2013年1月24日 (木) 掲載

◎小林さん 全国書道コンで最高賞

 道教育大附属函館中学校2年の小林奏美(かなみ)さん(14)=函館市東山=が、全日本書芸文化院(全書芸)主催の第62回全国書道コンクールで、最高賞の「最優秀大賞・東京都知事賞」に輝いた。小林さんは「とてもうれしい。今よりももっと頑張っていきたい」と喜びをかみしめている。

 幼・小・中の学生部に5951点の出品があり、毛筆の部は最優秀大賞を10人が受賞、その中で都知事賞に選ばれたのは小林さんのみ。半紙に課題「廣川王賀蘭汗(こうせんおうがらんかん)」を臨書し「鋭さが十分に表現され、かすれも効果的で、名前も良い」(全書芸)と高く評価された。

 小林さんは小2から書道を始め、自宅近くの岡田静園さんの書道塾に通っている。めきめきと力を伸ばし、現在は同学院中学生の部で6段の実力を持つ。

 昨年春に課題を決め、半年間かけて練習。同塾は週1回が基本だが、コンクールに向けて3回通うなどして心血を注いだ作品を完成させた。岡田さんは「線質を温かく書きながら、厳しく見えるように書くこと」と指導。1枚の半紙に躍動する美しい6文字を書くのは至難の業といい、小林さんの技術の高さを示した。

 昨年11月に受賞を知った小林さんは「びっくりした。高校に入っても書道を続けたい」と笑顔。岡田さんは「40年間、書道塾をやっていて初の快挙。教えたことに対する理解が早く、筆力と筆意は見事」と目を細めている。(山崎大和)



◎宿泊施設 すでに「満室」…GLAY 夏のライブ

 函館出身の人気ロックバンド、GLAY(グレイ)がこの夏、緑の島で行う「凱旋ライブ」が7月27、28日の2日間と決まった。日程の決定を受け、市内のホテルや旅館はすでに軒並み満室状態だ。旅行会社がツアーを計画中で、客室確保に力を入れているほか、予約の問い合わせも殺到。宿泊施設は半年前から「GLAY特需」に沸いている。

 宿泊施設には日程がホームページで発表された21日から問い合わせの電話が相次いだ。ホテル函館ロイヤル(大森町)では「2日間は予約で満杯。発表になってすぐに問い合わせの電話が次々と入り、申し訳ないが断っている状況」と話す。

 ライブは2日間で5万人の観客を動員する予定。函館市内の宿泊施設は、部屋数が約1万室で、約2万4000人の収容が可能という。夏休みに入っており、ライブ以外の観光客も多く訪れる。ロワジールホテル函館(若松町)では「観光のオンシーズンとも重なっているので、予約でいっぱい」。

 駅周辺のビジネスホテルや湯の川温泉の旅館やホテルでも状況は同じ。ビジネスホテルのホテルプロモート函館(松風町)では「問い合わせが続いており、連泊の予約も入った。可能な範囲で予約を受けている」とした。大手旅行会社のJTBではライブに合わせたツアーの企画を進めており、函館支店では「各ホテルや航空会社などと協力し調整しているところ」としている。

 また、工藤寿樹市長は23日の定例会見でライブの日程決定について触れ、「ファンと市民が待ち望んでいた初めての古里での凱旋ライブなので、盛り上げていく方法を考える」と期待を寄せた一方、中央競馬の開催とも重なることから「あふれて泊まるところがないというのが一番困る」と述べた。 (松宮一郎、千葉卓陽)



◎来月10日に恵山ごっこまつり

 旬の恵みを味わって—。函館市恵山地区の冬を代表するイベント「第23回恵山ごっこまつり」(実行委主催)が、2月10日午前11時から道の駅なとわ・えさん(日ノ浜町)横の特設会場で開かれる。今年も名産のゴッコ(ホテイウオ)をはじめとする海産物の格安販売など、各種催しを用意している。

 海産物は前浜で採れたゴッコのほか、カキやホタテ、ババガレイ、マスなどを浜値で販売。無料試食コーナーでは例年と同様にゴッコ汁400食、生干しゴッコの炭火焼き300食のほか、市場になかなか出回らない海藻「こざるめん」を使った味噌汁200食を提供。ゴッコ汁は11時5分から試食券を配布する。

 このほかポニーの乗馬体験なども用意。実行委は「当日の漁模様にもよるが、海産物販売は早いもので15分足らずで売り切れる。早めに来場を」と呼び掛けている。

 時間は午後1時まで。問い合わせは市恵山支所産業建設課TEL0138・85・2336。(千葉卓陽)

 


◎来年6月 函館港に11万トン超客船…初寄港、過去最大

 函館市の工藤寿樹市長は23日の定例会見で、函館港に入港した客船では過去最大となる「ダイヤモンド・プリンセス」(バミューダ船籍、11万6000トン)が来年6〜10月に計7回寄港すると発表した。同船と同じ運航会社「プリンセス・クルーズ」の「サン・プリンセス」(7万7441トン)は同6〜9月の毎週日曜日に計12回寄港することも決まり、両船の計19回で約4万7000人の来訪が見込まれる。

 市港湾空港部によると、本年度の寄港実績は10隻で乗客乗員数は9657人。2013年度は、6、7月に寄港する「サン—」を含めた計14隻で、定員ベースで2万901人を見込む。来年は寄港回数、人数、総トン数ベースでもこれまでの実績を大きく更新する見通しとなり、同部は「以前から展開してきた誘致活動が実を結んだ」とする。

 「ダイヤモンド—」は道内では室蘭などの入港実績はあるが、函館では10万d超の船舶受け入れは初めて。同部は「接岸時の速度を規制するなど、関係機関とも協議し、港町埠頭(ふとう)岸壁の強度にも問題はないと確認している」とする。

 同社の日本向け商品を販売する「カーニバルジャパン」によると、「サン—」は小樽発着、「ダイヤモンド—」は横浜発着で、道内をはじめ、ロシアを回るクルーズの一環として函館に寄港。「函館の受け入れ態勢や観光地としての見どころなど、総合的に判断して航路が決定された」(広報)とする。

 工藤市長は両船を含め来年は30隻程度、6万人超の来訪を見込んでいるとし、「非常に経済効果が大きく、地域への波及を期待している。若松町の客船バース建設に向けて追い風になる」と述べた。(今井正一)