2013年12月7日 (土) 掲載

◎養殖カキ栄養満点 知内で出荷最盛期

 【知内】知内町特産の養殖カキの出荷が、上磯郡漁協中ノ川支所で本格化している。今年は例年以上に、津軽海峡の荒波にもまれ、豊富な栄養源をたっぷり吸収し身入りも上々という。5日も漁業者が沖合の養殖施設からカキを水揚げし、選別、製品にする作業に精を出した。

 知内のカキは全国的にも珍しい外海で養殖した2年貝を提供する。同支所で今年の出荷が始まったのは11月上旬。現在は約20軒の漁業者が一日300`前後を水揚げしている。むき身は滅菌海水で洗浄処理後、パック詰めされ、道内のスーパーなどに並ぶという。

 同支所の金子久支所長は「知内カキは身が大きく臭みのないことが特徴。カキ本来のうま味を堪能して」と話している。むき身は同支所で直販価格420円(150c)で販売している。問い合わせは同支所(TEL01392・5・5627)へ。(小杉貴洋)



◎市民活動の拠点施設整備 五稜郭タワー

 五稜郭タワー(函館市五稜郭町、中野豊社長)は、タワー近くの敷地に、地域で活動する団体の拠点として「五稜郭コミュニティーハウス」を整備する。来年12月に創業50周年を迎える同社の地域貢献事業で、函館野外劇など地域活動の支援が狙い。来年4月にオープンさせる。同社は「地域活動を展開する団体の役に立ち、活性化につながれば」としている。

 施設は木造平屋建て、床面積は約230平方b。会議室や倉庫などを備えている。総工費は約3500万円。11月に着工し、来年3月ごろの完成を目指す。観光バス駐車場近くで、運転手やバスガイドらの休憩場所も兼ねる。

 利用対象は「函館野外劇」や「五稜星の夢」「五稜郭祭」といった五稜郭地区を舞台にイベントを開いたり、活動したりする組織や団体。会議やイベントの準備、事務所として利用してもらう計画だ。同社は地域活動を支援するための専任職員も配置する予定。

 中野社長は「観光振興は市民の意識の向上が欠かせない。地域での活動を通じ、まちに対する理解を深めてもらえれば、長い目で見た場合、観光振興につながる」と説明。また、「施設に若い人が集まり、まちのにぎわいにつながれば」とした。 (松宮一郎)



◎介護ボランティア制度 来秋から本格実施

 函館市議会第4回定例会は6日も一般質問を継続し、5氏が質問に立った。市保健福祉部は、来年度からの実施を予定している介護ボランティアポイント制度に関し、準備を経て来年秋から本格的に行う考えを示した。

 池亀睦子氏(公明党)の質問に、種田貴司保健福祉部長が答えた。

 同事業は原則65歳以上の高齢者が介護支援などのボランティアを行うことで、高齢者自身の社会活動を通じた介護予防や健康増進を図ることを目的に、全国各地で導入が進んでいる。

 活動実績に応じてポイントを与え、介護サービスでの利用や介護保険料支払いへの充当などに活用でき、活用方法は自治体の裁量で決められる。市は第5期介護保険事業計画(2012〜14年度)の中で検討するとし、本年度は先進地として東京都新宿区、世田谷区と札幌市を視察している。

 市は現段階で、65歳以上の市民で要介護・要支援認定を受けていない、約6万3600人(今年10月末現在)を対象者と想定。ボランティア活動を希望する対象者に登録してもらい、同様に市に登録した受け入れ施設で活動してもらう内容で検討を進めている。

 事業導入のスケジュールをただした池亀氏に対し、種田部長は「来年度前半はボランティアの募集や研修、受け入れ施設の募集や説明会、ボランティア手帳の作成などの準備を進めたい」とした上で、来年秋には登録施設での活動開始を予定していることを明らかにした。

 この日は池亀氏のほか、藤井辰吉氏(市政クラブ)、日角邦夫氏(民主・市民ネット)、小野沢猛史氏(市民クラブ)、市戸ゆたか氏(共産党)が登壇した。 (千葉卓陽)


◎イルミナシオン映画祭開幕

 「第19回函館港イルミナシオン映画祭」(実行委主催)が6日、開幕した。金森ホール(末広町)で開かれたオープニングイベントには大勢の映画ファンが詰めかけ、映画の祭典を満喫した。

 開会式に先立ち、京都造形芸術大学の学生がスタッフとして参加した映画「彌勒 MIROKU」を上映。映画終了後には同作品の監督を務めた林海象さんと主演の永瀬正敏さんが登場し、撮影の苦労話やエピソードなどを披露した。

 開会式で米田哲平実行委員長が「今回のプログラム構成は、若いスタッフが積極的に参加し、映画祭ならではの良い作品がそろった。来年は20回目で、皆さんの力を借りながら前に進んでいきたい」とあいさつ。シナリオ大賞表彰式では、グランプリ(函館市長賞)のいとう菜のはさん、準グランプリの太田野歩さん、審査員奨励賞の村口知巳さんに賞状などが贈られた。

 その後のオープニングパーティーには観客やゲストらが参加し映画祭ディレクターで歌手のあがた森魚さんのミニコンサートなどを楽しんだ。

 8日まで。金森ホール、函館山山頂クレモナホール、市地域交流まちづくりセンターの3会場で計約50作品を上映する。 (金子真人)