2013年12月22日 (日) 掲載

◎赤レンガ周辺の観光案内、函館市が金森倉庫に臨時窓口

 

 函館市は21日、金森赤レンガ倉庫内に臨時の観光案内所「まちあるき観光窓口」を設置した。クリスマスファンタジー見学でにぎわう会場周辺で、函館まちあるきネットワークのメンバーがガイドを担当。パンフレットを求める観光客にも好評だ。

 冬場に観光窓口を設置するのは初めてで、23日までの3日間限定で開設。同ネットのボランティアガイドが日本最古のコンクリート電柱や、倉庫群、明治館の歴史など、ベイエリア周辺の見どころをダイジェストで紹介する20分程度のミニガイドツアーを実施している。

 同ネット代表幹事で「函館一會の会」会長の佐藤喜久恵さんは、野口雨情作詞の童謡「赤い靴」のきみちゃんと函館の深いかかわりや、周辺の敷石にハートの形があることなど、まちあるきの楽しさを紹介した。

 参加した東京都内から友人4人で観光に訪れている佐藤久美子さん(60)は「自分たちで歩いても景色を見るだけで終わってしまいますが、解説があると知らないことだらけで、楽しさが全然違いますね」と話していた。

 同ネットの事務局は「赤レンガ周辺だけでも見どころがたくさんある。観光客の皆さんには地元の人との触れ合いを楽しんでほしい」と話している。受け付け窓口は金森洋物館内で、開設時間は午後2〜5時。(今井正一) 



◎菜種油の明かり優しく、菜の花キャンドルナイト

 菜の花から採取した油で明かりをともす「2013はこだて菜の花灯明(キャンドル)ナイト」が21日、箱館高田屋嘉兵衛資料館(末広町)で開かれた。はこだてクリスマスファンタジーに向かう観光客らが足を止め、温かみのある明かりを楽しんでいた。

 嘉兵衛の愛した菜の花を使い、環境学習やまちづくりを進める「はこだて菜の花プロジェクト」(石塚大代表)の主催。中野町の畑で栽培した菜の花を使い、今年で9回目。

 輪切りにした竹の中で揺れる明かりが周囲を染め、優しい光景が広がった。偶然訪れた人見町の有水正英さん(73)は「自然の明かりはいい。原子力などは極力使わず、自然エネルギーの拡大を考える機会になるのでは」と話していた。

 資料館ではクリスマススペシャルライブも行われ、函館を拠点に活動するアスタリスクが出演。ポップスなどを奏で、来場者を楽しませた。石塚代表(47)と実行委の金子岳夫さん(47)は「エネルギーをつくることがいかに貴重で大切なことか、一連のプロジェクトを通して多くの人たちに伝えていきたい」と話していた。(高柳 謙)



◎3連休スタート、クリスマス商戦も熱く

 今年最後の3連休が始まった21日、函館市の金森赤レンガ倉庫群は観光客やクリスマスプレゼントを買い求める家族連れらでにぎわった。各店ははこだてクリスマスファンタジーの集客効果に期待し、熱い商戦を繰り広げた。

 金森洋物館内の雑貨店「キッズアンドベビーABC」では、クリスマスプレゼントに木のおもちゃが人気。木馬や積み木、押し車などをそろえ、孫にプレゼントする祖父母が多いという。「売れ筋は3000円台から1万円以上と幅があり、初孫にはお金をかける傾向があります」という。

 BAYはこだての雑貨店「ジョイフルはこだて」では、音の出る猫のぬいぐるみが売れている。歌って回るタイプと、人の声を反復するタイプがあり、価格も1000〜2000円台と手ごろ。「お孫さんへのクリスマスプレゼントに買い求めていかれます」という。水の中に入れると大きくなる半透明のクリスタルボールも子どもたちに人気だ。

 同館の函館オルゴール堂には観光客の姿が大勢。この時期はジングルベルや赤鼻のトナカイなどクリスマスソングの商品がお薦め。「サンタクロースやトナカイなどの柄と曲が合って、人気。2000円台から取りそろえています」と紹介する。

 青森県むつ市から家族と親戚の4人で訪れた中村由希江さん(40)は「30年ぶりの函館で、クリスマスファンタジーと夜景を楽しみに訪れた。子どもたちにはおもちゃ、友人には北海道の銘菓を買って帰りたい」と笑顔だった。(高柳 謙)


◎冬の道南ワクワク、福島っ子が到着

 福島県の子どもたちが参加する自然体験活動「ふくしまキッズ」の冬プログラムが21日、スタートした。七飯町東大沼の大沼ふるさとの森自然学校を拠点として活動する85人の子どもたちが到着し、友達やスタッフとの再会を喜んだ。

 東日本大震災と福島第一原発事故のあった2011年の夏休みから始まり、通算8回目。七飯町をはじめ、夕張市、横浜市など全国6カ所で開催している。

 事業開始当初は外遊びが制限された放射線の影響下からの避難や保養といった要素が強かったが、子どもたちが集団生活や自然体験活動を通じて、心身をたくましく成長させる教育プログラムと位置付けて展開している。

 初日は森町のネイパル森に宿泊。29日までの期間中、森で切り出した木を使ったクリスマスツリーづくりや周辺町受け入れ先での民泊を行う。今回が2回目の参加となる須賀川市の小学5年生小平遥斗君(10)は「雪合戦が楽しみ。けがのないように過ごしたい」と話し、7回目のベテランキッズ=Aいわき市の6年生湊光平君(11)は「大沼に来るのも3回目。毎回新しい友達ができるのがふくしまキッズの楽しいところです」と話していた。(今井正一)