2013年2月10日 (日) 掲載

◎夜景とろうそく 函館の冬空輝く 登山道ウオーク

 ワックスキャンドルの明かりが街を照らす「はこだて光の小径(こみち)」は9日、「函館山登山道ウオーク」が開かれた。冬季閉鎖中の函館山登山道に約1000個のキャンドルが並べられ、参加した市民約350人が、澄み切った冬空にきらめく夜景と、ろうそくのほのかな明かりを楽しんだ。

 「2013はこだて冬フェスティバル」(実行委主催)の一環として行われ、今年で5回目。キャンドルは実行委スタッフが午後3時過ぎから登山道に並べ、同4時半に点灯された。

 参加者はロープウエーで頂上に登り、日が暮れ出した同5時から下山開始。降雪がなく、風も弱い絶好のコンディションの中、キャンドルが照らす道を約1時間かけて歩いた。

 途中の2合目では、約100個のキャンドルで「HAKODATE」の文字が作られ、参加者は寒さの中で歓声を上げ、記念写真を楽しんだ。

 初めて参加した市内柏木町の末永玲子さん(67)は「幻想的で素敵な光だった。観光客が感激している姿が、市民としてうれしく感じた」と笑顔で話していた。(千葉卓陽)



◎雪原散策 大沼の自然満喫 湖上ウオーキング

 【七飯】結氷した湖面を歩く「大沼湖上ウオーキング」が9日、大沼湖で行われた。好天に恵まれ、参加者約60人が湖面に広がる雄大な雪原の散策を楽しんだ。

 北斗市自然に親しむ会(丸岡進一会長)が企画した恒例の冬の行事で、今回で9回目。

 大沼湖畔にある大沼国際セミナーハウスで開会式と準備運動をした後、湖上に入りウオーキングをスタート。スキーや雪上歩行具を装着して参加する人もいて、参加者は長い列になって約4・5`のコースをゆっくり歩いた。湖から望む駒ケ岳はあいにく頂部分が雲に隠れていたが、風や冷気を感じながら心地よい汗を流した。

 2時間ほどでゴール地点の東大沼キャンプ場に到着。函館市の鳥井一元さん(69)は「気持ち良く歩けた。普段見ることのできない素晴らしい景色を見ることができて良かった」と話していた。(鈴木 潤)



◎鍋料理に1500人舌鼓 江差でまつり開幕

 【江差】冬の江差を熱気で包む「第13回 冬 江差 美味百彩(びみひゃくさい)なべまつり」(江差観光コンベンション協会主催)が9日、旧江差町生涯学習センター(本町271)で開幕した。地元ならではの鍋料理が並び、1500人(主催者発表)の来場者でにぎわった。10日は午前11時から午後2時まで。

 会場の体育館には町内近郊の名店がずらり。鹿鍋やゴッコ汁、フグちりなどそれぞれ1杯300円で提供した。食べ終えた容器の数で人気を競う「N—1(ナベワン)グランプリ」も白熱。10日の投票結果で優勝を決める。

 郷土芸能やご当地キャラクターの各種ステージも盛り上がり、終始和やかな雰囲気に包まれた。  江差町の菅野春奈さん(11)、明奈さん(8)姉妹は「寒ノリラーメンがおいしかった。たくさんの鍋料理があってすごい」と笑顔だった。

 最終日の10日は午前11時開場で、同11時半から「ジャガイモ詰め放題」(100円)、正午から郷土芸能「餅つき囃子」、午後0時半から「ご当地キャラクター大集合」、同1時半から「お汁粉の無料サービス」を予定している。(田中陽介)


◎瀬棚商業高閉校式 母校の思い出忘れない 64年の歴史に幕

 【せたな】本年度末で閉校する瀬棚商業高校(清原薫校長、生徒11人)で9日、閉校記念式典が行われた。最後の卒業生となる3年生11人と各地で活躍する卒業生、関係者約200人が出席し、64年間にわたって地域を支えた母校に感謝した。

 同校は、1948年10月に北海道今金高校瀬棚分校として、定時制の水産科1学級を瀬棚中学に開設。78年には現・瀬棚商業高校全日制課程商業科を開設し、この3月の第61回卒業式で計1404人の卒業生を輩出する。

 記念式典で高橋貞光町長が「輝かしい歴史と伝統で地域の発展に大きく貢献し、桧山管内唯一の商業高校として人材を育成し、地域に愛されてきた」と式辞。桝田道廣教育委員長も「学びやの火が消えても、各自の胸に友情や思い出が鮮やかな記憶となって残ると信じている」と激励した。

 清原校長は「開校当初は施設も教材もなく、仕事で疲れても向学の志を強く持った生徒と情熱と使命感を持って取り組んだ先生たちがいた。苦労の中で何でも吸収し、学ぶ喜びを感じ青春を謳歌(おうか)した古き良き時代に教育の原点をみる気がする」。生徒会長の福士俊君(18)は「中学3年の夏に閉校が決まり、それでも専門技術を身に付けたいという決意で入学した。この決意は間違っていなかった。仲間と地域の皆さんの支えに感謝したい」と声を張り、3年生全員で母校の歴史を振り返るスライド発表をして大きな拍手を受けた。(田中陽介)


◎冬フェス開幕 赤ふんダービー見納め 「五稜郭イベント」今年で終了

 2013はこだて冬フェスティバル(実行委主催)行事の一つ「五稜郭ファミリーイベント」が9日、五稜郭公園で始まった。主管するえぞ共和国(綱森哲美総裁)は、同イベントを今年限りで終了することを発表。目玉の「赤ふんダービー」では、最後のレースを見守る市民や観光客の歓声が響いた。最終日は10日、同会場でクイズやじゃんけん大会などが行われる。

 冬期間に函館で子供が外で楽しめるイベントが少ないため、えぞ共和国が1986年から五稜郭公園内でゲームや抽選会などを行ってきた。90年から2010年までは、陸上自衛隊第28普通科連隊が長さ約40bの雪像すべり台を製作し、家族連れの人気を集めた。

 9日は最終レース前にえぞ共和国のメンバーが、五稜郭ファミリーイベントを今年で終了することを告げた。綱森総裁(62)は「寂しい気持ちはあるが、運営するメンバーが高齢化し、続けるのは困難」と話した。

 赤ふんダービーは、北大水産学部の学生が4人ずつ出走し、4回行った。コースの周りでは大勢の見物客が拍手と声援を送った。同学部3年で米オレゴン州出身のバーザー・海渡(かいと)さん(21)は「昨年も参加したが、冬に函館市民と会えるイベントとして面白く、良い思い出となった。この格好は寒かったが函館の人は温かい」と話していた。

 10日は午前9時から五稜郭の土手を使ったすべり台の開放、同10時半からがまん大会、午後1時からウルトラクイズなどが行われる。入場無料。(山崎純一)