2013年12月6日 (金) 掲載

◎函館蔦屋書店オープン カフェ併設 ライフスタイル提案型施設

 大型複合商業施設の函館蔦屋書店(梅谷知宏社長)が5日、函館新道沿いの石川町85にオープンした。カフェを併設した「ブック&カフェ」の店舗で、コーヒーを飲みながらゆっくりと本を選ぶことができるのが特徴。ライフスタイル提案型の施設として「地域の公園」「市民の新しい居場所」を目指すという。

 同店は、TSUTAYAを運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」(東京)の100%子会社。CCCの店舗としては国内最大規模。函館をモデルとして同様の複合商業施設を全国に約100店ほど展開する計画。

 施設の核は書籍やCD、DVDの販売、レンタル。「スターバックス」、コスメショップ、レストラン、コンビニの「ファミリーマート」、輸入玩具、フラワーショップで構成している。

 2階建てで、入り口から100b続く「マガジンストリート」と呼ばれる通路の壁には雑誌や書籍を陳列。ほかに遊具を置いた子供が遊べる広々としたスペースもある。

 幅広い世代がゆっくりと過ごせる「時間消費型の施設」がコンセプト。梅谷社長は「広場ではさまざまなコミュニティ活動もできる。人と人がつながる場所、新しい発見ができる場所にしたい」と力を込めた。

 この日はオープンを待ちわびていた多くの市民が訪れた。市内の主婦、工藤愛美さん(27)は「子供が遊ぶスペースが広くてびっくりした。これまでこのような施設が函館になかったのでうれしい。訪れる機会は多くなりそう」と話していた。営業時間は午前7時〜深夜1時。(松宮一郎)



◎江差ニシンのぼり図案決定 大みそかにお披露目

 【江差】今春、町内で受精卵が見つかるなど、資源復活に期待がかかるニシンの特製のぼりの図案が5日、決まった。「雅やかな図案で素晴らしい。江差の魅力発信に役立てたい」と関係者は喜んでいる。

 ニシンのぼりは体長2b、江差町歴まち商店街協同組合(室谷元男理事長)が用意した。交流を深める青森県大間のあおぞら組(島康子代表)のデザイナー・古川たらこさんに図案づくりを依頼した。

 ニシン漁で栄えた当時の様子を表現する「江差の五月は江戸にもない」をテーマに、きらきらと輝くうろこは銀ぱく仕上げで江差かもめ島の瓶子(へいし)岩や波、サクラ模様などを魚体に盛り込んだ。

 大みそかの年越しイベントで住民にお披露目し、元日から姥神大神宮で飾る。一般にも飾りつけの協力を呼び掛ける予定で、来春には町内各地で元気に泳ぐ無数の“ニシン”が見られそうだ。

 室谷理事長(63)は「大空で銀鱗が輝く姿が楽しみ。ギラギラと輝くニシンの群れがまちをより華やかにしてくれるはず」と期待する。ニシンが大群で産卵し海面が白く濁る「群来(くき)」が途絶えたのは1913年ごろ。1世紀を越えて江差の空に“群来”が戻る。 (田中陽介)



◎北斗市と協議「年内に1回」 新幹線駅名問題で工藤市長

 北海道新幹線新駅の駅名問題に関し、函館市の工藤寿樹市長は5日の市議会一般質問で、実施が決まっている北斗市との協議に関し「年内にまず1回は開催できるようにしたい」との見解を示した。今月中旬の開催が有力視されているが、現段階で正式な日程は決まっていない。

 駅名をめぐり、「新函館」を推す函館市と「北斗函館」を主張する北斗市で見解が分かれていることから、工藤市長は11月に協議を提案。北斗市の高谷寿峰市長も応じ、両市の市長と正副議長の6人で話し合うことが決まっている。

 工藤市長は能登谷公氏(市政クラブ)の質問に対し、「対立しているかのごとく捉えられ、話し合いのない中で駅名が決まったら両市の将来にしこりが残る。好ましいことではない」と、協議を提案した趣旨を改めて説明した。

 一方で、市議会が今年3月に決議している「新函館」の名称を尊重する意向も示し、同市長は「函館の持っているブランド力によって、開業効果を道南全体に波及させることができる。『新函館』がベストと思っている」と述べた。

 また能登谷氏は、道が両市の調整に意欲を示しているとされる点に言及し「現駅乗り入れなどを道に反故(ほご)にされたいきさつがある。市民の中には、駅名も仲介に入られれば、また反故にされるのではという意見が多くみられる」と指摘。

 これに同市長は「道も心配していると拝察されるが、最終的な決定権者はJR北海道という点を踏まえ、両市で話し合うことが必要」との認識を示した。 (千葉卓陽)


◎真冬の稲刈り コメの品種 より早く開発へ

 【北斗】コメの品種開発のスピードを速めようと、道総研道南農試(北斗市本町)は5日、水稲大型世代促進温室で稲刈りを行った。2期作で冬季に収穫した種子を、中央農試(岩見沢市)と上川農試(上川管内比布町)に送り、来春から選抜試験を行う。

 約20度ある温室内に、草丈1b弱に育った稲がこうべを垂れ、収穫期を迎えた。職員ら8人が10eに101組み合わせある稲を、バインダーで丁寧に刈り取り、束ねて干した。

 同農試によると、今年は10月の日照不足で生育が遅れ、例年11月下旬の稲刈りが12月にずれ込んだ。宗形信也主査は「毎年の繰り返しの中で、優良品種が2〜3年に1品種出るか出ないかの確率」と話していた。

 コメを1年に2回収穫し、世代を進めて短期間に品種を作る。道南農試では、2001年度から上川、中央両農試と連携して世代促進栽培に取り組んでいる。(山崎大和)