2013年2月15日 (金) 掲載

◎黒大豆新品種「つぶらくろ」栽培へ

 黒大豆の新品種「つぶらくろ」が今年産から、道南の一般圃(ほ)で栽培される。黒豆で初めて「ダイズシストセンチュウ」抵抗性を持つのが特長で、道総研道南農試(北斗市)は「道南でのメーンの黒大豆として育ってくれれば」と期待を寄せる。

 中央農試(空知管内長沼町)と道南農試が共同開発した。道などによると、今年産の作付面積は確定していない。種子増殖に時間を要するため、まとまった面積での栽培は2014年産以降になる見通し。

 道南では、古くから「晩生光黒(ばんせいひかりくろ)」栽培が盛んだが、倒伏に弱くて収量が低いことや、晩生種で収穫時期が遅いため高値が付きにくいことが欠点。そこで、中生種「いわいくろ」に作付けがシフトしたが、根に寄生するセンチュウに弱く収量が減り、粒が小さくなる問題があった。

 つぶらくろはセンチュウ抵抗性が強い上、同農試の試験栽培の結果(2009〜11年の平均)では、10アール当たり収量が392キロとなり、いわいくろ(367キロ)、晩生光黒(308キロ)より多かった。百粒当たりの重量も56cで、いわいくろ(51グラム)、晩生光黒(55グラム)を上回った。

 成熟期はいわいくろより4日遅く、晩生光黒より6日早い。煮豆加工に適しており、味や作りやすさ、見た目など評価はいわいくろと同程度か高かったという。

 同農試によると、道南での10年の作付面積は晩生光黒が185ヘクタール、いわいくろが267ヘクタール。厚沢部町や今金町など桧山管内が主産地。今後、センチュウ問題がある圃場はいわいくろ、晩生光黒に替えて作付け。問題がない場合でも、晩生光黒は全て置き換える構想がある。

 道南農試は「大規模に栽培する道内の圃場では、土壌病害の防除に膨大なコストがかかる。センチュウ対策としては、抵抗性品種を植えるのが安くて効果も高い」としている。(山崎大和)



◎市内で振り込め詐欺急増

 函館市内で2月に入って、息子を装い現金をだまし取る振り込め詐欺被害が急増している。道警函館方面本部生活安全課によると、13日までの1週間で3件、250万円の被害が発生。50〜60代をターゲットに、夜遅く電話をかける新たな手口が目立っている。

 同課によると、今年の被害件数は13日現在で全道9件、うち、函館中央署管内で3件発生。「風邪をひいて声が変わった」「携帯電話の番号が変わった」など、詐欺の予兆とされる不審電話を含めた認知件数は、函本管内で25件に上る。

 予兆電話はこれまで日中に多かったが、最近は午後10時〜午前0時にかけて集中。70代以上のお年寄りではなく、30歳前後の息子を持つ50代後半〜60代前半の市民を狙っているのも特徴。被害者3人も59〜68歳の男女で、同課は「函館市内の高校の卒業者名簿を使っての犯行」とみる。

 不審に気付き未遂で終わった事案がほとんど。しかし、被害者は「不倫相手に妊娠させてしまい、示談金で100万円掛かる」「明日まで150万円用意しないと訴えられる」などと懇願され、コンビニエンスストアにあるATM(現金自動預払機)での振り込みを指定された。

 同課は、こうした電話を受けた際、▽(電話番号が変わったと言われても)実の息子に電話して事実確認する▽警察に相談する|など冷静な対応が必要と指摘し、「自分はだまされないと過信することなく警戒してほしい」と呼び掛けている。(長内 健)



◎江差自動車道の津波避難施設完成で現地説明会

 【北斗】函館開発建設部が北斗市内の函館江差自動車道に整備した津波緊急避難施設8カ所が完成し、14日、中野通の施設で現地説明会が行われた。高谷寿峰市長をはじめ近隣の町内会役員ら約20人が参加し、開建職員の説明を受けた。

 東日本大震災で高速道路が避難場所の役割を果たした教訓をもとに、北斗市が函館開建に要望。昨年9月から追分IC—富川IC間の10`に8カ所に整備した。総事業費は7000万円。市が運営、管理し、津波発生の際の一時避難場所として活用する。

 説明会で高谷市長が「高台ができたことで市民の安全確保に向け一歩前進した」とあいさつ。次いで、開建職員が施設の概要を説明したほか、通常施錠されている出入り口のゲートの開け方など指導した。

 中野通中部自治会の斉藤友春会長(77)は「高台へ避難する場所ができたのは大きい。地域に安心感が得られる。役員や住民にも知らせていきたい」と話していた。


◎私立8高で一般入試

 函館地区の2013年度私立高校一般入試が14日、全8校で行われた。受験生は緊張した様子で会場入りし、合格を目指し筆記試験などに挑んだ。

 このうち、普通科特別進学コースと同普通コースに730人が出願した函大付属有斗高校では、朝早くから各中学校教員が来校し、受験生を激励。午前9時から試験が始まると、受験生は真剣に問題に向き合った。特進コースは国語、数学、英語など5教科の筆記と面接試験を実施した。

 道学事課によると、推薦入試を含む同地区8校の総志願者数は、定員1540人に対し3200人。平均倍率は約2.1倍となっている。  合格発表は21日に行われる。(長内 健)