩る「五稜星の夢(ほしのゆめ)」(実行委主催)が12月1日〜来年2月28日に開催されることが決まった。冬の函館観光の目玉として、市民や観光客の声に応えて2年ぶりに再開する。

 はこだてクリスマスファンタジー(12月1日から)と並ぶ冬の風物詩で、堀の内周約1・8キロに約2000個の電球を取り付け、夜のまちに大きな星を浮かび上がらせるイベント。

 1989年から始まり、毎年、多くの観光客や市民が訪れ、雪が積もる地面や凍結した堀に明かりが反射する幻想的な風景を楽しむ。

 今冬は、政府が道内に2010年比6%節電を要請し、節電対策が求められており、イベントでは堀以外のライトアップの自粛や、点灯時間を例年より1時間繰り上げて午後5時〜同9時とする。例年より消費電力を10%削減できると見込んでいる。

 宮下俊雄実行委員長(69)は「昨年は節電を考えて中止にしたが、『今年はやってほしい』という声が多かった。観光客や市民に冬の五稜郭を楽しんでもらいたい」と話す。「ボランティアの力を借りて、冬の函館を盛り上げていきたい」と協力を呼び掛けている。1口500円で募金も募っている。問い合わせは事務局(TEL0138・40・8009)へ。(虎谷綾子)



◎函館でも葬儀の簡素化進む

 都市部を中心に進んでいる葬儀の簡素化や少人数化が、函館市内でも表れている。新聞などに告知せず身内だけで済ませる家族葬や密葬、葬式をしないで火葬をする直葬など、多様な形態があり、小規模な葬儀に対応したホールのオープンや改築も進んでいる。

 市内の葬祭場によると、家族葬の明確な定義はないが、多くて50人、おおむね30人以下、参列者は故人のきょうだいから孫が範囲のようだ。これにごく親しい知人が加わる場合もある。少人数化は年々進み、市内の小〜中規模な葬祭場では全体の7〜8割が家族葬や密葬、直葬との声が多い。

 簡素化が進む背景として▽経済的理由▽故人の希望▽宗教儀礼に対する意識の変化▽人間関係の希薄化▽互いの負担になることを避けたい|などさまざま。

 市内でも地域によって違いがある。青雲葬祭は、拠点を置く恵山地区では寺院や地域会館で100人規模の葬儀が依然多いが、旧市内では30人ほどの家族葬が多いという。同社は昨年7月、戸倉町160に「ファミリーホール戸倉」をオープン。「家族葬だけで半分以上、これに直葬が加わる。通常の葬儀でも弔電が減るなど、簡素化が進んでいる」と野呂昌人社長(48)は語る。

 小田桐葬儀社も一昨年12月、若松町23に家族向け小規模ホール「セレモニーハウス桐花」をオープンさせた。東京や札幌などで進む簡素化の流れは函館でもここ数年で顕著といい、時代のニーズをみての整備。

 小田桐弘晃社長(41)は「家族葬は親族だけで気兼ねなく行えるのがメリット。ただ、親しい人が『なぜ知らせてくれなかったのか』と後日訪れ、かえって気を使うケースもある。そうしたこともお伝えし、希望に沿った葬儀を提案している」と語る。

 赤坂葬祭も今年3月、田家町5の赤坂中央斎場に小規模な家族ホールを改装整備した。赤坂成二社長(62)は「函館は喪主を務める息子さんが本州や市外に出ている場合が多く、時間的に余裕がなく、早く簡素に済ませたいという声も多い」と説明し、「こうした流れは景気が回復しても続くのではないか」とみる。

 葬儀の簡素化について市内のある住職は「仏さまやお骨を粗末に扱うことをしない限り、私どもはこうしなさいとは言えない。故人と別れる際の心の持ち方を私たちがどう伝えるかが、今まで以上に重要視されてきているのではないか」と話している。(高柳 謙)


◎渡島合同庁舎で松前物産フェア

 松前町の特産品を即売する「松前物産フェアin渡島合同庁舎」が6日、同庁舎(函館市美原)で開かれ、買い物客でにぎわった。

 渡島総合振興局の赤レンガチャレンジ事業(渡島の食品魅力発信事業)の一環で、同町物産協会とともに毎年この時期に開催している即売会。水産加工業者や菓子店6社が出店した。

 会場には特産の松前漬けや本マグロ柵、ホッケのすり身、天然ワカメなどの水産加工品やアワビ最中など菓子類が並び、同局の職員や来庁者が買い求めた。同町のゆるキャラ、大漁くんも登場し、PRに一役。

 「あん入りべこ餅」や「お城最中」など販売した御菓子処北洋堂の木田一専務(62)は「町の特産品を少しでも知ってもらい、サクラの季節にはぜひ松前に来てほしい」と話していた。(鈴木 潤)