2013年12月17日 (火) 掲載

◎寒締めベビーリーフ 研究2年目に着手…道南農試

 【北斗】冬の寒さを利用したベビーリーフの寒締め栽培技術を開発するため、道総研道南農試(北斗市本町)が2年目の研究に着手した。寒締め処理によって糖度が増し食味が良くなることが分かっており、安定生産に向けた技術を実証する狙い。新たに、消費量が多いリーフレタスと小松菜の寒締め栽培にも挑んでいる。

 試験では、ハウス1棟(100平方b)でべビーリーフ22品目を栽培。今年は草丈10〜15aと十分な大きさに育ってから寒さにさらすため、種まき時期を昨年より10〜20日前進。10月中、下旬の2回に分けて種をまき、今月上旬から低温に当て、来年2月末まで収穫予定。低温条件は5度以下とする。

 糖度、ビタミンCのほか、硝酸イオン濃度の品質変化について調査する。改行 別のハウス1棟(200平方b)では、10月上旬にリーフレタスの定植と小松菜の種まきも。メジャーな野菜でも寒締め処理が有効かどうかを確かめる。

 同農試によると、昨冬、視察に訪れた釧路管内白糠町の農業生産法人が今冬から、ベビーリーフ寒締め栽培に取り組む。道内の民間事業者では初の試みで「ほかにも相談があれば応じたい」(同農試)という。

 1年目の成果では、ハウス内での凍害はほとんどなかった。また、室内試験より低温条件下(ハウス)での栽培でビタミンCと甘みが高くなり、硝酸イオン濃度は半減。食味評価も良い結果が得られた。改行 高濱雅幹研究主任は「冬に作る野菜の品目を増やしたい。冬季は生鮮野菜が高騰するので、道産野菜を安定供給するメリットが大きい」と話す。

 少雪の道南では、周年被覆ハウスを生かし、冬に野菜を出荷できれば飲食店などで需要が期待できる。(山崎大和)

 美深町では、産業としてチョウザメの養殖が定着している。矢辺さんは「魚しょうゆを製品化し、町の特産の一つとして売り出せればうれしい」と話している。(山崎大和)



◎福島から来年の福…鳴海さんがコンブ、スルメ、黒米で正月飾り

 【福島】福島町特産のコンブを使って工芸品づくりをする町日向の鳴海健児さん(74)が、今年も特製の正月飾りを制作した。コンブやスルメ、黒米といった福島町の特産品を使った縁起物で、鳴海さんは「福島の特産品を多くの人に知ってもらいたい」と話している。

 鳴海さんはコンブを使って新幹線の模型などさまざまなものを作り、町のPRに一役買っている。正月飾りの制作は6年前に始めた。「1年間お世話になった人のため」と鳴海さん。

 秋から材料を集め、11月から作業にとりかかった。今年は大小合わせて約200個を制作。一つ作るのに1時間ほどかかり、1カ月かけてすべてを仕上げた。

 大きいものは縦1b、横40a。中央にコンブとスルメを配置。その両側に脱穀していない黒米を飾った。福島大神宮でおはらいを受けた札を付けて完成させた。

 近所や知人らに配ったほか、町役場や渡島総合振興局、JR函館駅にも届けるという。「みなさんが良い年を迎えられますようにと、願いをながら作った」と笑顔で話していた。(松宮一郎)



◎函館と北斗 初協議…駅名問題で経緯説明

 2016年3月開業に向けて北斗市に建設中の北海道新幹線新駅の駅名をめぐる問題で、函館市と北斗市による初協議が16日、函館市内のホテルで開かれた。両市長と両市議会の正副議長計6人が出席し、非公開で行われた。両市がそれぞれ主張する駅名への思いや議会決議に至った経緯を説明し、来年1月に2回目の会合を持つことを確認。両市長は「互いの考えを聞き、有意義だった」と述べ、会場を後にした。

 出席者は函館市の工藤寿樹市長、松尾正寿議長、斉藤佐知子副議長、北斗市の高谷寿峰市長、池田達雄議長、野呂義夫副議長。

 新駅の名称はこれまで、函館側が「新函館」、北斗側が「北斗函館」を決議し、JR北海道への要望を行っている。両市長とも互いの議会に歩調を合わせている。初協議は工藤市長が11月、北斗市側に呼び掛けて実現した。

 約1時間20分の協議では函館側から、長年の新幹線誘致活動の経過など、北斗側からは新駅建設や周辺開発に多額の負担をしていることなどの主張があったとみられる。また、道が両市間の仲裁に意欲を示していることへの懸念も示されたようだ。

 終了後、工藤市長は協議の中身については一切語らず「大変有意義だった。今日で終わりということではない」とし、高谷市長は「(函館側の思いに)なるほどなというのもあった」と述べた。松尾議長は「JRが最終的に決めること。函館は函館、北斗は北斗の話をした」とし、池田議長は「互いの街が互いの都合で駅名を出しているだけで、対立しているわけではない」と良好な関係であることを強調した。(今井正一)


◎新会長に小泉氏…七飯大沼国際観光コンベンション協会

 【七飯】七飯大沼国際観光コンベンション協会は13日、南北海道大沼婦人会館で2013年度定時総会を開き、任期満了に伴う役員改選で、大沼合同遊船社長の小泉真氏(52)を会長(代表理事)に選出した。任期は2年。

 小泉氏は2012年12月から同社社長、同協議会では、2011年から副会長、総務部長を務めている。

 小泉氏は「会員間や地域住民との連携強化を図り、各イベントで少しでも関わりあえるようにしたい。北海道新幹線開業は大きなチャンスだが、道内は広く、多くの観光地がある。『大沼に来てよかった。また来たい』と言ってもらえるような“選ばれる観光地”を目指したい」と話している。

 また、役員改選に先立ち、総会では昨年度の業務や会計報告が行われたほか、事業計画案ではオフィシャルホームページの開設、会員間でのワークショップの開催などに取り組むことを決めた。 (柏渕祐二)