2013年1月7日 (月) 掲載

◎ガゴメ商品に認証シール広がる

 「函館がごめ連合」(布村重樹代表、39社)が創設した、ガゴメ商品であることを担保する独自の認証制度への取り組みが広がっている。昨年6月スタートした認証は6社57品目(同12月末現在)に。今年からは認証シールを張る労力を軽減するため、商品フィルムへの印刷も可能となり、認証数がさらに増えそうだ。

 同連合事務局によると、昨年6月に第一弾として3社27品目が誕生。半年間で認証数が約2倍になった。梶原昆布店(豊川町、梶原健司社長)の「がごめ刻み昆布」など21品目ほか、三豊(北斗市、塩田康就社長)の「がごめ昆布しょうゆ味」などもある。

 認証商品は、アンテナショップ「がごめ昆布 ねばねば本舗」(若松町、石原健店長)を中心に販売。商品には、メーカーがシールを一枚ずつ張る作業が必要なため「手張りが大変だから、認証取得を控えるケースもある」と事務局。そこで商品フィルムへの印刷を考案。印刷に伴う初期投資はメーカー負担とし、シールと併用できる。

 制度導入により、客がスーパーではなく同店に商品を買い求めに来るなどの効果があった。連合加盟社のうち、27社が約150アイテムを手掛けており、今後も認証メーカーを増やす。

 事務局の石原さんは「安心した商品を買ってもらう目安になっている。メーカー側は、いいものを広めようという意識を高めてくれれば」と期待を込める。

 制度はガゴメブームを受け、偽物と区別する狙い。認証には「函館エリアで収穫されたガゴメであること」「衛生と品質管理が十分に実施されているもの」ほか9項目のクリアが条件だ。

 「箱館がごめ」と書かれたシール(25ミリ×28・4ミリ)はガゴメの緑色をあしらったシンプルなデザイン。メーカーに1枚2円で買い取ってもらってガゴメの普及活動に使う。ねばねば本舗以外に認証商品を卸す場合は、扱い方についてメーカーが販売先を指導。違反した場合は認証取り消しとなる。(山崎大和)



◎老舗喫茶店「ルポ」が再開店

 1958年に函館市本町にオープンし、2000年に一度閉店した、喫茶店「ルポ」が7日、五稜郭町30ロクゴー五稜郭1階に再開店する。岡島聰枝店主(76)は「体に無理のない範囲で頑張りたい」と話している。

 昭和30年代、函館には約200店の喫茶店があったが、大門地区が中心だった。岡島さんの夫で故孝治さんが58年7月14日、喫茶店の未開拓地、本町地区で店を構えた。この日はフランス革命記念日。ルポはフランス語で「憩い」の意味がある。店には、函館を代表する書家、画家、作家など文化人が多く通った。

 88年2月、函館五稜郭病院(五稜郭町38)地下1階に「カフェルポ」を開いた。その翌年に孝治さんが亡くなり、岡島さんが一人で2店を続けるのは難しく、本町の店は閉店した。昨年2月、岡島さんは同病院内の店を長男の智明さん(48)に任せ、手伝いに回った。

 岡島さんは「仕事を辞めて、何もしない不安から健康に支障が出るかも」と考え、あらためて店を構えたいと家族に話した。70代後半の親を気遣い、智明さん、長女の緑さん(49)は反対したが、秋になり、同じ境遇の知人が相次いで入院した話を聞き、智明さんらは出店を了解してくれた。「子供たちの理解のおかげ。いざ再開店が決まった時は不安だったが、カウンターで昔と常連客としゃべることができれば大丈夫」と岡島さん。

 コーヒー豆のブレンド、お湯の入れ方は50年前と変わらない。市内では早く提供を始めたウインナーコーヒーのほか、軽食もメニューにそろえる。本町時代の電話番号(電話0138・52・0291)が空いており、使うことにした。「主人が店をやれと言っているかも」。岡島さんは昔と変わらない笑顔で開店準備を進めている。

 営業は午前8時から午後6時を予定しており、休日などは今後決める。(山崎純一)



◎オオワシ優雅に飛翔、八雲で探鳥会

 【八雲】日本野鳥の会道南桧山(奥田孝一代表)は6日、八雲町の遊楽部川流域でこの時期恒例の探鳥会を開いた。厳しい寒さの中、会員と野鳥愛好家計20人が、国の天然記念物のオオワシやオジロワシの優雅な飛翔シーンに歓声を上げた。

 オオワシ、オジロワシは冬鳥として主に道東に飛来。同会によると、遊楽部川流域は餌となるサケが生息するため、毎年3月末ごろまで数百羽が越冬する「道南随一の観察地」(一戸静夫事務局長)という。探鳥会は午前9時に河口のポイントで始まったが、吹雪に見舞われはっきり観察できなかった。

 下流域へ移動した同10時10分ごろに視界が晴れると、川の対岸の木で羽休めする1羽のオオワシが姿を見せた。眼光鋭く獲物を探したり、飛び立ったりするオオワシの雄姿を、参加者はカメラや双眼鏡を取り出して目に焼き付けていた。

 市街地から10キロほど離れた上流付近に移ると、道路上空でオジロワシも含め数十羽が旋回。近くの雪原ではサケの捕食に夢中のオジロワシも。間近で繰り広げられる自然のドラマに、参加者はくぎ付けだった。

 祖父母と参加した函館青柳小3年の倉橋汀夏さん(9)は初めてオオワシを見たといい「遠くにいたワシが頭の上近くまで飛んできたのに感動しました」と笑顔で話した。(長内 健)


◎附属中で入試、186人挑む

 道教育大学附属函館中学校(羽根田秀実校長)で6日、入学試験が行われた。函館市内や近郊の小学6年生186人が張り詰めた雰囲気の中、試験問題に挑んだ。今月下旬まで私立中学校の試験が続くほか、19日には大学入試センター試験が始まるなど入試シーズンが本番に突入した。

 同校の今年の入試は、附属小学校の児童の受験者が減ったため、昨年より15人少なく、倍率は約2倍で例年並み。

 試験は国語、社会、理科、算数の4科目と作文、面接。午前8時45分に国語の試験でスタート。開始の合図とともに真剣な表情で問題に向き合った。

 作文のテーマは「附属中学校の学校行事」。小学校での体験を踏まえ、これからの中学校生活でどんな行事があったらよいかを考える内容。受験生は必死に鉛筆を走らせていた。合格発表は8日午後4時に正面玄関に掲示する。(松宮一郎)


◎新生児の尿から覚せい剤 妊娠中に使用 母親を容疑で逮捕

 函館中央署は5日、函館市内の無職の女(37)を覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕した。容疑者が出産した女児の尿から覚せい剤の成分が検出されたため、使用が発覚した。

 逮捕容疑は、昨年10月ごろ、函館市内で覚せい剤を使用した疑い。

 同署によると、女は昨年10月24日、市内の病院で女児を出産。女児は出産直後、仮死状態だったため、同市内の別の病院に転院。その病院が女児から採尿して外部に検査を依頼したところ、覚せい剤の成分が確認されたため、11月10日に同署に通報した。

 女児は現在も入院中。命に別条はない。

 同署の調べに対し、女は妊娠中の使用を認めており、同署では過去の使用歴や使用量、入手方法などを調べている。