2013年12月13日 (金) 掲載

◎11月で150万人 昨年超え、函館空港乗降客数

 函館空港の乗降客数が11月末までで150万人を超え、昨年1年間の利用者を上回ったことが函館空港事務所のまとめで分かった。台湾からの観光客の増加やイベント効果などで国内線の利用が好調だったことが要因。174万人だった2008年以来5年ぶりに160万人台となることも確実となった。

 函館空港の乗降客数は02年の243万人をピークに年々減少。09、10年と150万人台で推移し、震災が発生した11年は139万人にまで落ち込んだ。12年は震災前の水準には届かなかったものの149万人まで持ち直した。

 今年1〜11月の乗降客数は前年同期比8・3%増の150万4629人。昨年1年間は149万2722人だったため、11月末現在で昨年を約1万2000人上回った。

 国内線は、11月までで同4・8%増の139万3378人。函館競馬のロングラン開催やGLAYの野外ライブなどのイベント効果が表れた。全日空函館支店は「夏場の好調が秋まで続いたことが大きい」とする。日本航空函館支店も「今年は東京ディズニーリゾート開業30周年でパックツアーが好調。景気回復の動きを受けて企業の団体旅行も例年以上」と手応えを語る。

 国際線は、台湾の2社が昨年秋に相次いで定期便を就航し、全体を押し上げた格好。前年同期に比べ2倍近い11万1251人を数えている。

 函館市港湾空港部は「今年はイベント効果といった例年にない要素があり、乗降客数が伸びた」と分析。「今後も利用が落ち込まないように関係団体と連携して利用促進に努めていく」としている。(松宮一郎)



◎しめ飾り作りがピーク

 函館市赤川町135の「花夢ショップオオミ」(近江ヒデ社長)で正月用のしめ飾り作りがピークを迎えている。作業場では6人のスタッフが手作業で紅白の短冊やおかめ面を取り付ける作業に追われている。

 しめ飾りの製造を始めて約50年という同店では、9月から作業を開始。青森県産のスゲを編み込み、玄関用や神棚用の大型タイプから、車や自転車、ドアに付ける小型のものまで、1日50点ほどを作る。

 「皆さんが健康な1年を過ごすことができるよう思いを込めて作っている」と話す近江社長。製造は今月20日ごろまで続き、市内のホームセンターやスーパーで販売するほか、道内各地へ出荷するという。(森裕次郎)



◎渡島管内の秋サケ漁獲量 前年比23%増

 今年の渡島管内の秋サケ漁がほぼ終わり、漁獲量は前年同期比23%増の96万匹(10日現在、速報値)となった。ここ2年の極端な不漁からは脱したが、過去10年平均の6割、同5年平均の7割程度にとどまっている。漁獲金額は同15%増の12億9617万円。

 渡島海区漁業調整委員会によると、漁獲量は噴火湾(長万部—森町砂原)が同14%増の33万匹、道南(鹿部—松前・白神岬)が同29%増の63万匹など。漁協別では管内14漁協のうち、落部、森、砂原、鹿部、松前さくらで前年を下回ったが、銭亀沢、函館市、上磯郡などで50%以上の伸びがあった。

 同委員会は「地区によってばらつきがあるが、全体的に不振だった過去2年より漁獲が伸びたところが多く、ひと安心だろう」。

 管内の秋サケ漁は9月5日に解禁。漁期は今月20日までだが、親魚を確保し、まだサケの来遊が見込めるため、上磯郡漁協など9漁協(143カ統)は5日間の延長が認められた。

 一方、桧山海区漁業調整委員会によると、管内の漁獲量(速報値)は15万7253匹で前年の約4倍。9月上旬〜10月下旬に39カ統で行い、同委員会は「前年の落ち込みが激しく、単純な比較は難しい。ただ、今年は当初の来遊予測で期待したほど漁獲が伸びなかった」と厳しく受け止める。(山崎大和)


◎観光テーマのプレゼンコン、函商の3人が最優秀

 函館商業高校(難波繁之校長、生徒587人)流通ビジネス科3年の佐々木みほさん(18)と鈴木綾華さん(18)、高橋渉さん(17)が、7日に札幌国際大で開かれた「第4回高校生によるプレゼンテーションコンテスト」(同大観光学部主催)で、最優秀賞に輝いた。函館と青森を舞台に「出会いの旅」をテーマとした旅行プランを提案した3人は「会場が大きくて緊張した。受賞はとてもうれしい」と喜びをかみしめている。

 コンテストのテーマは「高校生が創る北海道観光の未来」。プレゼンテーション能力をはじめ、道内の観光資源を有効利用していることや事業化への現実性などの観点で競う。全道から約40の応募があり、書類審査を通過した9チームがコンテストに参加した。

 3人は「絆」を主軸に据え、素敵な出会いや体験型観光などをコンセプトに採用。「函館・青森スイーツロード紀行」と題し、1泊2日の旅行を企画した。

 プランでは函館市内の洋菓子店をまわった後、JRを利用して青森へ移動し、リンゴやカシスを栽培する農家に民泊。翌日は収穫体験やスイーツ作り教室、交流会の後、函館へ戻って函館山山頂のレストランで夜景を眺めながらパーティーを開く。

 コンテストでは、原稿を読み上げるチームが多い中、提案者役の佐々木さんと鈴木さんが原稿を全て暗記。「すごく緊張したが、伝えることを意識して話した」(佐々木さん)と6分の制限時間内で練習成果を発揮。スクリーンに投影する動画や画像を操作した高橋さんは「2人の話すスピードに合わせたパソコンの操作を心がけた」と細かい気配りでチームを支えた。鈴木さんは「授業で学んできたことや今回の経験を生かし、就職先でも頑張りたい」と意気込んでいる。(森裕次郎)