2013年12月21日 (土) 掲載

◎函館駅、五稜郭タワーに大型情報端末設置

 函館市は20日、観光客向けの大型情報端末「函館インフォメーション」をJR函館駅と五稜郭タワーに設置した。タッチパネル式の46インチの液晶ディスプレーを採用し、スマートフォン(多機能型携帯電話)を大きくしたイメージ。画面に触れるだけで観光やイベント案内、地図の表示などが可能で、日本語のほか、英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語にも対応した。観光客に旬の情報を提供する。

 市中心市街地活性1化基本計画の事業。本体は1台450万円、システム開発費などを含め総額約6000万円。市がプロポーザルを実施してジョルダン(東京)が事業を請け負った。

 本体にはアンドロイドOSを採用し、鮮明な液晶画面はフルハイビジョン対応で、動画や音声の再生も可能。観光情報だけではなく、天気や函館空港の運行状況などリアルタイムの情報を提供する。

 操作は簡単で、観光施設の情報画面の「ここに行く」のボタンをタッチするとがバスや市電の時刻表、現在地からのルート地図の情報を見ることができる。NFC(近距離無線通信)対応のスマートフォンにデータを記録することが可能で、観光客がまちあるきをする際にも役立ちそうだ。同社の担当者は「画面の拡大縮小もでき、分かりやすい情報をご利用いただける」としている。

 また、市内の洪水や津波ハザードマップのデータもあり、災害発生時には警報内容や避難所など必要な情報のみを表示する。市経済部中心市街地再生等担当の上戸泰雄参事は「函館山からのライブ映像やイベント情報など、来年度からの本格運用に向けて機能の充実を図りたい。市民や観光客の集まる場所に、今後も設置を進めていく」と話していた。(今井正一)



◎「子ども白書」完成…市民団体が作成 書店で販売開始

 函館の市民団体が子育てや教育などの現状、課題を明らかにした「はこだて子ども白書」が完成し、20日から市内の書店で販売が始まった。市内の子どもから保護者、教育関係者へのアンケートの集計結果などをまとめ、市民団体が作成した「子ども白書」の発刊は全国では初めての取り組み。作成委員会は「たくさんの人に読んでいただき、子どもたちのありのままの声を受け止めてもらいたい」としている。

 委員会は、子どもたちの現状を把握して共通認識を持とうと、2012年に設立。市民団体30団体が参加し、作業を進めてきた。アンケートは市内の幼稚園、保育園、小中高校の約2割に当たる34校を抽出して実施。ゲームセンターに集まり、学校に通っていない子どもたちにも聞き取りをした。

 白書にはこれらのアンケート結果を7つの章に分類して掲載。子どもへの共通設問では子どもと大人の認識の違いなどを比較し、それぞれの傾向をまとめた。

 学童保育の現状と課題、定時制・通信制高校の現状と課題など、子どもに関わる活動や取り組みについて教員や小児科医、保育士ら専門家らが寄せた寄稿60本も盛り込み、別冊でアンケート自由記述欄のコメント集を作成した。

 編集委員長の小林幹二さんは「家庭暴力や不登校や引きこもりなど、子どもの現状や課題を考えるきっかけになれば」、委員の畠山益枝さんは「子どもの声がいっぱい詰まった本。たくさんの人に手に取ってもらいたい」と話す。

 調査結果と寄稿をまとめた本編(全280n)とアンケート記述編(全190n)の2冊組で1500円。市内の各書店で販売されている。問い合わせは事務局(電話090・6267・7949)へ。(平尾美陽子)



◎大妻高 新しい本校舎が完成

 函館大妻高(池田延己校長、生徒435人)の新しい本校舎が完成し、20日、生徒にお披露目された。今年迎えた創立90周年記念事業の一環として建設され、来年1月15日の始業式から使う。新校舎で、より快適な学習環境を提供できる。

 学校法人函館大妻学園(西野鷹志理事長)が今年5月に着工、20日に引き渡された。旧校舎は取り壊した。新校舎は鉄筋コンクリート造一部3階建て延べ2141平方b。床材に木目調フローリングを採用しており、吹き抜けと天窓から差し込む光が明るい雰囲気を演出している。

 1階は生徒玄関や初代校長・外山ハツ氏の展示コーナー、3年生の教室が5つある。2階には保健室、相談室、調理実習室のほか、2年生の教室が5つ。3階は1年生の教室5つのみとなっている。学校では珍しいシャワートイレ、ストレッチャーを収容できるエレベーターも整備した。

 教室などを見て回った生徒からは、一様に感嘆の声が上がった。家政科1年の藤井瑠菜さん(15)は「床がすごくきれいで、居心地が良い。勉強に集中できそう」と声を弾ませた。

 本校舎に隣接する西校舎も、年明けから改修工事に入り、4月から本格使用する。総事業費は7億5000万円。

 また、2023年の創立100周年に向け、別に家庭科と保育の実習室もそれぞれ新設する。池田校長は「新校舎でも専門的な技術を身に付け、社会に役立つ人材を育てたい」と話す。(山崎大和)


◎Xマス彩るポインセチア

 【北斗】大野農業高(広海拓校長、生徒320人)は20日、大農ショップ鹿島屋で販売会を開き、生徒たちが丹精込めて育てたポインセチアなどを求める大勢の客でにぎわった。

 年末の恒例行事。農業、園芸、食品科学、生活科学の4科の生徒が1年かけて実習で育てた。ポインセチアのほか、シクラメン、門松も開始早々に売り切れた。野菜やリンゴ、クルミ、豆類も人気。今年初めて用意したクリスマス、正月向けの福袋もお客を喜ばせた。

 生徒約10人が対面販売し、園芸科3年の玉井楓香さん(17)は「私たちが作った野菜や花を多くの人に知ってほしい。クリスマスや正月にもぴったりです」と笑顔を見せていた。(山崎大和)