2013年1月23日 (水) 掲載

◎稜北高の田中教諭、剣道7段に合格

 函館稜北高校の体育教諭で剣道部顧問を務める田中まゆみさん(55)が、全日本剣道連盟主催の審査会で7段に合格した。北海道剣道連盟によると、道内の女性が7段に合格するのは2年ぶり、道南では初めての快挙。田中さんは「支えてくれた周囲のおかげ。感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せる。

 田中さんは昨年11月に東京武道館であった審査会に参加。全国から集まった1586人が7段に挑み、合格者はわずか239人(合格率15・1%)だった。

 剣道を始めたのは高校の時。他のスポーツにはないりんとした雰囲気に魅力を感じ、教諭になってからも生徒指導の傍ら稽古を続けてきた。

 2005年から3年連続で7段を受けたが、肩の痛みで一時中断。「受けても自分が納得する振る舞いはできない」と感じ、落ち込むことも。稽古ができない時もあった。

 それでも根気よく治療を続け、10年に復帰。先輩や同世代の仲間から背中を押され、5年ぶり4度目の挑戦を決意した。審査会当日について「先生の教えを思い出しながら、短時間で自分の力をどう出し切るか、イメージしながら臨んだ」と振り返る。

 現在も生徒を指導する傍ら日々、剣道の腕を磨き、昔読んでいた専門書などを読み返し、勉強に励んでいる。田中さんは「うれしさと同時に責任の重さを感じる。さらに稽古を積み、7段にふさわしい剣士になりたい」と話している。(平尾美陽子)



◎雪と氷の祭典に向け大沼で氷の切り出し

 【七飯】来月2、3日に開催される「第47回大沼函館雪と氷の祭典」(実行委主催)で使用する氷の切り出し作業が22日、大沼で始まった。厳しい寒さの中、ジャンボ滑り台などに使う約2000枚を切り出す作業は5日間続く。

 この日の作業は午前9時に始まった。作業員が氷上につけられた60a四方の溝に沿って電動のこぎりの刃を入れると、大きな氷の塊がぷかぷかと水に浮かんだ。切り出した氷は厚さ32a、重さは約100`にもなり、専用の氷ばさみを使って岸辺まで移動させた後、重機で会場まで運搬された。

 氷は毎年人気を集める長さ20bのジャンボ滑り台に敷き詰められるほか、アイスカービングの台座に使われる。同祭典の穴澤剛行運営委員長は「氷上のメンテナンスを行ってきたことに加え、寒さが厳しかったため、凝縮された良い氷ができた」と話していた。(森裕次郎)



◎日本航空が伊丹線再開へ

 航空各社は22日、夏季(3月31日〜10月26日)の運航計画を発表した。日本航空(JAL)は、2005年3月末に運航を休止した函館—大阪伊丹線を8年ぶりに再開させる。一方、全日空(ANA)は、堅調な函館—羽田線を冬季ダイヤより1便増の1日5往復とし、夏場の需要増に対応する。

 日本航空の函館—伊丹線の再開は、地方路線を中心とした国内線ネットワークの拡充の一環。05年から運航を休止していたが、昨年11月に函館市や函館商工会議所、函館国際観光コンベンション協会などが同路線再開の要望書を提出。それに応える形で再開を決めた。

 函館—伊丹線で使用する機材は50人乗りの小型ジェット「バンボルディアCRJ200」。小型機の投入で安定的な収益を確保する考え。運航は、伊丹を午後0時55分に出発し、函館到着が午後2時。同3時に函館を出発し、同4時45分の伊丹到着に設定した。同支店では「観光客の需要も多く、函館、道南地域の観光振興と経済活性につなげていきたい」としている。

 また、函館—羽田線についても機材を大型化。6〜10月に全便ではないものの、375人乗りのボーイング777を投入する計画。同支店によると、座席数は前年に比べ1割ほど増加する見通し。

 全日空の函館—羽田線は、エア・ドゥとの共同運航。昨年夏季のダイヤが1日5往復で、好調だったことから12月中旬まで延長した。それ以降は1日4往復としたため、現行のダイヤからは1便の増便。夏場のオンシーズンを5便体制として好調を維持する考え。

 昨年夏に大型化した函館発羽田行きの初便を、引き続き大型機(289席、ボーイング767)で運航する。また、函館—大阪(関西)便は4月25日まで1日1往復で、26日から10月26日までは2往復にする。(松宮一郎)


◎アブラツノザメうまい! 特産化へ主婦ら調理

 【江差】近海で水揚げされながらも、道南の市場に出回ることが少ないアブラツノザメの特産化に弾みをつけようと、町内の主婦らが22日、町役場内で調理実習(町主催)を行った。

 調理実習は、江差町食生活改善協議会(渡辺寿子会長)の15人が参加。町地域雇用創造協議会・特産品開発販路拡大員の松井佳子さんがレシピを考え、皮をむいた「棒ザメ」で調理した。から揚げや西京漬け、かば焼き、フライ、はんぺんなどで「くせのない味でおいしい。ふわふわした食感と骨がないので子どもやお年寄りにも喜ばれそう」などと意見を交わした。

 メンバーは各家庭でサメ料理を研究し、今後はイベントでの出品も検討する。渡辺会長は「味付けでおいしさが増すことが分かった。サメの見た目は怖いけれど上手に料理すれば、いい味になる」と太鼓判を押す。

 アブラツノザメは、冬場のスケトウダラ漁を妨害する向きがあり、昨秋からひやま漁協と桧山振興局が試験漁獲に力を入れている。淡泊な白身は東北地方で高級かまぼこの材料として重宝されており、桧山でもご当地メニューづくりが加速している。

 調理実習のサメレシピは、町地域雇用創造協議会(江差町役場政策推進課内)でもらえる。問い合わせは役場TEL0139・52・1045。(田中陽介)


◎北方領土返還へ協力訴え、渡島管内巡回スタート

 北方領土復帰期成同盟渡島地方支部(村上幸輝支部長)が初めて企画した、渡島管内市町を巡回するキャラバンが22日、始まった。2月7日の「北方領土の日」と特別啓発期間(1月21日〜2月20日)に合わせた取り組みで、28日まで管内の役場や団体など20カ所を訪問し、領土返還運動への理解と協力を呼び掛ける。

 初日は同支部事務局長の村上幸義さん(38)と協力員の阿相忠佑さん(33)が啓発用の乗用車で森、八雲、長万部の3町を訪れ、役場の担当職員や商工会幹部と面会。返還運動の現状を説明し、署名の協力を求めた。

 のぼりを掲げて各町を訪れ、担当者は「わざわざ足を運んでもらい、ありがたい」と歓迎。イベント会場の署名活動など、協力に前向きな姿勢を示した。

 村上事務局長と阿相さんは「皆さん快く対応していただき、思った以上に手応えを感じた」と感想を話す一方、これまでの運動の形骸化や若年層の関心の低さも感じたという。

 23日以降も函館市内の旧4町村地域や渡島西部4町などを巡り、最終日の28日は北斗市役所などを訪れキャラバンを終了する。

 村上事務局長は「国民みんなが自分のこととして北方領土の問題を考えてほしい。渡島全体で運動が盛り上がるよう努めていきたい」と意気込みを述べた。(鈴木 潤)