2013年2月1日 (金) 掲載

◎市電8000形の販売開始

 函館市交通部は31日、模型メーカー「グレイスモデル」(時任町、増井慎吾代表)のプラモデル「函館市電8000形電車」の販売を駒場乗車券販売所(駒場町)で開始した。営業開始と同時に買い求める客が訪れるなど、初日は72個を販売した。

 同社の製品第1弾で、開業100周年の記念グッズとして扱われる。サイズは実車の150分の1スケールで鉄道模型Nゲージの規格に準じた。同部事業課は「電話での問い合わせも多く、初日から想像以上の反響。1人で5個購入された方や、乗務員も買い求めていました」と話す。

 市内大町の相馬株式会社前を走る8009号車を水彩で描いたパッケージイラストは、イラストレーターの西村慶明さんが担当。土産品として観光客にも話題を呼びそうだ。パーツは約40種で、台車部分や座席、パンタグラフなど、細部を再現したほか、角形、丸形ライトを好みでつくり分けることができる。

 装飾用のデカール(シール)は、車体側面の表示板や系統板など、実際に使用されているものを数_の幅に収め、デジタル、アナログ表示にも。間もなく実車で使用される予定の「百周年」ロゴ入りの方向幕や、末広町や千歳町など小判形のあんどんを使用している7カ所の電停名も用意した。

 増井代表は「路面電車の良さやメカの細部まで見て、触って、感じてもらいたい。プラモデルをきっかけに、実際に電車に乗ってみたいと思う人が増えたらうれしい」と話している。

 2200円(税込み)。当面、同販売所でのみ取り扱う。営業時間は午前8時45分から午後5時半。問い合わせは同課TEL0138・32・1730。(今井正一)



◎函館山にウソ飛来

 函館山で31日、野鳥のウソがソメイヨシノの木に止まり、花芽を食べる姿が見られた。函館山ふれあいセンター(青柳町)や函館公園管理事務所(同)によると、山麓や同公園内への飛来時期や数は、ほぼ例年並みという。

 ウソは、スズメ目アトリ科で体長は約15a。全身の色は灰褐色で、頭部は黒く、オスはのどの回りに赤い毛がある。函館山では例年、大寒のころから姿を見せ始めるという。2005年と09年には、大群が次々に飛来し、ソメイヨシノに食害が発生した。同公園管理事務所では「今のところ、花芽を食い散らした跡は少ないが、2月に入ると数が増える傾向なので、公園内の見回りを強化したい」と話している。

 同公園で写真撮影をしていた男性は「ここはほかの渡り鳥や、それを見に来る人も多いので、防鳥対策をするのは難しいと思う。(鳥たちが)早く帰って、きれいにサクラが咲いてほしい」と話していた。(山崎純一)



◎台湾人観光客が好調

 昨年秋に台湾の航空会社2社が函館—台北線を定期便化し、函館への台湾人観光客が増加している。2月10日からは旧正月「春節」の連休となることから、エバー航空と復興航空ともに同路線の予約は好調だ。空港内免税店の売り上げも大幅に増加。運営する函館空港ビルデングは「台湾人向けの商品ラインアップに絞り、売り上げを伸ばしていきたい」と話している。

 函館—台北線は、昨年9月に復興航空、10月にエバー航空がそれぞれ定期便を就航させた。函館空港事務所などがまとめた同路線の旅客数は、9月が2470人、10月が3688人、11月が5403人、12月は8030人で、チャーター便だった前年を大幅に上回った。

 エバー航空では「函館をはじめとした北海道は台湾人にとってあこがれの地で、人気は根強い」とし、「春節の連休の予約状況も好調」と話す。復興航空も「10、11日とも満席。この季節は一番の書き入れ時」。昨年末には機材を大型化するなど体制は万全だ。

 台湾人客の入り込みが好調なことから、函館空港免税店は売り上げが急増し、12月は前年の4倍ほどになった。免税店のある空港国際線の出国待合ロビーは、出発時間の1時間半前から最後の買い物を楽しむ観光客でにぎわう。

 台湾人に一番人気があるのが日本のタバコで、店頭では10箱入りのカートンで並べているが、「円安が続きより割安感があるので、一度にまとめ買いしている。ほかに人気があるのは日本酒と大手菓子メーカーのスナック菓子」(同社)という。

 大韓航空が10月まで運休することから、同社では春節に向け、台湾人の好みに合わせた商品をそろえていくという。(松宮一郎)


◎小中生が雪像づくり、あす開幕の雪と氷の祭典彩る

 【七飯】2、3日に開催される「第47回大沼函館雪と氷の祭典」(実行委主催)の会場となる大沼公園広場ではイベント本番に向け、地元の小中学生らによる高さ2bの雪像づくりが進んでいる。

 この日は地元の大沼小や大沼中の児童、生徒が雪像づくりを行った。大沼中は制作開始から3日目で、1、2年生約40人が班ごとに分かれて作業。生徒らは小学生時代から毎年雪像作りに参加しているため、今やベテランの域に到達。手際良く雪を盛って形を整える作業をこなしていた。2年の岸胤真君(14)と松田翔君(13)は「観光客には大沼伝統のイベントを楽しんでほしい」と話す。

 一方、大沼小はこの日が作業初日。学年ごとに「雪だるま」や「カクレモモジリ」などテーマを決め、教職員や保護者も参加してにぎやかに制作を開始した。町のマスコットキャラクター「ポロトくん」を作る6年の石川瑛菜さん(11)は「顔の輪郭をつくるのが難しいけど楽しい」と話していた。

 「雪と氷の祭典」は2日開幕。大沼公園広場では長さ20bのジャンボ滑り台が楽しめるほか、午前10時からは七飯町、森町、鹿部町の特産品が一堂に会する冬の味覚市を開催。午後5時からは特設ステージでオープニングセレモニーが行われる。(森裕次郎)


◎同志社大次期学長に村田氏、医学部構想の行方注目

 同志社大(京都)の次期学長に村田晃嗣法学部教授(48)が決まり、函館市が誘致を打診している医学部構想の行方に注目が集まっている。医学部に関して村田氏はまだ正式な発言はしておらず、4月1日の学長就任後どのような考えを示すのか注目される。

 同大広報課によると、八田英二学長(63)=5期15年=の任期満了に伴う1月11日の学長選で、村田氏を後任に選出、同26日の学校法人同志社の理事会で正式決定した。新学長の任期は3年。  医学部構想について、同課は「村田教授は理事ではないので、これまで直接的な関わりがなかった。この件についてコメントできる段階ではない」とする。

 学長就任後は、国が医学部新設を認めていない現状や、京都府医師会の反対、政権に復帰した自公政治などを見極めて分析・検討を進めるとみられる。

 同志社は、国の新設容認への対応を加速させるため「医科大学(医学部)設置基本計画検討チーム」を発足、昨年12月に初会合を開いた。既に函館市を含む10ほどの自治体から誘致要望を受け、連携自治体の特定といった本格検討に入る。

 村田氏は神戸市生まれ、87年同大法学部卒。2005年から同大教授、11年から法学部長。(山崎大和)