2013年1月17日 (木) 掲載

◎昨年の桧山 漁獲量が過去最低

 【江差】桧山振興局水産課は、桧山管内の2012年の漁業生産状況(八雲町熊石地区を含む)をまとめた。サケの記録的な不漁とスルメイカ漁の低迷で、数量は1万171トン(前年比14%減)となり、統計開始の1961年以降で最低を記録。金額もナマコの単価下落などで36億3000万円(同22%減)と1973年以降最低となった。

 サケは、109トン(同87%減)で5700万円(同85%減)。11年は全道的な不漁に比べて桧山は豊漁だったが、12年は高い海水温の影響でサケが近寄らず、この10年間で最低の水揚げとなった。

 スルメイカは、4821トン(同19%減)で12億3000万円(同19%減)。漁期開始直後は好調だったが、秋以降の戻りイカの漁獲量が伸び悩んだ。ナマコは、153トン(同3%増)で5億6000万円(同37%減)。単価は、10年は5539円、11年は5954円と高騰したが、12年は3678円と08、09年並みとなった。

 スケトウダラは、2067トン(同59%増)で3億3900万円(同38%増)。11年は資源量の減少としけの影響で過去最低の水揚げだったが、12年は漁期開始から順調な水揚げとなっている。

 ウニは、340トン(同13%増)で3億2900万円(同16%増)。アワビは、17トン(同10%減)で9300万円(同8%減)だった。エゾバカガイ(アオヤギ)は、35トン(同77%減)で2400万円(同74%減)。12年は資源の減少を受け、江差や熊石で禁漁措置を取ったため漁獲が減った。(田中陽介)



◎生活保護者数 過去最多

 函館市は昨年11月末現在の生活保護状況を公表し、1000人当たりの保護者数は前月比0・1ポイント増の47・0と過去最多になった。保護者数は1万3041人で同38人増加、保護世帯数も同39世帯増え9424世帯といずれも過去最多になった。

 1000人当たりの保護者数は、バブル崩壊後の景気低迷から2000年度に30を超え、08年度には40を突破。約20年前と比べると2倍近く増えた。市生活支援第1課は「経済が好転しない限り、今後も増え続けるだろう」と懸念する。

 保護者数は昨年10月に初めて1万3000人を突破している。世帯数も昨年度に9000世帯(月平均)を超えるなど、増加に歯止めが掛からない状況だ。

 新たな保護世帯の開始理由は、「手持ち現金、預金などの減少・喪失」が半分以上を占めた。このほか「失業など」や「離婚」もあった。

 全保護世帯のうち、65歳以上の高齢者世帯が43・5%と最も多い。地区別にみると、高齢化率の高い西部、中央部地区が目立つ。同課は「高齢者の受給は今後も増えると予想される」としている。

 道内全体の1000人当たりの保護者数は31・2(昨年9月現在)。同月の函館市(46・7)は道内で釧路市(54・8)の次に多く、全国中核市41市中では最も高い(昨年7月時点での比較)。(後藤 真)



◎灯油高騰 家計ブルブル

 例年を上回る寒波の中、灯油の高騰が止まらず市民生活に大きな影響を及ぼしている。函館市の1月の調査によると、家庭用灯油(1リットルホームタンク用)の平均価格は99・35円(11日現在)と100円台間近。価格は今後も上がると予想され、経済・家計に厳しい冬となっている。

 灯油の平均価格は、前月比3・23円高と2カ月連続の値上がり。イラン情勢の緊迫化による原油価格高騰で101円まで上がった昨年4月以来の100円台に迫る勢いだ。1月に90円台後半となったのは、原油高から103円となった2008年以来。

 市内の主婦は頭を抱える。大川町の新谷サツ子さん(76)は「暖房のために灯油は必要不可欠なので、家計を直撃している。昼間の暖かい時間帯はこまめにストーブを消すなど工夫しているが、限界がある」と話す。石川町会長の山崎敏昭さん(67)は「家では昨年まで、すべて配達してもらっていたが、今年はボイラー以外のストーブ用は、ガソリンスタンドのセルフ給油を利用している。1リットルで4、5円の節約になっていると思う」とやりくりに懸命だ。

 函館地方石油業協同組合によると、今冬の灯油価格高騰は、円安により原油の輸入価格が高値で推移し、卸売価格が上昇しているためという。同組合は「仕入値が上がっているため、小売価格も上げざるを得ない。100円は恐らく超えるだろう。あまり高くなると販売量が少なくなり、悪循環だ」とこぼす。

 市の調べでは、灯油以外の石油製品も平均価格が高騰している。ガソリン(1リットルレギュラー)は前月比3・33円高の153・95円。軽油(1リットル)は同比2・95円上がり138・13円、重油(1リットル)も前月より3・39円値上がりして98・92円となっている。

 昭和の主婦高橋綾子さん(42)は「この冬は我慢。せめて子どもが風邪をひかないように節約したい」と話している。札幌管区気象台によると、道内で寒さが厳しくなる1月下旬から2月上旬の気温は、平年並みと予想している。(小川俊之、後藤 真)


◎「タマフクラ」カレーフェア 市内8店舗で

 道南が栽培適地の超大粒大豆「タマフクラ」を使った新商品・メニューの開発を目指す渡島総合振興局は28日から、豆と相性のいいカレーフェアを函館市内8店舗で初開催する。併せて札幌と東京で消費者意識と購買行動を調査し、商品開発に役立てる。

 フェア参加店は、小いけ(宝来町)、フルーリール(梁川町)、ラムズイヤー(中島町)、デイリースパイス(美原)、エバーグリーン(若松町)、寿々半(本町)、ぐるぐる本舗(元町)、チャーリースパイス(神山)。各店が豆カレーによく使われる、ひよこ豆やレンズ豆にタマフクラを置き換えるなどして創作したオリジナルカレーを2月3日まで販売。客の評価を受けて、メニュー化の可能性を探る。

 アンケートは、タマフクラ加工品を試食してもらって認知度や食べた感想などを聞く。16〜18日に札幌駅前通地下歩行空間で150人、2月13〜15日に東京の北海道フーディスト、同24〜26日に北海道どさんこプラザ有楽町店で合わせて300人に答えてもらう。昨年12月20日には、箱館夢八商店(松風町)でも調査した。

 道の本年度「食クラスター多角的連携促進事業」で、同振興局がノース技研(布村重樹社長)に委託。豆のおいしさの違いを知ってもらい、地元での活用拡大や認知度向上を狙う。(山崎大和)