2013年12月8日 (日) 掲載

◎教会に美しい歌声響く

 伝統的建造物を会場に音楽を楽しむ「2013でんけんコンサート」(実行委主催)が7日、函館カトリック元町教会で開かれた。約270人が来場し、美しい合唱を楽しんだ。

 同教会の鐘楼の外壁が落下するなど修繕を要する状況であったことから、「修復支援チャリティー」と題して初めてのチャリティーコンサートを実施。実行委を組織する函館市伝統的建造物群保存会(小林敏夫会長)は、益金の30万円を同教会に寄付した。

 コンサートには女声アンサンブルの「ゲザング・リーベ」と函館ロータリークラブの男性コーラス「ホワイトダックス」が出演。それぞれ「アヴェ・マリア」や「ふるさと」など多彩な計12曲を披露。アンコールでは「もろびとこぞりて」を来場者とともに歌い、盛大な拍手で幕を閉じた。元町の上野幸子さんは「毎年来ているが、クリスマス曲も多くて、すばらしかった」と話していた。(虎谷綾子)



◎Xマスファンタジー点灯式に「りんりん」ら登場

 金森赤レンガ倉庫群で開かれている「2013はこだてクリスマスファンタジー」に7日、函館けいりんのPRキャラクター「りんりん」と、歌手の暁月めぐみさん、MJパフォーマーのしんのすけ君が訪れ点灯式に臨んだ。

 雪が舞う中で行われた点灯式には、サプライズゲストにNHKの番組「あさイチ」のリポーター篠山輝信さんも登場。りんりんや暁月さんから会場の100人にりんりんスイーツと缶バッチが配られ、受け取った来場者は笑顔を見せていた。

 ステージではしんのすけ君の見事なダンスや、暁月さんの「ふるさとになりたい」などが次々と披露され、観客は大きな声援と拍手を送った。旭川から来た女性(42)は「思わぬプレゼントももらえて、とてもいい思い出になりました」と話していた。8日は会場にコカ・コーラのクリスマストラックやCMでおなじみのポーラーベアが登場する。(虎谷綾子)



◎年末年始の海外旅行順調

 年末年始の海外・国内旅行の予約が、函館市内の旅行代理店でも本格化している。不況や円安にもかかわらず、暦の並びが良く、官公庁や一部の企業で9連休となることから、海外旅行の予約は好調。国内旅行は近場の温泉のほか、東京ディズニーリゾート(TDR)などが変わらず人気だ。 (金子真人)

 H・I・S・函館五稜郭営業所(本町6)では、海外旅行の予約件数が前年同期比で3割増。金額は30万円前後、4泊6日が主流で、定番のハワイ、バリに続いて、函館空港からの直行便がある台湾も人気だという。「海外の予約は非常に好調。年末年始に関しては一流ホテルを選ぶ人も多く、円安による影響は感じられない」と栗谷憲介所長は語る。

 料金が割高な年末年始を外す動きも見られる。トップツアー函館支店(若松町6)では、1月3日以降の予約が続々と入っている。沼澤純一マネジャーは「年末からの出発に比べると3割ほど安いので、休みをずらして旅行をする人も多い」と説明する。

 一方、国内旅行は、現在も予約が増え続けているという。テーオー旅行センター(梁川町10)では、湯の川、洞爺湖、登別など近場の宿泊温泉プランが売れ筋。「正月を少しぜいたくに過ごしたいという家族連れのニーズが多い」と営業担当の酒井尚人さん。

 JTB北海道函館支店(本町6)の榎ひろみさんは「今年は、30周年を迎えた東京ディズニーリゾートや20年に1度の式年遷宮があった伊勢神宮が特に人気」と話している。


◎生コン業界「ダブルパンチ」、需要減とコスト増

 原料価格や輸送費の高騰で生コンクリート業界が厳しい経営を強いられている。函館地区ではすでに北海道新幹線関連工事の需要がピークを過ぎており、出荷量は今後減少傾向で推移することが確実。業界関係者からは「需要減とコスト増加のダブルパンチ」と悲鳴が上がる。道内では生コン価格が上昇しており、道南でも値上げの動きが広がっている。

 道南地区生コンクリート協同組合連合会によると、道南の3協同組合(函館、南北海道、北渡島)の出荷量のピークは1995年度の140万5660立方メートル。公共工事の減少に伴い年々減り続け、2008年度には44万3800立方メートルになった。

 11年度は北海道新幹線関連工事による需要増加で62万6200立方メートルにまで持ち直したが、同連合会の成田眞一会長は「新幹線関連工事の需要はピークアウトし、需要環境は厳しい局面を迎えた。函館アリーナ建設など明るい材料はあるものの、長期的にみれば減少傾向はまぬがれない」とため息をつく。

 本年度は3協組とも出荷量の当初計画を厳しく見積もり、合わせて30万1400立方メートルとしたが、それぞれ想定を上回る見込み。「民間需要や公共工事など新幹線工事以外の落ち込みが少なかったことが要因」(成田会長)。ただ、今年は全国的に原料の砂利や砂、セメントの価格が上昇。加えて燃料費の高騰で輸送費も大幅にアップし、経営に打撃を与えた。

 コストが増加し、全国、道内で生コン価格が軒並み上昇。道南でも南北海道が10月から、北渡島も11月の工事発注分から1立方メートル当たりの価格を500円上げて1万6800円とし、値上げの動きが加速した。

 函館は1万6200円のまま変えていないが、函館生コンクリート協同組合の理事長も務める成田会長は「苦しい状況は他地区と一緒。工場集約をにらみながら、値上げを模索していく」と話した。(松宮一郎)