2013年1月31日 (木) 掲載

◎生け花 彩り豊かに 文団協ジョイントギャラリー

 函館市文化団体協議会(文団協、宍戸雄一会長)など主催の「2013ぶんだんジョイントギャラリー展」が30日、市芸術ホール(五稜郭町37)で始まった。彩り豊かな生け花、絵画などがずらりと並び、来場者を楽しませている。2月3日まで。

 毎年この時期開催し、今年は個人、団体8組の約100人が出品。「ひなたぼっこ」をテーマとした華道家元池坊函館支部は黄や赤など明るい色の花を中心に生け込んだ。ガーベラ、カスミソウ、レースフラワーなどを使った春を感じさせる風流な作品だ。同池坊函館中央支部青年部の作品も、華やかな雰囲気を醸し出している。

 大泉康子アートルームは「空想と絵画の融合」と題し、色彩感が味わえる抽象画や風景画などを展示。高文連道南支部書道専門部の生徒たちによる力強い書の力作も多数紹介している。

 午前10時〜午後6時(最終日は同5時)。2月2、3両日午前10時〜午後3時半にはお茶席「新春を寿(ことほ)ぐ」を、3日同2時からは11組が出演する「ぶんだんジョイントステージ」も開く。問い合わせは事務局TEL0138・54・7670へ。(長内 健)



◎江差の冬 満喫して たば風の祭典あす開幕

 【江差】真冬の江差を彩る「第28回江差たば風の祭典」(実行委主催)が2月1日に開幕する。文化や食のほか、スポーツ大会などの多彩な催しを1カ月間にわたって展開。メーンの「第13回 冬 江差 美味百彩(びみひゃくさい)なべまつり」は、9、10の両日に旧生涯学習センター体育館(本町271)で行われる。

 「たば風」とは、真冬の江差に吹き付ける強い季節風。厳しい寒さや風雪に負けることなく、地域全体で冬を満喫しようと、江差観光コンベンション協会を事務局に、町内の各種団体で組織する実行委が毎年イベントを盛り上げる。

 「なべまつり」は、地元の農水産物を生かした三平汁やくじら汁、ゴッコ汁など約30種類の鍋料理が並ぶ予定。9日は午後4時〜7時。10日は午前11時〜午後2時。鍋は1杯300円。1杯に1枚の抽選券がつく豪華景品抽選会や、味の人気を競う「N—1(ナベワン)グランプリ」と郷土芸能ステージも。イベントの問い合わせは同協会TEL0139・52・4815。

 主な行事予定は次の通り(かっこ内は開催場所と日時)。

 ▽江差焼・和小物・はた織り展示会(町役場1階ロビー/1〜28日、午前9時〜午後5時)▽江差追分セミナー(江差追分会館/1月31日、2月の毎週木・金・土曜日午前9時からで定員50人)▽江差・北前のひな語り〜歴まちのおひなさん(いにしえ街道内/10〜3月20日)▽茶会(江差追分会館/16日午前10時〜午後3時)▽小中学生の俳句展(五勝手屋本舗2階/16〜18日、午前10時)▽ひのきコンサート(文化会館大ホール/16日午後1時半)▽ドッジボール大会(南が丘小学校/23日午前10時)▽江差産ゆがのそば手打ちそば教室=申し込み締め切り2月15日、定員30人(旧朝日小学校/23日午後1時)▽第6回こどもとヤングの江差追分・民謡発表会(文化会館大ホール/24日午後1時半)▽フォークダンスの集い(文化会館小ホール/毎週水・金曜日、午後1時〜3時)(田中陽介)



◎ルネサス函館工場 ジェイデバイスに売却 6月めど、雇用維持

 【七飯】経営再建中の半導体大手、ルネサスエレクトロニクス(東京)は30日、子会社のルネサス北日本セミコンダクタ(北セミ)函館工場(七飯町)と北セミの子会社、北海電子(八雲町)を半導体後工程受託のジェイデバイス(大分)へ6月上旬をめどに譲渡することで基本合意に達したと発表した。地元の七飯町では売却先が決定したことに「雇用が守られる」と安堵(あんど)する声が広がった。

 収益基盤強化を目指すルネサスが進める国内生産拠点再編の一環。同社は昨年、北セミ函館工場を「1年をめどに譲渡を検討する拠点」と位置づけ、売却先を模索。ジェイデバイスについて「譲渡対象拠点における競争力の強化や高品質製品の継続的な供給が期待できる譲渡先」とし、長期的なパートナーシップ構築の第一歩として基本合意に至ったと説明する。今後、最終契約書の締結を経て、6月上旬をめどに譲渡を完了する予定という。売却額は非公表。

 函館工場では現在、自動車向けのマイコンや家電用の半導体を生産しているが、譲渡後も生産体制は維持される。ルネサスによると、同工場に勤務する従業員は約1年間、出向という形態で勤務した後、個別同意を得た上でジェイデバイスに転籍となる見込み。

 この日、同工場関係者と会談した中宮安一七飯町長は「雇用が守られると聞き、安心した」と胸をなでおろし、「工場関係者に『より一層業績を上げ、皆で頑張ってほしい』と伝えた」と明かした。(森裕次郎)


◎新年度予算 道新幹線新青森—新函館に1000億円

 国土交通省は、北海道新幹線の新青森—新函館(仮称)間の新年度事業費を1000億円とすることを決めた。本年度当初予算比で12%の減額となった一方、昨年8月に新規着工した新函館—札幌間は60億円を計上している。

 新年度の整備新幹線5路線の総事業費は2660億円(本年度当初比14・1%減)で概算要求通り。国費は706億円で9年連続同額としたほか、既設新幹線の譲渡収入724億円や地方負担分などが充てられている。

 05年度に着工した新青森—新函館間は、初年度の30億円を皮切りに年々増え続けてきたが、新年度予算では建設工事のピークを過ぎたことから初めての減額。同区間の総工費は今月18日に、4590億円から5508億円(2011年3月価格)へと増額認可されており、新年度予算を加えた総配分額は4352億円。事業費ベースの進捗(しんちょく)率は79%に達する。

 また新函館—札幌間では、本年度は留保費90億円の中から着工後の事業費として約9億円が配分されている。同省鉄道局によると、新年度の60億円は調査や測量、設計など「本格工事前の事前準備に充てる」としている。

 同省はまた、青函トンネルの老朽設備更新費として12億円余りを計上。新年度は排水ポンプや変電所設備などで改修工事を行う。

 新年度事業費について、函館市新幹線対策室は「予算と工事が着実に進み、開業が間近に迫っていることを実感する。一日も早い開業を期待したい」とコメント。北斗市建設部は「本格的に始まる駅舎工事に向けて弾みになる。今後も順当な予算化を望みたい」と期待を寄せる。

 また、道新幹線・交通企画局新幹線推進室は新函館—札幌間の60億円について「事業に着手して2年目で、妥当な額だと受け止めている。今後も早期開業に向けて予算要求を続けていきたい」と話している。(千葉卓陽、鈴木 潤)