2013年12月4日 (水) 掲載

◎函館アリーナに熱視線 全国から会議や大会打診

 函館市が2015年8月に開業する函館アリーナに全国から高い関心が寄せられている。これまでにコンベンションで約10件、スポーツ大会で約30件の打診があり、同時期開業の日吉多目的グラウンド(仮称)への照会を含めると約50件となった。具体的な日程は今後の各主催団体側の手続きでの正式決定となるが、これまで函館での開催が難しかった3000人超の大規模会議も含まれ、1年目から地域への波及効果が期待される。

 アリーナの本館棟は、5000人の収容が可能で、サブアリーナ棟には多目的会議室も整備。市民会館と合わせて、さまざまな規模の会議に対応可能となる。工藤寿樹市長は11月30日の市経済再生会議で「内々でスポーツの全国大会が決定し、医療関係で3500人規模のコンベンションの打診がある」と明かし、新施設への期待を示した。

 誘致活動の感触について、市コンベンション推進課は「施設の新しさや函館の都市としての魅力に加えて、新幹線開業後は、輸送力、アクセス力が向上する効果も大きい」とする。

 ただ、開催規模や組織が大きいほど、決定までに時間を要することや、分科会会場の確保といった課題もある。同課は「道内では札幌を中心に目が向いてしまうが、1件でも多く誘致につなげたい」とする。

 一方、スポーツ分野では球技や武道の全道、全国規模の大会の引き合いがあるという。合宿誘致にも力を注ぐ市教委は「大きな大会の開催は地域の競技力を高め、市民の生涯スポーツ推進にもつながる」とし、各競技団体への働きかけを進める。

 各種競技の大会運営に必要な広さに加え、市教委がアピールポイントにするのは、「冷暖房完備」で「本州の会場には暖房設備がないところも多い。冬場の大会誘致につながれば、観光閑散期の地域振興にもつながっていく」とする。

 市はこれまで打診のあった各団体と具体的な協議を進めるため、年度内に関連条例を整備し、会場使用料などを定め、来年度には同施設に指定管理者制度を導入する方針。(今井正一)



◎函館産酒米「函館奉行」完成間近

 兵庫県伊丹市の酒造メーカー、小西酒造(小西新太郎社長)は、函館産の酒米「吟風」と函館高専(岩熊敏夫校長)が作った菜の花を原料とした酵母を使った純米吟醸酒「函館奉行」を来年1月20日から販売すると発表した。約1カ月かけて醸造に取り組み、12月下旬に完成する見通し。同社などは「観光客や海外に、函館の地酒としてアピールしたい」と意気込んでいる。

 同社などは市の仲介を得て、市内亀尾地区の休耕田約8400平方メートルで吟風を生産、今秋に3・2トンを収穫した。米の45%を削り落して芯の部分を使い、醸造用アルコールを添加せずに作り、11月に麹作りと仕込みを行った。

 自社酵母のほか、函館高専の小林淳哉教授の研究グループが開発した菜の花酵母を用いて2種類を生産。自社酵母の酒は720ミリリットル入りを1700本、1・8リットル入りを300本作るほか、菜の花酵母を使った酒を1・8リットル入りで250本作る。価格は720ミリリットルで1800円、1・8リットルで2730円(いずれも税込み)。

 歴史を感じさせ、観光客もイメージしやすいとして「函館奉行」とネーミング。ラベルには五稜郭や赤レンガ倉庫群などをあしらった。

 高級路線の酒として、通常の倍の時間をかけて醸造を進めている。同社は「少し辛口で、香りのある酒に仕上がりつつある。菜の花酵母も出来がよく、香りが出始めている」と自信を見せている。

 1月8日には有料で試飲会を予定。20日からはイチマス(湯川町1)が市内飲食店向けに販売するほか、市内の観光名所に720ミリリットル入りを卸す考え。(千葉卓陽)



◎正月料理にクジラいかが? 9日にベーコンなど特売

 函館水産物商業協同組合(佐藤止昭理事長)は「鯨(くじら)の日」の9日、函館市内のスーパーや専門店約100店舗で、函館の正月料理に欠かせないクジラベーコンと塩クジラを割引販売する。

 道南では正月の定番料理として定着しており、ベーコンはそのまま、塩クジラは「くじら汁」にして食べる。毎年この時期に特売してファンも多い。

 アイスランド産ナガスクジラのベーコン(1袋120グラム入り)は通常の200円引き、北西太平洋産イワシクジラの塩クジラ(同250グラム入り)は通常の半額程度で、どちらも1000円。成尚(函館市昭和3)が製造し、ベーコンは7000袋、塩クジラは1200袋を用意。塩クジラは調理しやすいようスライスしてある。

 佐藤理事長は「普段より安いので、この日に買うのが絶対お得。毎年楽しみにしている人も多く、期待に応えたい」と話す。問い合わせは同組合(電話0138・22・5804)へ。(山崎大和)


◎高谷市長が再選出馬表明

 【北斗】高谷寿峰市長(61)が3日、来年2月23日投開票の北斗市長選に無所属で立候補することを表明した。同市長選への出馬表明は初めて。

 3日開会の第4回定例市議会で、秋田厚也氏の質問に答えた。高谷市長は1期目の市政を振り返った後、「新駅前の企業誘致や第三セクター鉄道の経営維持、国保の累積赤字解消などの課題解決のため、そして、北斗市の一層の発展のため引き続き市政にチャレンジをしたい」と2選に向け抱負を述べた。

 高谷市長は報道陣の取材に対し、「1期4年で見えてきた課題解決に取り組みたい」と出馬の動機を説明。きじひき高原や桜回廊、トラピスト修道院を核とした観光の基盤整備を重要施策に掲げ、「新幹線開業後の市のグランドデザインに位置付けて取り組む」と述べた。選挙事務所の開設時期については「後援会と相談して決めたい」とした。

 高谷市長は大野農業高校卒。1970年に旧上磯町役場入りし、総務課長、総務部長を経て2003年から助役を務めた。06年2月の市誕生後は初代副市長に就任し、10年2月の選挙で海老沢順三前市長の後継として出馬し、初当選した。(鈴木 潤)