2013年1月22日 (火) 掲載

◎恵方ロールケーキ食べて福呼ぼう ホテル函館ロイヤル

 函館市大森町のホテル函館ロイヤルでは、今年も節分に合わせ「恵方ロールケーキ」を限定発売する。その年の縁起の良い方向を向いて食べると厄を払い、幸運を呼ぶとされる「恵方巻き」をイメージした商品で、同ホテルでは「厳選された素材を使った自身作なので、子どもから大人まで楽しみながら味わってほしい」と話している。

 同ホテルでは5年前から恵方ロールケーキを販売。昨年は、しょうゆに見立てたチョコレートソースを付随させるなど、太巻きに似せたリアルな形にこだわった。

 今年は一転してシンプルなケーキスタイルに挑戦。ふんわりしたシフォンの生地で北海道産の生クリームを包み込み、その中にチョコレートとマンゴゼリー、キイチゴゼリーなど5種類の具材を閉じ込めたぜいたくな内容となっている。

 1本1500円で限定400本の予約制。同ホテルでは「通常はロールケーキタイプを販売しておらず、年に1回の節分に合わせ、職人が毎年趣向をこらして作り上げている」と話す。

 なお、同ホテルではカニやアナゴなど七福神にちなんだ七種の具材がたっぷり入った、太巻きタイプの恵方巻も予約販売している(1500円)。

 予約・問い合わせは同ホテルTEL0138・26・8181。(小川俊之)



◎勇壮 伝統の鹿子舞 厚沢部で新春交流会

 【厚沢部】江戸時代から伝わる郷土芸能「鹿子舞(ししまい)」で新年を祝う、第18回新春町内鹿子舞交流会が20日、町民交流センターであり、林業の繁栄や五穀豊穣、無病息災などを祈る幻想的な舞で大勢を魅了した。

 厚沢部町鹿子舞交流協議会(沢口一雄会長)の主催。富栄と上里、当路の各地区の鹿子舞保存会と美和権現獅子舞保存会が共演した。

 桧山南部の伝統的な「三匹鹿子」による鹿子舞は獅子舞≠ニ異なり、3頭の鹿子(シカ)が主役をこなす。東北地方に起源があり、ヒバ(ヒノキアスナロ)の伐採が本格化した1600年代後半に伝えられたとされる。

 舞台では林業従事者の安全や農作物の豊作などを祈り、にぎやかな笛と太鼓の音色に合わせてシカが勇壮な舞を披露した。演舞は各30分間で、取っ組み合いなど激しい動きもあり、会場から大きな拍手が起きた。

 同協議会は「先祖が生活や信仰の中で生み出した貴重な郷土芸能が保存会の後継者不足から存亡の危機に直面しているものが数多くある。この実演交流で相互の連携を深めて一層の振興を図り、他地域での再興を期するものとしたい」としている。(田中陽介)



◎函館産水産加工品 道内学校給食へ導入目指せ 市が取り組み本格化

 函館市は、地元で採れた水産加工品を道内各地の学校給食に納入する試みを始めた。本年度に市立小中学校の給食で提供した秋サケとコンブを道内の自治体で取り入れてもらうことで製造量の増加や販路拡大を図り、地元水産加工業の活性化につなげる狙い。市は昨年、自治体では初めて道学校給食会(札幌)に加工品を売り込んだり、栄養士と加工場の連携を図るなどして取り組みを強めている。

 市は本年度、390万円をかけて函館産の秋サケとコンブを食材に取り入れた給食を、市立小中学校で実施。1日あたり約2万食作り、昨年11、12月に計2度提供した。

 ただ、地場産水産加工品の提供はコストの高さが課題。学校給食は児童・生徒からの給食費で食材を調達し、栄養士が献立を作成しているが、食材費は1食あたり約237円(小学2〜5年生)と安価。加えて給食調理場では調理方法にも制限があり、加工品を使用しているのが現状。市農林水産部は「製造ロットが小さいため、給食費だけでは不足している」と話す。

 これらを受けて市は昨年、サイコロ状にカットした約10cのサケの冷凍切り身と、食べやすいサイズの間引きマコンブを、2度にわたって道学校給食会に提案。先週末には栄養士らが水産、青果市場とJA函館市亀田を訪れて食品流通の過程を見学したり、水産加工場とマッチングさせる取り組みを始めている。

 軌道に乗れば、高い技術を持つ地元加工業者の活性化や雇用確保につなげることができるが、現状では価格帯や、需要がどの程度見込めるかが課題。同部は「全道、全国で使ってもらえれば製造ロットが大きくなり、加工コストが下がることで税金を投入せずに給食に使える。先を見据えてチャレンジしていきたい」と意欲を示している。

 道学校給食会の諌山和義事務局長は「現在は製品化を待っており、市とも相談しながら全道の市町村に紹介したい。旭川や帯広など、海に面していない地域で販路拡大の余地がある」と話している。(千葉卓陽)


◎12年の函館空港乗降客数 前年上回る149万人

 2012年の函館空港の乗降客数は、前年比7・0%増の149万2722人だったことが函館空港事務所などのまとめで分かった。東日本大震災の影響で利用者が大幅に落ち込んだ11年から約9万8000人増加。10年の水準には届かなかったものの、震災の影響を脱し、回復傾向が鮮明になった。

 函館空港の乗降客数は02年の243万人をピークに年々減少し、09年は150万人になった。10年は函館競馬場のリニューアル効果などの要因もあり、158万人まで持ち直したが、震災が発生した11年は139万人にまで減少した。

 12年の乗降客数は、国内線が同5・3%増の142万4223人。国際線は同58・9%増の6万8499人となった。10年は国内線が150万1912人、国際線が8万552人だったため、いずれも震災前の水準には達しなかった。

 ただ、国際線は函館—台北線が好調。台湾人観光客の函館人気を背景に、9月に復興航空、10月にエバー航空が相次いで同路線に定期便を就航させたことで乗降客数を伸ばした。一方、韓国の大韓航空は、竹島問題をめぐって両国関係が冷え込んだことを受け、11月1日から12月20日まで運休するなどしたため低調だった。

 国内線は各社とも「堅調だった」とし、回復傾向が続くことに期待を寄せている。函館空港ビルデングでは「台湾からも観光客が戻ってきており、震災の影響を脱しつつある」と分析している。(松宮一郎)