2013年1月19日 (土) 掲載

◎健康・安産祈願おっぱい祭り 雷公神社

 【知内】町元町の雷公神社(大野格宮司)に古くから伝わる、女性だけの祭り「十七夜講」が17日に開かれた。別名「おっぱい祭り」とも呼ばれる由縁ともなっている乳房を模した餅「しとぎ」を神前に供え、神事を執り行い今年1年の家内安全や安産祈願をした。

 町内にある神木「姥杉」は同神社の初代神主の妻がまつられており、江戸時代に乳の出が悪かった女性が、木にある2つのこぶに母乳に恵まれるようにと願掛けをしたことが由来。昭和初期には遠方からも女性たちが参拝に訪れ、にぎわったという。

 この日は氏子の女性たちが午前中から米粉を使って高さ約10aの「しとぎ」を二つ作り、神前に供えた。午後からは社殿で女性約30人も参加し祭りが始まった。大野宮司が祝詞を奏上し、一人一人の名前を読み上げた。女性は玉串をささげ、それぞれの願いを祈った。

 供えられたしとぎは氏子たちの手で崩され、お神酒と混ぜ合わせ、参拝した女性に配られた。胆振管内白老町から引っ越してきた濱田君代さんは「友達に聞いて初めて参加してみたが、気持ちがすーっと楽になった気がする。来年もまた来てみたい」と笑顔だった。

 大野宮司によると、昭和30年代までは家事や子どもの世話を離れ、夜通し女性だけで歌や踊り、おしゃべりに興じて日ごろの疲れを癒やしていたという。大野宮司は「祭りの形態は変わってきたが、今でも町を離れた人から祈願の要望を多く受ける。伝統を守っていきたい」と話していた。 (小杉貴洋)



◎函館空港 雪だるまがお出迎え

 来月2、3日に七飯町の大沼公園広場などで開催される「第47回大沼函館雪と氷の祭典」(実行委主催)を観光客にPRしようと、道南の空の玄関・函館空港に大きな雪だるま6体がお目見えした。空港に降り立った観光客が早速記念撮影をするなど早くも人気を集めている。

 雪だるまは実行委と函館空港ビルデングの職員が16日から製作を開始。高さ2bほどの6体がほぼ完成した。アニメのキャラクターをモチーフにしたものや、頭にティアラを載せたものなど愛嬌(あいきょう)たっぷりで、中には背中側に階段をつくり、雪だるまの顔の部分と記念撮影できるよう工夫されたものもある。

 仕上げ作業を行っていたこの日も、外国人観光客が雪だるまを見つけて歓声を上げ、盛んに記念撮影をしていた。同社営業部の笹谷幸司次長は「雪を楽しみに来てくださる観光客の方に喜んでもらえれば」と話す。

 「雪と氷の祭典」は大沼公園広場や流山温泉を会場に、長さ20bのジャンボ滑り台や雪像、アイスカービングなどが展示されるほか、「環駒冬の味覚市」と題して、七飯、森、鹿部の特産品が集結するブースも登場する。  (森裕次郎)



◎函館市 退職手当引き下げ合意 

 函館市は18日、職員給与と退職手当の独自削減について市役所労働組合連合会(長谷川義樹執行委員長)と合意した。退職手当は新年度で5%、その後段階的に引き下げ、2015年度以降15%削減するほか、職員給与の削減幅を平均6・5%に拡大する。2月下旬に開かれる定例市議会に関係条例の改正案を提案し、4月1日から適用する。

 市は行財政改革の一環で昨年6月、退職手当の初年度10%、次年度以降20%削減の交渉再開と、給与の一律10%削減を提案。退職手当は国の方式に合わせ、段階的に削減する内容に変更した。退職手当の独自削減は、道市町村職員退職手当組合に加盟する市町村を除く道内主要都市で初めて。

 給与の独自削減は、昨年1月から今年3月までの平均5・5%から1%上積みした。来年3月までの時限措置で、課長以上の管理職で9%、若手職員で4%の減額となり、前回の見直しに続き削減幅を傾斜配分している。このほか、持ち家に住む職員に支給する住宅手当は現行の7000円から5500円に減額する。

 市総務部によると、昨年度の定年時退職手当の平均額は約2500万円で、15%削減となる15年度の定年退職者は約400万円圧縮される。給与カットでは年収約600万円の場合、年間約34万円の減額となる。

 見直しによる新年度の効果額は、給与で7億9000万円、退職手当で1億3000万円、住宅手当で1700万円を見込む。ただ、昨年策定した「行財政改革プラン」で見込んだ効果額からは4億2000万円不足する形となり、市は新年度予算編成で対応する考え。

 会見で上戸慶一総務部長は「組合から若年層の給与に配慮を求める要請もあり、総体的な人件費抑制を考えた結果」と述べた。当初目指していた今年1月の実施からずれ込んだ点に関しては「仕組みが決定し、職員が理解するまでの周知期間が不足していた」とした。

 長谷川委員長は「厳しくつらい判断。財政状況や地域経済への影響を踏まえて協力を決めた。市には今後もさまざまな事務事業の見直しを求めていきたい」と話した。 (千葉卓陽)


◎津軽海峡フェリー「大函丸」4月18日就航

 津軽海峡フェリー(函館市港町3、石丸周象社長)は18日、函館—大間航路の新造船「大函丸(だいかんまる)」(1985d)を4月18日に就航させると発表した。航行時間は10分短縮し1時間半で函館と大間を結ぶ。バリアフリールームを設けるなど客室設備を充実させ、観光ニーズにも対応する。

 大函丸は、老朽化した現在の船「ばあゆ」(1529d)に代わり、同町が約26億円をかけて建造。同社が運航する。全長は約91bで定員は478人。トラックだと21台、乗用車だと60台の輸送が可能。1日2往復は現行のまま。

 客室のコンセプトは「和モダン」。木のぬくもりが伝わる雰囲気にした。車いすの乗客が利用しやすいように通路は広々としており、バリアフリールームもある。ほかにペット専用のドッグルーム、快適なカジュアルシートを新設したのが特徴。

 大函丸は昨年12月に広島県尾道市で進水式を終え、3月末に完成する予定。同社では「従来の生活路線としてだけではなく、観光航路としても利用してもらい、函館と大間の往来を盛んにしていきたい」としている。

 予約は2月18日午前9時から。問い合わせは函館支店0138-43-4545。 (松宮一郎)