2013年1月10日 (木) 掲載

◎函大谷高 本校舎・武道館 新築工事着々

 学校法人函館大谷学園(函館市鍛治、黒萩裕理事長)は、函館大谷高校(丸山政秀校長、生徒275人)の本校舎・武道館の新築を進めている。耐震化に対応した施設を整備し、3月に完成予定。同学園総合整備計画(2009〜13年度)の一環で、少子化時代での高校の生き残り戦略だ。

 旧校舎は1966年と68年の2回にわたって竣工、鉄筋コンクリート3階建て、延べ1500平方メートル。老朽化が進み、耐震構造になっていない。このため3月までに解体し、200台収容の駐車場とする方針。

 新築工事は昨年6月に着工、本校舎は鉄筋コンクリート3階建て、武道館は木造平屋128畳で、両施設合わせて延べ約1925平方メートル。本校舎1階には生徒の食事や父母会、職員会議などに使える多目的ホール、家庭科室、トイレなどを配置。2階に3年生3クラス、3階に2年生3クラスなどがある。

 83年建設の既設校舎(鉄筋コンクリート3階建て)と体育館(平屋)は残し、既設校舎には1年生4クラスのほか、理科実験室や美術、書道、工芸、音楽の各教室、写真を現像できる部屋などを設ける予定だ。現在、教室の内装工事を行っている。

 生徒が学習する教室には、道内高校でも珍しいガラス黒板を採用、チョークを使わず健康にも優しい。黒板をプロジェクタスクリーンとしても使える。快適性を重視した机や椅子をそろえ、大きな窓から光を取り入れ、明るくて暖かい。

 83年の既設校舎建設以降、初の施設整備となり、総事業費は約5億円。同学園の藤野明信専務理事は「少子化の中で魅力ある教育を推進していくには、教育環境の充実が不可欠。学校が生き残るための大事な要素だ」と強調する。

 また、同学園は函館大谷短大附属幼稚園・保育園(本通)を、同短大と同高がある学園の敷地内に移転・新築する計画。新園舎は昨年12月に着工、今年7月に完成、来年4月に「函館大谷認定こども園」として開園する。藤野専務理事は「総合学園のスケールメリットを生かした教育を展開できる。短大生や高校生が子どもと交流・連携を深め、教育効果も高い」と期待を込める。

 市内私立校では、函館大妻高(池田延己校長、生徒426人)も校舎を新築する方針で、来春の完成を目指している。(山崎大和)



◎函館音楽協会 協会賞に石丸さんと伊藤さん

 函館音楽協会(吉田淳子会長)は9日、2012年度の協会賞と奨励賞受賞者を発表した。協会賞に声楽家の石丸典子さん(55)とピアニストの伊藤亜希子さん(45)を、奨励賞には声楽家の増田朗子さん(45)、いずれもピアニストの中田久美子さん(34)と類家唯さん(28)を選んだ。表彰式は今月26日、五島軒本店で開く。

 両賞は、同協会に所属する函館・近郊の個人・団体の1〜12月の活動から選考。協会賞は過去の実績も含めた音楽文化向上への功績に、奨励賞は活動に意欲的で高水準の実績を残し、地元の音楽活動を推進させた功績に対し贈られる。同協会評議員ら10人が選考した。

 石丸さんは全国童謡歌唱コンクールでグランプリに輝いた1987年から函館でソロ演奏などの活動を展開、昨年で演奏会は300回を数えた。市民オペラのキャストも務めるほか、市文化団体協議会のアウトリーチ事業ではコーディネーターとして優れた企画力を見せた。

 伊藤さんは95年に留学先のフランスから帰国して以来、地元の函館を拠点に活動。リサイタルに加え、学校や社会福祉施設での演奏、さらに東日本大震災復興支援の演奏活動も続けるなど、文化発展、社会貢献の両面に大きく寄与している。

 増田さんは幅広い時代の歌曲に積極的に挑戦。昨年3月にはソロ活動20周年演奏会を開き、洗練された表現が高く評価された。中田さんも同3月のコンサートで表現豊かな演奏を披露したほか、デュオ、伴奏など多彩な分野で活躍。昨年留学先のドイツから帰国した類家さんは、同11月に初のリサイタルを開催し、高い技術が評価を受けた。

 石丸さんは「これまでの受賞者の実績を思えば大変光栄。若手のお手本となれるよう現役の歌い手として表現を磨いていく」と語り、伊藤さんも「大変うれしいし驚いてもいる。今後も自分の演奏活動にこだわり続けていきたい」と喜んでいる。

 増田さんは「受賞を励みに、知られていない作品の演奏をどんどん紹介していければ」と話す。類家さんは「応援してくれた皆さんのおかげ。一層地元を盛り上げる活動をしていきたい」と話していた。(長内 健)



◎一番ニラ 甘〜い香り

 【知内】全道一のニラ生産量を誇る知内町で、「一番ニラ」の収穫が始まっている。クリスマス寒波など悪天の影響も受けたが、ビニールハウスで青々と真っ直ぐに育ったニラを、生産者が丁寧に刈り取っている。

 町特産のニラは「北の華」の名で出荷される。味の良さと徹底した品質管理のおかげで国内有数のブランドに成長。昨年は1673トンを出荷、3年連続で販売額が10億円を突破した。年明けに収穫される「一番ニラ」は甘みと肉厚な食感が特徴だ。

 知内町ニラ生産組合(石本顕生組合長、73件)では6日から一番ニラの収穫を開始。9日現在で7件ほどが作業に従事している。

 町重内の大嶋貢さん(43)のハウスでは室温が12度前後に保たれ、50センチほどに成長したニラを刈り取っている。無加温栽培のニラは寒波の影響で収穫が1週間ほど遅れ2月上旬に始まる見込みだという。大嶋さんは「冷え込みが厳しかったので生育の遅れはあったが、味には絶対の自信がある」と話す。地元ではニラ玉など定番料理のほか、湯に軽くくぐらせて食べる「ニラシャブ」も好まれるという。(小杉貴洋)

 


◎風味豊か 初物「乾海苔」上ノ国道の駅

 【上ノ国】漁師手づくりの「乾海苔(のり)」が、上ノ国町で早くも出回り始めた。厳寒期ならではの風味豊かな初物で、関係者は「おにぎりや海苔弁当などにどうぞ」と紹介している。

 上ノ国町扇石の漁師、古館義勝さん(66)、丸子さん(67)夫婦は自宅近くの海辺でノリを採取。例年は年明けから漁が始まるが今季は12月から本格化し、大晦日もノリづくりに精を出した。品質は上々で「しばれているから最高のノリができている」と丸子さん。

 このノリは、道の駅「上ノ国もんじゅ」(原歌3)で昨年末から販売している。5枚入りで1000〜2000円前後。道の駅によると、道外からの問い合わせもあり、入荷直後に売り切れることも少なくない。「完売するとすぐに古館さんに連絡して用意してもらっている」と担当者。

 例年3月ごろまでの限定販売で、丸子さんは「ノリ採りは寒くて大変だけれど完全防備で頑張っている。おいしいものを食べてもらいたいから」と話している。(田中陽介)