2013年12月1日 (日) 掲載

◎スイーツ電車 市電でケーキ堪能

 函館市電に乗って函館スイーツの魅力を楽しむイベント「函館スイーツ電車」(エイチエスケー主催)が11月30日、行われた。市民ら20人が乗り込み、市内近郊の洋菓子店10店のケーキを用意。大人も子どももおいしい笑顔がはじけた。

 函館市の函館スイーツ商品力向上・販路拡大事業の一環。開港以来、発展してきた菓子文化と市電の歴史を重ね合わせて初めて企画した。同社の佐々木博史社長は「函館スイーツの魅力を知ってもらい、口コミでおいしさを広めてもらいたい」と話す。

 貸し切り電車は谷地頭電停を目指して駒場車庫を出発。ケーキは1人4品までで食べることができ、彩り豊かなケーキを迷いながら選んだ。車内ではクイズ大会なども行われ、函館の街並みを楽しみながら、地元の名店の味を堪能した。

 友人らと親子で参加した浅井美喜さん(45)は「行ったことのあるお店のケーキでも、普段は自分好みのケーキを買ってしまうのでいろいろ食べることができて楽しいイベント。電車に乗る機会もないので良かった」と話した。スイーツギャラリー北じま(木古内町)の「ストロベリーショート」を選んだ、長女の鳳さん(7)は「イチゴのケーキが色もかわいくておいしかった」と喜んでいた。(今井正一)



◎ごみのない西部地域に 振興協議会が清掃活動

 函館市内の企業や町会などで組織する函館市西部地域振興協議会(二本柳慶一会長)は11月30日、西部地域で清掃活動を行った。会員や近隣町会員ら約50人が参加し、函館朝市から二十間坂までを約1時間かけて清掃した。

 同会が2011年から行う、函館西部地域の魅力と改善点を探るフォトコンテストの結果からごみ問題に関する声が多数寄せられたことを受け、初めて清掃活動を実施。活動には、12月1日から始まる函館クリスマスファンタジーの市民ボランティアも参加した。

 サンタクロースの衣装を着た市民は、ごみ袋を手に、たばこの吸い殻や紙くずなどのごみを回収。二本柳会長は「1回限りではなく、継続して清掃活動を行っていきたい」と話していた。(平尾美陽子)



◎進まぬ障害者雇用 道南3年連続減

 函館公共職業安定所がまとめた2013年の渡島、桧山管内の障害者雇用状況(6月1日現在)によると、民間企業の障害者実雇用率は1・69%で、全道平均(1・85%)と全国(1・76%)を下回った。前年より0・05ポイントの減少で、3年連続の悪化となった。法定雇用率を達成した企業の割合も全道、全国平均を下回り、障害者雇用に対する理解が進んでいない実態がうかがえる。

 今年4月の法改正で企業の法定雇用率が1・8%から2・0%に引き上げられ、民間企業の採用意欲が高まったことを背景に、実雇用率は全国、全道ともに前年比0・07ポイント上昇した。道南で対象となる50人以上の企業は前年比13・2%増の232社。法定雇用率を達成したのは96社で、41・4%にとどまった。同職安は「全国、全道の傾向とは逆に対象企業が増えたことが実雇用率悪化の要因」とみる。

 道南の実雇用率は、2003年が法定雇用率を上回る2・31%で、全国の1・48%、全道の1・67%を引き離していたが年々悪化。経済情勢の低迷や障害者の高齢化で退職者が増えたことも要因だが、同職安は「障害者にどのような仕事をまかせるべきかわからない企業や、障害者を雇用すること自体に抵抗感を感じている企業も多い」と指摘する。

 実雇用率を企業の規模別でみると、「300〜500人未満」が1・94%で最も高く、「500人以上」は1・81%。法改正で新たに加わった「50〜56人未満」は0・83%と、規模が小さくなるほど、障害者雇用への理解が進んでいない現状がみられる。同職安は「法定雇用率を達成していない企業には指導していく」としている。

 また、率先して障害者雇用に取り組まなければならない地方公共団体の法定雇用率は2・3%。6月1日現在で不足数があったのは渡島、桧山管内18市町中、森、鹿部、奥尻の3町。森、鹿部の両町は11月30日現在も改善されていない。いずれの町も「採用に向けてさまざまな努力、検討をしているところ」とした。(松宮一郎)


◎サ高住や複合型高齢者施設 開業ラッシュ 競争激化

 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や複合型高齢者施設の建設、オープンが函館市内で進んでいる。医療機関と連携し、介護度の重い利用者にも対応する施設が多く、競争が激化している。

 サ高住は、入居者の安否確認と生活相談が義務付けられた高齢者向けの賃貸住宅。ヘルパーステーションやデイサービスなどを併設した施設が多い。

 市内で介護保険施設などを運営する医療法人社団向仁会(阿部智哉理事長)は11月4日、万代町1にサ高住「福寿庵」を開所した。同法人の定期巡回・随時対応型訪問看護事業所と連携。現在、37室のうち20室ほどが入居済みで、介護が必要となる前に早めの準備として入る人が多いという。「入居者は良いペースで増えている。自立生活ができる元気な方も多い」と相談窓口の押野匡史さん。

 木材・流通大手のテーオー小笠原(小笠原康正社長)も同22日、北浜町5に「ハートToハート北浜」をオープン。サ高住60室に、24時間対応の定期巡回、医療機関と連携したショートステイ25床などで付加価値を高める。「地域の安定した企業として、本格的に福祉事業に参入した。ご家族の介護負担を軽減し、地域福祉の向上に貢献したい」と小笠原勇人副社長は語る。

 社会医療法人函館渡辺病院(三上昭廣理事長)は、来年2月下旬のオープンを目指し、湯川町2に複合型施設「ケアタウン昭里(あかり)」を整備中。サ高住「あじさい」(75室)を核に、定期巡回ステーションやデイサービス、訪問看護やヘルパーステーションなどを併設する。「医療と福祉の複合サービス提供を想定しており、医療度と介護度の重い方に対応することも可能」と浜田聡事務局長は語る。

 サ高住は賃貸住宅だが、介護が必要な入居者には別料金で介護サービスを提供するため、国土交通省と厚生労働省が所管する。函館市内には建設中も含め29施設888室がある。高齢者の住まいのひとつとして注目され、函館では特に建設ラッシュが続いている。

 福祉関係者は「入居者獲得競争が激化しており、複合型や関連施設と連携することで付加価値を高めている」と説明する。(高柳 謙、金子真人)