2013年12月3日 (火) 掲載

◎道南でも就活解禁

 2015年春に卒業予定の大学3年生の就職活動(就活)が1日に解禁、函館市内4大学でも業界研究会や説明会が相次いで始まる。景気好転に伴う企業の採用意欲に期待する一方、現在の2年生からは就活の解禁時期が後ろ倒しになるため、時期変更に戸惑う声もある。

 現3年生は広報活動の解禁が今月、選考開始が来年4月で、本格的な就活シーズンに入った。現2年生から適用される新指針では、3年の3月に解禁、4年の8月から選考が始まるスケジュールに変わる。

 現3年生の就活は、大学側の対応に大きな変化は出ていない。公立はこだて未来大では、9〜13日に学内合同企業説明会を開く。1日あたり23社、5日間で115社が参加予定。担当者は「うちは首都圏での採用が多いので、景気回復が有利に働くのでは。チャンスを最大限生かせるよう就活に臨んでほしい」と期待を込める。

 北大水産学部・大学院水産科学院は22日、合同企業セミナーを開き、参加は約70社。業種によっては企業の採用意欲がプラスになるとみるが、時期の繰り下げについては「卒業論文と重なり、日程が過密になる」(担当者)。

 道教大函館校では、6日に札幌で開かれる5キャンパス合同企業説明会に約150人が参加予定。函館校でも来年1月11、12の両日に業界研究会を開く。時期の繰り下げについて「4年生になってから集中的に活動しなければならない。期間が短いので、最初から対象業種を絞るなどの影響が出てくるかもしれない」と担当者。

 函館大では、7日に53社を集め業界研究会、9日には初の試みとして300人超の「NHK大学セミナーin函館大学」を開き、学生の意識付けを狙う。

 また、教職員が東北や札幌の企業を回ってニーズを徹底的に調査するほか、3年生は年間約20回に上る就職ガイダンスを受講するなどキャリア教育に力を注ぐ。

 就職部長の永盛恒男教授は「就活時期がいつになろうとも、企業に採用してもらえる人材を育てていくことが重要」と強調。函大3年の山田潤さん(21)は「まだ実感が沸かない。自己分析をしっかりして自分の良さをアピールできるようにしたい。ガイダンスは先輩の体験談など、とてもためになる」と話す。(山崎大和)



◎日銀金融経済動向 11月も判断据え置き

 日銀函館支店(中川忍支店長)は2日、各指標に基づく11月の道南地方の金融経済動向を発表した。家電販売など個人消費の一部に動きがみられたが、景気の総括判断は据え置き、5カ月連続で「着実に持ち直している」とした。中川支店長は「景気回復のカギを握るのは個人消費。ボーナス支給後の動きを注視したい」と期待をにじませた。

 11月は主要7項目すべてで判断を据え置いた。「個人消費」は、消費税増税や住宅の新築に伴い、家電販売に買い替えの動きがあったが、判断を引き上げるまでには至らなかった。

 「公共投資」の判断は「増加している」から変えていないが、国に続き、道の発注も本格化。10月の公共工事請負額は前年比28・1%増となった。「観光」も判断は「緩やかに回復している」のまま。ただ、10月のホテル宿泊客数や函館空港の乗降客数などは前年を上回り、引き続き好調を維持している。

 「住宅投資」は、サービス付き高齢者向け住宅の建設に一服感。消費税増税を控え、建売住宅が伸びた。「雇用」は、10月の有効求人倍率がバブル期以来の水準となる0・81倍に。ただ、ミスマッチが拡大していることから、判断は据え置いた。

 中川支店長は「食料や衣料に関しては財布のひもは固め」と指摘。また、「持ち直しの動きは続くが、消費に動きがなければ、全体の明るさは出てこない」とした。(松宮一郎)



◎紹介店増加 200カ所超え…今夏開設グルメサイト「めーどinはこだて」

 デザインやホームページ製作などを手掛けるエルシープリント(亀田町6)が今夏開設した函館グルメ食べ歩きサイト「めーどinはこだて」で紹介する店舗がこのほど、200店を超えた。函館駅前から元町方面の飲食店を集中的に紹介。同地域のみで、飲食店200店を紹介するサイトは珍しいという。

 同社ではお勧めスポットや店の地図、時刻表など記した「函館シティマップ」を手掛けており、同サイトはそれを発展させたもの。7月に開設した。

 サイトでは、和食、洋食などのジャンルから、丼もの、定食などにさらに細かく分類し、知りたい情報をいち早く検索できるよう工夫した。

 料理のほか、店の外観や店内の雰囲気を写真で紹介している。中には、情報誌などには掲載されていない穴場のグルメスポットもある。

 同社の井上才嗣営業課長は「サイトを参考に、新しい店を開拓してもらいたい。将来的には五稜郭や湯の川地区など市内全域に増やしていく」と話している。同サイトはスマートフォン(高機能携帯電話)からでも閲覧できる。(平尾美陽子)


◎函館の杉山さん道代表連覇に貢献…JAF全国ロードサービス競技大会

 JAF(日本自動車連盟)函館支部ロードサービス隊の杉山浩一さん(35)が北海道本部の一員として出場した第13回JAF全国ロードサービス競技大会(10月28、29の両日、東京)で連覇に貢献した。杉山さんは「道各支部の協力があり、プレッシャーを感じていたが、みんなで結束して頑張れたおかげ」と笑みをこぼした。

 大会は同連盟に加盟する隊員の技術向上を図るのが目的で2年に1度開催。全国8本部の精鋭が出場し、個人、団体競技の総合得点で競う。道代表は杉山さんのほか、札幌3人、室蘭1人の5人編成で臨んだ。

 「車を通じて社会に貢献ができる職に就きたかった」と25歳に就職し、今年で10年の節目。5月に函館支部の中者善元隊長らの薦めで、道本部代表のメンバーを決める選考会に出場した。これまでの経験を生かし、メンバー入りを射止めた。

 7日間の札幌合宿にも参加。安全でスムーズな作業の確認や、大会で求められる接客の丁寧な対応も繰り返し練習した。学科もあり、寝る前には必ず参考書や資料を読みあさるなど、努力を怠らなかった。

 用意された8項目のうち、担当したのは故障車を車積載車に乗せて搬送する作業と二輪車の故障探しの2項目。客に分かりやすく故障個所を丁寧に説明するほか、処置や搬送作業の正確性とスピードなどが問われた。「難しかったが、いつもの作業の流れなので緊張せず、自然に体が動いた」と胸を張る。学科は出題された全50問を難なく書き上げて個人2位を獲得した。

 ほかのメンバーも個人で上位入り。しかし、横転した事故車両を素早く排除する団体は思うようにいかなかった。メンバーに絶望感が広がる中での順位発表。連覇が決まり、「まさかという思いで言葉が出なかった」と喜んだ。

 杉山さんの活躍に中者隊長は「自慢の隊員。しっかりと技術を後輩に伝えてほしい」と褒める。胸を張って同支部に戻った杉山さんは「今まで以上に仕事に誇りを感じられることができた。今回の経験を生かし、先輩の中者隊長のように後輩から相談されるように支部を引っ張っていけるように頑張りたい」と話していた。(小林省悟)